Nintendo Musicがリリースされてからというもの、「ヨッシーアイランド」のサウンドトラックをずっとリピートして聴いている。「スプラトゥーン3」とか「あつまれ どうぶつの森」とか、好きなゲームは他にもあるんだけど、ヨッシーアイランドはわたしの中で特別らしい。小さい頃からヨッシーが好きなのだ。
わたしが子どもの頃、大流行していたのはスーパーファミコンだった。例に漏れず兄もスーファミを持っていた(お年玉を貯めて買ったんだったか、サンタさんにもらったんだったか、そこまでは覚えていない)。「ストリートファイターII」、「スーパーマリオカート」、「スーパードンキーコング」に「ドラゴンボールZ 超武闘伝」、「星のカービィ スーパーデラックス」……当時遊んだタイトルを並べるだけで誇張抜きに胸が熱くなってくる。わたしは兄よりも三つ年下なんだけど、子どもにとって三歳差なんてかなり大きいものだから、たぶん兄にとってわたしは、対戦相手としても共闘する仲間としても、ただただ力不足だったと思う。でも兄は特にわたしを弱いだの下手だのと責めることもなく、気長に一緒に遊んでくれた。二人で遊ぶモードのないゲームは、兄がプレイするのを隣に座って眺めていた記憶がある。ゲームの所有権は兄にあるから自然とそういうスタイルに落ち着いたんだけど、見ているだけでも楽しいから、不満はなかったように思う。
あるとき、兄が「おれはもうクリアしたから、セーブデータ作って遊んでいいよ」とソフトのプレイ権(?)を一つくれた。それがヨッシーアイランドだった。ものすごく嬉しかったのを覚えている。わたしにとってスーファミのゲームは「お兄ちゃんと一緒に遊ぶもの」か「お兄ちゃんが遊んでいるのを見るもの」だったけど、この瞬間から「わたしが遊ぶもの」になったのだ。自分の裁量の範囲が大きくなり、世界が広がったような気がした——もちろん当時のわたしはそんな語彙を持っていなかったけど。