今日は「傷物語」「窓ぎわのトットちゃん」を見た。
「傷物語」は原作を読んだのが10年以上前で、数年前に出ていた三部作版の映画も未視聴の状態から鑑賞した。他の物語シリーズのアニメと異なり長い台詞もモノローグも無く全編をシリアスに寄せていて、かなり面白かった。恐らくこの映画はノワール作品に近い思想で制作されていて、そもそも他の物語シリーズのアニメーションとはジャンル自体が異なっているのだと思う。罪を犯した主人公と生きることが人間にとって罪になる吸血鬼を題材にしたフィルム・ノワールだと解釈すれば、双方に痛みを伴う決着となるのも納得できる。
「窓ぎわのトットちゃん」も原作を読んでない状態からの鑑賞。正直なところ映画の描き方やキャラクターの行動などが自分の価値観と相容れないことも少なくなかったが、それを加味した上でも良い映画だったと言える。物語の中盤からは戦時下の日本を描いた映画に様変わりしていて、その描写が凄まじい。例えば数年前から駅員をやっている顔馴染みのおじさんが気づいたら別人の女性に変わっていて(出征を示唆している)、しかし作中ではその理由について明確な説明が一切されなかったりする。終盤の展開も(ネタバレになるため詳しく書けないが)非常に驚き。映画の展開でここまで予想を裏切られたことはここ一年を思い出しても無かったと思う。