書く

zerosant
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「書く」アウトプットへのモチベーションが低下している。奮起していざデスクに向かってみると、書く力の衰えを痛感する。そしてまたモチベーションを失う。このループのなかにいる。

いいことを書こうとし過ぎているのかもしれない。ためになる記事を書かねばならなかったことなど、人生で一度たりともなかったはずだ。自分で高いハードルを設定してしまっているがために、それを超えられないくらいなら書かないほうがましだなどと思っている。

読むのは依然として好きだ。最近は読むばかりである。休みの日にもとにかく読んでいる。本や雑誌やWeb記事を読むばかりで、書くことを放棄していた。インプットとアウトプットは 3:7 が黄金比だと言われている。最近の私は、この比率が 9:1 ほどにまで歪な形をしている。読むのが楽しいばかりで、書くことをおろそかにしてきた。

しかし私には、小説を読んだときにまでアウトプットが必要だとは思えない。物語をただ脳に流し込んでいるだけでは、インプット過多の状態に陥るというのだろうか。書いたり話したりといったアウトプットを取り入れようと意気込むと、今度は読むのが嫌になる。読むことへのハードルを徹底的に下げようと努めるあまり、アウトプットをしなくてもよいと錯覚してしまっている。

だから今日はこうして、ただ書かなければという焦燥感だけを頼りに、中身のないことを書き連ねている。書くことがない日でも、なにか書く。だれが読むとか、ためになるかどうかとか、そんなことは気にしなくてよい。ここはしずかなインターネットだ。書くことがなにもないなら、書くことがないということを、書く。永久機関のように主題を生み出していく。何も考えていない日などないのだから、そのとき脳にあるものを、そっと置いてくるだけでよい。