短歌41-50

yuzi
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41

私への愛想も貴方の博愛のあらわれだから痛みすらある

42

諦めの予防線ばかり巡らせて ずうっとずうっと去りしを思う

43

寂しさに洞穴の高架下抜け一人で帰る見知らぬ駅の

44

切り分けぬままで世界を愛せるか? =ケーキを切らずに味わえるのか

45

愛らしいけれど私では埃を被らせてしまうそのぬいぐるみ

46

焼き上がりまで30分 区切られた時間だからこそ愛せるのだね

47

醜悪なざまであるほど美しく価値を反転せよと祈らる

48

明後日の悩みの種を愛でていた 今日も明日もこれからなのに

49

いつものだ そう思いつつ今回は今回ばかりはとも願うので

50

吾(あ)が価値を示すただ一つのすべは己を己で投げ打つことか