自炊のハードルはくぐって進む

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たまたま、スーパーで野菜中心の直売系フェアをしていた。高いか安いかでいえば、目立って安いわけではないけど、そのスーパーのラインナップに比べたら安いくらい。通りがかり、その日はいったん購入を見送った。

2日ほどしてまた通りがかり、今度はたっぷり買い込んだ。何となく自炊の目処が立ちそうだったからだ。ピーマン、きゅうり、ズッキーニ、春キャベツ、ニラ、さやいんげん、トマト。ピーマンと被るな、と思いながら甘長も買った。煮ても焼いてもうまいよね。

いまの暮らしになったとき、さて自炊をとこまで出来るだろうと考えた。実家では、外に働きに出ているのがわたしだけだったので、帰宅するタイミングに合わせて夕食が作られていた。朝昼は自前とはいえ、朝はドリンクとヨーグルト程度、たまにトースト。昼は勤め先近くの400円のお弁当が中心で、自炊らしい自炊をする環境ではなかったのだ。

根っこが面倒くさがりなので、料理もやっぱり面倒くさい。これはハードルを下げないと続かないなと思った。

なので、徹底的に手抜きした。最初は味噌汁もインスタントだし、炊飯のルーチンが安定するまではパックご飯も使い倒した。最近はどんな料理も「混ぜるだけ」の調味液が売っているし、野菜だって下処理済の冷凍品が山程ある。

レンチンうどんに、カツオ節と麺つゆをかけたら自炊だし、炊いたご飯に納豆を添えたらちゃんとしたご飯の完成だ。とことん敷居を下げた。下げに下げた。地面にめり込んでいたかもしれない。

1年ほど適当に楽に雑に自炊を続けて、今では多少の料理も苦ではなくなった。野菜は一食分だけ切り分ければいいし、味付けはヒガシマルのうどんスープが最強だし。

込み入った料理は、面倒くさくて未だに手を付けていないけど、ただ煮る・焼く・レンチンするだけの食材は美味しいし、それでだいたい満足だ。塩気が足りないときは酸味を足せば、塩分控え目でも十分美味しく感じられる。

自炊出来るだろうか、続かないんじゃないだろうか、と最初はハラハラしていたけれど、なんやかんやうまくいっている。最初に感じた自炊へのハードルは、自分が作り出した幻覚なんだと思う。身構えていたけど、くぐれば案外どうにかなるもんだ。

※ただし美味しいとは限らない。

@yuz_u
なにか食べていると幸せ