ブレワイ ラストバトルの話

zansyou
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ブレワイこと、ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドをクリアしました。ラストバトルの熱が未だに胸を焦がすので、記憶を書き留めておくことにします。

当然のごとくネタバレがありますので、それを求めてきた方はお進みください。

なお、公式のインタビューなどはまだ読んでいません。このテキストを書き終わったら、開発側の想いを辿る旅に出たいなと思っています。

ラストバトルの話。

ハイラル城での戦いの熱も冷めぬまま、平原に戦場を移しての第二回戦。傍らには今まで旅を共にした愛馬が寄り添う。ゼルダ姫の声に導かれて弓を手にし、ラストバトル──馬上戦は始まります。ここで流れる曲があまりにも良くて、泣きながらバトルに羽目になりました。すごく、よかった。

ゼルダ姫の語りのパート、ここはガノンのテーマ→ゼルダのテーマ→ブレワイのメインテーマで進行します。ガノンの音は恐怖を抱かせる強大さをアピールしているのに対し、姫のテーマはピアノの音色がやわらかく、姿は見えなくても姫が側にいる、共に戦っているということを音で分からせてくるのはずるい。そして入ってくるブレワイのメインテーマ。クラリネットのソロは「それでも」と立ち上がった姫の覚悟が、合流してくるストリングスは過去守れなかったものたちの想いが集結したように感じました。

そこからいよいよバトルへ。

基本的にはメインテーマが走っているのですが、途中通常戦闘や馬に乗っている時の曲、ガノンのテーマなどが入り混じってとんでもない混戦になります。ラストバトルにメインテーマが入ってくる演出はこれまで何度も出会ってきましたが、歴代一、二を争うレベルでよかったです。基本は激しい音の運びなのですが、途中で差し込まれるクラリネットのパートで緩急がついて感情が揺さぶられるのがとても楽しかった。

それに、よくよく聴くとこの曲は3拍子ではないでしょうか。ゼルダ・リンク・ガノンの三者を表しているのかと思いますが、こんなところまでこだわり抜かれているなんて……とんでもない曲を知ってしまった。

あと、特筆すべきは表で裏でピアノが大暴れしている点。ピアノは馬上の曲を弾いていた音なので、もしかして馬の心を表しているのでしょうか……一生懸命走ってくれた相棒もまたこの戦は必死だったのかもしれません。死なないでいてくれて、最後まで一緒に旅をしてくれてありがとう。

バトルの進行度に合わせてシームレスに移り変わる曲調は転調した後にクラリネットのパートをなくし、ずっと激しい攻防を表現するようになります。ガノンのテーマが差し込まれて、それに対抗するようにメインテーマが覆いかぶさっていく。戦況とマッチした音がとても気持ちいい。

ガノンのテーマはオルガンでしょうか。古よりオルガンやパイプオルガンはラスボスの象徴。ストリングスの音の中で異物感を放っていてすごく怖かったです。それでも負けずに対抗するリンクと姫を象徴するメインテーマの音がね、素敵で。

あと一発で終わる、という時。音が減って、ピアノとクラリネット(?)だけになるタイミング。繰り返す小節の数が減って、早鐘の如く打つ鼓動と同調するようなあの感覚。良いラストバトルを体験している、と心の底から思ったのはここです。最後の最後、核を射止めた瞬間に音が消える演出。こんなの嫌いな人いない。

呼吸も支配されたように感じられるほど、強烈な物語体験。本当に良い旅でした。引き続き始めたティアキンも大変楽しみです。