日記0224

zatsu308
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今日も5時間バチャ。日曜以降は全員の予定が合わないので今日の分が最後になる。

深夜に読んだこの漫画がかなり面白かったので紹介をしたい。Twitterに流れてくるようなインターネット漫画は人並みに読んでいて、こういう作品が流れて来る度に流し読みで時間を浪費してしまうのだが、この作品は構成面などについても評価できる点が多く、ここ一年ぐらいで読んだ所謂インターネット漫画の中では最も好きといえるかもしれない。下でネタバレ感想を書くので興味がある人はこのタイミングで一度読んでみて欲しい。

以下ネタバレ。

まず序盤~中盤の三人(?)での会話劇パートについて。二人に対して同じレスポンスを返す縛りで同時に会話を成立させる時点で相当高度で、その時点でめっちゃ上手い。これはインターネット言葉遊びギャグ漫画勢らしいセンスで、不器用ビンボーダンスとかと同じベクトルで尊敬できる。もちろん物語全体から見ればこの会話劇自体は終盤のオチに向けた展開でしかないのだけれど、読者がこのパートで脱落しないためにもパート単体で楽しく読ませる必要があり、その上でやりとりに潜む違和感に気づいてもらう必要もある。この二点が両方達成できている時点で相当すごいと思う。

終盤で明かされるオチ自体については相当前から布石が打ってあり、オチを事前に予測されることを前提とした構成になっているはず。最初の違和感は「先輩は賢かった」が過去形になっている辺りで、「さいごまでモテてた」辺りになると背景も相まってまあ大抵の人が気づくはず。気づいたタイミングで読み返すとその前にも伏線があることが分かり(死神が人間の生死を判別できないもそうだし、そもそも会話の最初が「過去は振り返らないタイプか」から始まっているのもそう)、これも面白い。

個人的にかなり気に入っているのはオチ後の締めの部分。「霊感がある」という発言自体も過去の死神の「取り憑かれてないのに死神が見える人がたまにいる」と軽くかかっており、構成として非常に綺麗。漫画に限らず短編の創作作品は締めの美しさが作品の評価の数割を占めているという思想を(自分が)持っているので、ここが綺麗に決まっていると非常に気分が良い。序盤は雑談風の会話劇から始まり中盤~終盤の大きな展開からさらに締めでネタを一つ用意する流れはSF短編でも時々見る構成(最近の短編だと菅浩江「覚悟の一句」など)で、そういう意味でも読んでいて興味深かった。