今日は昼から友人たちが我が家に来てくれて、とっても楽しいタコスパーティをした。
タコスパーティは少し前にまた別の友人たちとしたことがあったのだけど、そのときはネット上のレシピを参考に具材を用意した。これも美味しかったが、今回は友人のお宅で定番になっているタコスのレシピで作ってみることとなった。
その友人はアメリカ文化圏出身の夫が居て、よくインスタのストーリーに本格的で美味しそうなタコスの写真を載せていた。常々このタコスの作り方を教えて貰いたいと思っていたのだ。
そして先月、友人たち数名が我が家に来てくれるということが決まり、では何をするか?という話の流れで、友人宅のレシピでタコスパーティをすることになった。念願叶ったりである。
事前に必要なものを確認したところ、普段の自分の生活で出会う機会の無いものがいくつかあった。流石は本場アメリカのタコスだ。
レッドチェダーチーズってどこで売ってるんだろう。コストコとか?サワークリームって存在はスーパーでもよく見るけど買ったことないな。個人的には「スーパーでクロテッドクリーム探してて、あ、ある!と思ったらサワークリームでちょっとがっかり」でお馴染みの存在だ。
近くで揃えられるかな〜と考えてたら、いくつかは友人が買ってきてくれることになった。とてもありがたい。
近くで揃えられるものは揃えて、いざ当日。
友人のうちの1人がお子さんの関係で来られないかもと事前に連絡があったが、幸運にも解決して急遽来れることになった。快くママを送り出してくれてありがとう。なんて良い子なんだ。
みんなを駅で迎えて、我が家まで案内する。今日来てくれた友人たちはみな既婚子持ちで、家事は手慣れたものだ。我が家に着いてから具材を切ったり炒めたりを始めたが、準備はさくさく進み、思ったより早く終わった。うちに来る友人たちはみな言わなくてもなんとなくやることをわかってやってくれて、とてもありがたい。
そして肝心のタコスを各々作って食べる。トルティーヤにレタスの千切り、タコミート、アボカドの薄切り、トマトの薄切りを乗せ、サルサソース、サワークリームをかける。更にお好みでパクチー、緑のチリソースをかけ、おろしたレッドチェダーチーズをもさっと乗せて、こぼさないように慎重に巻いて、がぶり。
え、おいしっ。
タコミートにレッドキドニービーンズが入ってるのと、アボカドやトマトを大きめの薄切りにしているから、食べ応えがあるし水分が出にくい。サワークリームと緑のチリソースがアクセントになっているのか、飽きずに美味しく食べられる感じ。あとレッドチェダーチーズがふわふわで、口に入ってすぐなくなるような食感も楽しい。
おいしいねぇ、と友人たちみんなで言って、時々真剣に味わって無言になりながら食べた。カニ食べてる時みたいだねと誰かが言った。
タコスの合間にチップスをワカモレにディップして食べたり、友人から手土産に頂いたタルトタタンを楽しんだりしながらお喋りを楽しんでいると、自然とそれぞれの家庭のことが話題に上がってくる。私含め全員が既婚で、私を除いてみな子持ちなので、結局そういう話題が盛り上がるのだ。
夫に対するちょっとした愚痴や、他の家で子育てのこれをどうしてるのか、うちではどうしてた、とかそうしたありふれた話だ。
わたしは少し前にX(Twitter)から離れてしまったが、以前はよく同じような話をXで目にしていて、正直そういう話題に結構疲れていた。でも友人たちと楽しく話をして、聞きながら「こういう話題そのものが嫌な訳じゃなかったんだな」と思った。
わたしが嫌だったのは、毎日の中のほんの一部分を切り取って溢した愚痴に対して、読んだ他者がそれが全てだと思い込み、極論で断罪をしたり自己責任だと責めたりすることだったのだ。「そんな夫は最低だ。離婚した方がいい」とか、「そういう人を選んだあなたが見る目が無かった。なぜ気付かなかったのか」「大変に決まってるのに子どもを産んだのだから愚痴を言うな」とか…。
友人たちと、「こういうとこ嫌なんだよね」「わたしの夫も同じ同じ!」「子どもがこんなことしちゃって本当大変だったよ」なんて話すけど、一方で「まぁでも基本的には優しいからね」「勿論いいところはあるよ」「うちの子がこんなことしててかわいくて」と言うし、わたしたちは"それ"を分かっている。
愚痴を言う時に表現されることは日常のほんの一部でしかなくて、いいこともいやなこともある中で、折り合いや納得のつけられるところで頑張っているということ。夫婦は他人だから合わないところはそりゃあるけど、それも含めてその相手と夫婦でいることに納得しているし、子どもだってそりゃ育てるのが大変なのは当たり前だけど、その大変さも含めてわかった上で子育てを頑張っている。
誰でも何でも色んな面を持っていて、色んなところで折り合いをつけながら頑張って生きている中で、ちょっとした愚痴をこぼしたり、それを共感しあって時には笑い飛ばしてスッキリするぐらい、いいじゃないか。
ほんとお互いやんなっちゃうよね。ほんとにしょうがないんだから。…まぁ、なんとかやってくかぁ。
そんなふうに共感して、また頑張れるのだから。
ひとしきり私たちはそんな日常の愚痴やあるあるで盛り上がって、気付いたら結構な時間が経っていた。
最後にデザートとして用意していた、なかしましほさんのクレープを焼いて、ホイップした生クリーム、いちごのスライスとチョコソースでかんたんな苺クレープを作った。すぐ食べてしまって写真は無い。
みんなお子さんが居るとなるとそんなに長時間家を離れられないので、夕方にお開きとなった。次は友人の新居で、〇〇ちゃん(お子さんの名前)にも会いたいねなんて話し、駅の改札の前でみんなを見送った。
今日来てくれた友人たちは中学高校の同級生で、もう20年くらい前からの付き合いになる。当時から同じメンバーでつるんでいたわけではないけど、わたしは友人それぞれと付き合いがあった。大人になり、結婚したり子を産んだりしてもなお仲良くさせて貰えるというのは、本当にありがたいことだ。
あのころ、20年くらい前。お喋りしながら一緒に下校して渋谷駅で解散し、「バイバイ」とお互い振り返って手を振りながら、それぞれの利用している路線の改札に向かった。そのころと地続きの背中がそこにあり、私もそうなのだと思うと不思議な気持ちだった。