本、とりわけ積読の話

zansyou
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本が好きだ。

小説が一等好きだけれど、哲学や技術書、自分の分野以外の専門書も好きだ。

本屋さんや図書館に行くとテンションが鰻登りになるのと同時に、その場にある本すべてを読めない事実を突きつけられているようで悲しくなる。(もし不老不死になれたら、好きなだけ本を読めるように最高の環境を整えることに腐心するだろう)

本は紙の本が好きだ。紙の手ざわり、読めば進んでしまう物語にドキドキしながら自分の意志でページをめくる瞬間、終わりの重みを手にすること、それ自体が好きなのだと最近気付いた。電子書籍も嫌ってはいないが、今のところ完全に移行することはないだろう。

紙の本派、且つすぐに読めないとしても気になる本があったらついお迎えしてしまうお陰で、我が家には崩せずにいる本の山がいくつも出来てしまっている。

ただ、通常の流通に乗っている本もすぐに絶版の憂き目に遭ってしまい、かんたんには手に入れがたくなってしまうから、積読は未来への投資であり、運命を逃さないための苦肉の策なのである。だから、どれだけ引っ越しが大変になろうとも仕方ないことだ。

本を積んでいると、ある日読むべき瞬間がやってくる。私にとっては『裏庭』であり『はてしない物語』であり『夜の写本師』、今は『ユートピア』だ。その時に必要な知識、視点、自分を変えうる何かが一冊の中に在る。もしかしたら、積んでいる本の中には読むべき瞬間が来ないものもあるかもしれない。それは単に時機の問題、あるいは自分に足りていないものがあるからだと思う。

その瞬間を迎えるために、手に取ったことで結んだ縁を握るために、知識を吸収し続けることも考え続けることを辞めたくないし、本に相応しいヒトでありたい。