なんでもない日にケーキを買っていいことにしている。
これをご自愛ケーキと呼びます。
自分に手間をかけるって大事。いつもより丁寧にスキンケアするとか、いつも塗らないネイルを塗ってみたりとか、自分にケーキを買ってみたりとかそういうの。
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ここ数週間、驚くほどメンタルがブレイクしていた。わたしはなんてダメな人間なんだと思って日々を過ごしていた。PMSというやつだと思う。ときどきドカンとやってくる黒い渦はホルモンバランスというどうしようもない理由の後ろから突然やってくる。どうしようもなくはないか、筋トレと栄養で解決はできるらしい。今回は気づいたときには飲み込まれて大変悲しい気持ちで「ああ、自分はなんてダメなんだ」と地面にめり込むしかなくなってしまった。
自分の取り戻し方は何段階かあると思う。
ちょっと危ういなと感じるときはちいさなことやものに目を向けるようにしている。
今日はあたたかいなとか、菜の花が咲き始めたなとかちいさな季節の変わるのに目を向けたり、何年か前失敗したレモンシロップのリベンジマッチをして砂糖がゆっくり溶けていくのにニヤニヤしたり。ちいさいことに目を向けてほらこんなにも幸せはたくさんあるのだと思う。
それでも気持ちが海の底に沈んでいるときは、あえて自分に手間をかけるようにする。上がって来ない気持ちと自分に嫌な矢印が向いてるとき、普段は手の回らないところまで「自分に手をかける」をするのだ。
やっておくとずいぶん楽なのについ後回しにする眉ブリーチをして、ま、いっか!となってしまいがちな美顔器を使い、シートマスクを15分。会社員時代は1日9時間働きながらも休みの日はこういう自分へ手をかけることが定期的にできていたのに、フリーランスになったここ数年は心の余裕がなく、あえて「やるぞ!」と思わないとできないことになっていた。時間の余裕も大事だけれど心の余裕も大事。心の余裕がないと自分になにかしてあげようという発想が出てこない。気持ちが上向きになればそのうちご自愛にケーキを買いに行こうと思えるし、そんなふうに思っていればちょうどホワイトデーでパートナーがケーキを買ってきてくれて驚いた(ありがとう)
PMSの敗因を頭の中で考えた。仕事を詰めすぎたこと、初めましてや短納期など苦手なものが多かったこと、今が崩れそうになったこと。いっこいっこいつもの自分なら大したことない紙切れのような重さが全部重なってずっしりとのしかかる。
今回PMSに加えてわたしを苦しめていたのが「認知の歪み」の自覚。あ、私これだ、と何故だかこのタイミングで気づいてしまって何が悲しいかも分からないのにずっと涙が出るのだ。
ものごとをマイナスに捉えやすいし、他人の感情を深読みしようとする。距離が近くなるとわかってもらいたい欲が強くなるのか、家族やパートナー相手になると言われてもないことを勝手に想像して怒ってしまうこともある。なんだかいろんなことがうまくいかなかったり突然人間関係をリセットしてしまいたくなったりする。
ここまでこれで生きてきてしまったからに、変えるのは難しそうだけれど、改善したあとにはもっと生きやすい自分と出会えるんじゃないかと思う。このまま息がしにくいまま、海の底にいるのは嫌だもんなあ。
焦らずにいこう、「わたし」を取り戻すには何段階か必要。