◆ベラドンナ(主人公)

フルネーム:ベラドンナ・アウルム/ベラドンナ・プラタナス
年齢:24
誕生日:12/3
種族:ヒト(ヘルメス)・カーニヴ・オオカミ族
毛並み:薄茶色
髪色:濃いブロンズ
瞳:濃いオレンジ(月狼症によるもの)/琥珀色
体格:比較的背が高く、標準的な体型
代名詞:she/her
表情:目が据わっているが比較的豊か
出身:グリーンレイク村
居住地:オウルフォレスト東宿場町
信仰/思想:ベナンダンテ信仰(オオカミ型)
主人公。重度の月狼症を患っている、オオカミ族の薬師。
口数が少ないが実直で心優しい性格をしており、会話をすれば打ち解ける者も多い。観察力に優れており、他者の機微にさとい。
現在はオウルフォレスト東宿場町に在住し、そこで小さな医院兼薬局を経営している。月狼症であるため、通常は夕方の16時に起き朝の8時に眠る夜型の生活を送っている。
10歳の頃に月狼症を発症する。叔母夫妻は「月狼」となったベラドンナに対しても態度を変えずに接したが、適切な治療法を知らなかったためにベラドンナの症状は悪化した。
彼女はそのまま死ぬかと思われたが、ある時月狼の存在の噂を聞きつけてやってきたワルターという医師がベラドンナを引き取っていき、以降ワルターの元で数年間過ごすこととなった。
その聡明さをワルターに買われ、彼女は研究材料ではなく彼の助手のような役目を与えられていた。しかしベラドンナは他者への愛情や心遣いを持たないワルターを嫌悪し、彼の元を離れることとなる。
一人で暮らすようになって以降は、ワルターの元で得た知識を生かし薬師として生計を立てている。
育ての親であるワルターを嫌ってはいるが、医師としての腕やその知識・哲学などには一目置いている。「親子らしい愛情」こそ与えられなかったものの、養育者として一通りのことは頼めば行ってくれたという点においてはワルターに感謝している。
彼女の生きた時代において、月狼症は疾患ではなく「呪い」や「前世の罰」「悪行の報い」などとして扱われていた。その中で、「月狼」というものの正体を解き明かしたいと考え研究を続けている。
参考:ベラドンナ(オオカミナスビ)、琥珀
◆アマリリス(ヒロイン)

フルネーム:アマリリス・スフェーン
年齢:10
誕生日:5/30
種族:ヒト(ヘルメス)・カーニヴ・イヌ族
毛並み:薄茶色
髪色:焦茶色
瞳:真紅(月狼症によるもの)/緑色
体格:平均より小柄で、かなり痩せ型の体型(栄養不足によるもの)
代名詞:she/her
表情:虚ろな目つきをしており、表情に乏しい(前半)
出身:?
居住地:セントジョーンズ教会→オウルフォレスト宿場町
信仰/思想:レゾン教・宥恕派(ヘレニウム派)
オウルフォレスト南西のセントジョーンズ教会に住む、10歳のイヌ族の少女。中等症の月狼症患者。
月狼症ゆえにあまり外に出られず、日がなベッドの上で過ごしている。外の世界に興味があり、知識を得られる本が好き。月狼症の者がいるという噂を聞いて修道院にやってきたベラドンナから診療を受けることとなる。
月狼症を患ったことで両親から虐待され、そして捨てられるような形で修道院にやってきた。そのうえ修道院でも長く正しい治療を受けてこられなかったため衰弱しており、慢性的に体調不良を抱えている。
両親から受けた虐待の影響で、怒鳴り声と頭を触られることが苦手。また優しい声で「治療」をおこなおうとしてくるシスター・マーサの姿を何度も見てきたため、一見優しげな年長者も苦手である。そのため、治療をおこなおうとするベラドンナに対しても最初は内心でひどく警戒していた。
体の傷を隠すためか長袖の服を着ていることが多い。月狼症の影響で瞳の色が変化しており、元の緑色ではなく赤色になっている。
参考:アマリリス、スフェーン、児童虐待、アンチナタリズム
◆マーサ(シスター)
フルネーム:マーサ・アングレカム
種族:ヒト(ヘルメス)・カーニヴ・ハイエナ族
代名詞:she/her
表情:おっとりと優しげな微笑みを浮かべているが、光がない
出身:?
居住地:セントジョーンズ教会
信仰・思想:レゾン教・誓言派(アンモビウム派)
セントジョーンズ教会のシスター。敬虔なアンモビウム派のレゾン教徒で、尻尾を切り落としている。
アマリリスに対し「解呪」と称した誤った治療(虐待)を繰り返している。
一見人当たりがよく子供想いな性格に見えるが、全て演技である。自らが献身的な良き人物であると他者に錯覚させることに長けており、数回会った程度の者であれば簡単に欺くことができる。
月狼のことを呪いであると深く信じ込んでおり、誤った治療で何人かの月狼患者を死に至らしめている。しかし死なせてもそれを「月狼の呪いが解けたから神の御許へ向かった」と解釈し、決してやめようとしない。
熱心なレゾン教信者の家に生まれた。レゾン教の教えは絶対であると教育されてきたため、親と同じく盲目的にレゾンの教えを信奉している。尾を切り落としたのは自ら望んでのことである。
ヒト以外の動物のことを「知恵なきもの」として見下している節がある。自分の信じるもの以外は全て間違っているといった考えを持つ強情な性格で、他者の意見をなかなか聞き入れない。
参考:知識の呪縛、ナイーブ・リアリズム、セイヨウオトギリ(セント・ジョーンズ・ワート、花言葉:予言者・迷信・秘密・恨み)、アングレカム(花言葉:祈り・いつまでもあなたと一緒)
◆ワルター
フルネーム:ワルター・プラタナス
年齢:36
誕生日:12/21
種族:ヘルメス・ハービヴ・ウサギ族(ニホンカイウサギorヒマラヤン)
毛並み:白
髪色:白
瞳:真紅
体格:ウサギなので小柄。やや痩せぎみな体型
代名詞:he/him
表情:常に薄く笑っている
出身:ロックウォール市
居住地:ロックウォール市
信仰・思想:信仰なし
ロックウォール市を拠点に生活しているウサギ族の医師。有名な資産家の血筋。
医師として過ごす傍ら、月狼症の研究をして生活している。
飄々とした雰囲気で、あまり他者に隙を見せない。他者への思いやりや愛情といったものを持たない性質だが、論理的かつ口達者で社交的な面もあるため魅力的な人物として見られることも多い。激昂して怒鳴る・直接的な暴力を振るうといった行動を取ることはほとんどないが、不機嫌な時は他者の神経を逆撫でするような物言いで相手を封殺する。口で勝てるものはまずいない。
「呪い」と考えられていた月狼を「疾患」として研究し始めた最初の人物。自身の探究心を満たすために、「月狼」と噂される人物を探し回っている。ベラドンナとはその過程で出会い、彼女の育ての親となった。
本来彼は、ベラドンナのことを単なる実験患者として扱うつもりだった。しかし、ある時彼女が邸内にある蔵書のいくつかに興味を持って自ら読み進めていることを知り、利発さに気づく。教育すれば自分に近い知識と判断力を持ったヒトを手駒と出来るのではと考えた彼は、ベラドンナにさまざまな教育をするようになった。
手元に置いた月狼症患者の中ではベラドンナを比較的丁重に扱っていたが、これはあくまで彼女の利発さや見た目の良さを買って利用しようとしたからである。そのためベラドンナに対してとくに愛情などは抱いていない。
それでも彼女の実力を評価していたのは確かであった。彼はベラドンナに教育をおこなう過程において、自分の蔵書や必要な教材を与えたり、自ら勉強を教えたりして彼女を導いている。
彼自身は月狼症ではないが、もともと目が赤い種族であるため、月狼症と偽って行動することがある。これは偏見の眼差しを受けて精神的に苦しむことの多い「月狼」たちに一時的な安心感を与えて警戒を解かせ、自分の支配下に置くためである。
実の兄は月狼症で亡くなっている。迷信深い時代である中で、お伽話でしか聞いたことのなかった「月狼」そのものが身近に現れた彼は、兄を観察と実験の対象にして「月狼」について調べ始めた。「ヒトがヒトを食うようになる」という症状に強い興味を持ったワルターは、月狼症の研究に没頭してその患者を集めるようになった。
外道ではあるが医師としての腕は確かで、彼の医者としての評判は良い。神や神話の存在を信じない現実主義者で、レゾン教の理念とは異なる方向で「論理」を重んじる。レゾン教のことはむしろ侮蔑しており、「知性」を持つだけの進化をしながら生物の頂点に立っているという「優越感」にあぐらをかくヒト全般を見下している。
煙草を好み、一日中どこでも吸っている。
プラタナスの花言葉……好奇心・非凡・天才など
参考:サイコパシー(精神病質)、反社会性パーソナリティ障害