朝、洗面所で自分の顔を見てちょっとギョッとした。毎朝起きてすぐ洗面所でコンタクトをつけるのだが、今日は鏡の向こうの自分の目が明らかに充血して、まぶたも腫れている。たしかに、朝方寝ぼけながらめちゃくちゃに目を擦った自覚はあった。今もかゆいしゴロゴロしている。にしてもこんなになるか。寝ぼけてるとアトピーのところもひどく掻きむしっちゃったりするからなぁ。
今日はコンタクトを入れるのをやめ、しぶしぶメガネをかけた。できれば外でメガネをかけていたくない。いつかの日記で書いたとおり、わたしは裸眼だと0.03以下の視力だ。そうすると必然的にメガネのレンズは分厚くなり、目がめちゃくちゃ小さく見えるし、輪郭もゆがむ。あと、メガネをかけた自分の顔はなんだかいつにも増してすごく野暮ったく見える気がする。メガネをかけてすごくおしゃれに見える人もいるのに、自分の顔はそう見えない。
せめてと、自分では少しおしゃれに思える服で、かつメガネに似合う服を着ていくことにした。いつも通り家を出るも、マスクの隙間から漏れる呼気でメガネが曇り、早速ちょっと嫌な気分になった。
仕事は流石に年度末で忙しく、今日は少しだけ残業して帰宅した。まぶたの腫れや充血は昼過ぎにはかなり引いていた。
少し遅く帰ったので、夕飯は簡単にまたパスタで済ませることにする。しらすと春キャベツのアーリオオーリオ風。それから昨日の残りのローストビーフにマッシュルームを添えたもの。
キッチンがかなり散らかっていたので片付けて、まずパスタを茹でるお湯を沸かし始めた。この時点で結構な時間が経っていて、普段からキッチンを使ってすぐ片付けるようにしとけばいいのに私って奴はよ、と自分に呆れる。
お湯が沸くまでに、マッシュルームを皮を剥いて薄切りにし、ローストビーフと一緒に適当に皿に盛る。ローストビーフの漬けタレを煮詰めたソースと、削ったチーズをかけたら早速1品完成だ。
それから、にんにくを包丁の腹でつぶし粗みじん切りにして、多めのオリーブオイルを入れたフライパンに投入。弱火でじわじわ温めて香りを出す、いつもの工程。春キャベツはざく切りにしておく。冷蔵庫にアンチョビが1切れだけあったので、これも刻んでフライパンに入れる。あと輪切りの唐辛子もほんの少しだけ。
フライパンの隣でお湯がぐらぐらと煮たってきたので、お湯に塩を気持ち多めに入れて、パスタを茹で始めた。8分のタイマーをセットする。
フライパンからはイタリアンっぽい、にんにくの良い香りがしてくる。春キャベツを入れて、強火にして少し焼き色がついたあたりでしらすをたっぷり入れる。少し蒸したかったので、白ワインと塩を適当に入れて蓋をした。
少し待って、パスタが茹で上がる直前くらいに蓋を開けて、茹で汁をフライパンに少し入れて強火で煮たたせる。パスタが茹で上がったらフライパンに移し、オリーブオイルを足してざっと混ぜて、すぐに火を止めた。お皿に盛ると、なんとも美味しそうな匂いが立ち上る。
たまらん、早く食べたい。正直、コンロ周りは色々散らかしたままだったが、一旦キッチン周りは見えないフリをすることにした。視力悪いし。こうやって毎回放置してるんだろうが、ともかく早く食べよう。
早速食べてみると、しらすと春キャベツのアーリオオーリオ風は、自分で作ったにしてはかなり美味しかった。そもそもしらすも春キャベツも大好きで、この時期イタリアンで似たようなパスタがメニューにあるとすぐ頼んでしまうのだが、そういう時にお店に期待してる味がする。お店で食べるパスタのほうがオイリーではあるが。アンチョビの香りとしらすが合うのかな。塩加減も今回は割とちょうどよく、夢中で食べてしまった。しらすがそんなに得意ではない配偶者もうまいうまいと食べてくれていて、安心した。
お腹を満たし、一休みしたらお風呂に入って、明日のお弁当詰めて、歯を磨いて…と1日の終わりのルーティンをこなした。このルーティンに"キッチンの片付け"を入れられるのはいつになるだろうか。今やればいいんだけど。見てみぬフリを継続し、そのまま寝室へ逃げた。