主人公が無双する映画をいろいろ観てる

zom
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公開:2025/5/24

本記事は映画のネタバレがいっぱいあるのでご注意を。

ビーキーパー

4月、AmazonPrimeVideoにビーキーパーという、養蜂家役を演じるジェイソン・ステイサム主演の映画が来た。養蜂家というのは映画の設定上はアメリカ国民を蜂に例えてアメリカの治安維持を秘密裏に行う特殊工作部隊のことで、ステイサムはそこを引退し、本当に養蜂家として静かに過ごす人を演じている。

以降ネタバレを含む。

彼は寝床や小屋を貸してもらってる資産家?にお礼として蜂蜜を届けているが、その資産家がネット詐欺に遭い全財産をむしり取られたショックで自殺をしてしまう。その復讐としてネット犯罪集団の本拠地や親玉を片っ端から粛清していく。その過程で、親玉が大統領の息子であることが判明する。しかも大統領になれたのは息子が汚いお金を使って支援をしたからだ、ということも判明する(大統領本人曰く支援がなくとも大統領になれたと抗弁するが)。

そんな犯罪に手を汚す息子だが、腐っても息子。大統領権限を使ってFBI(CIAだったかも)やら警察やら養蜂家やらいろんな手段を使ってステイサムを殺そうとする。でもステイサムは止まらない。片っ端から返り討ち。大統領のパーティー会場に殴り込み、大統領が見てる前で息子を銃殺。えらいこっちゃ。最後は海に飛び込んで逃げ切る…。

という話なんだけど、ステイサムを前にみんな躊躇しすぎている。警察はしょうがないにしてもステイサムを殺せと命じられてる傭兵みたいなやつとか悪者ですらなぜか銃を撃たずに「動くな!」みたいな警告から入るし。撃てや。ナイフで戦おうとすな。多人数で戦ってるのになんで後ろのやつ順番待ちしとんねん。

大統領の子どもだけではなく、世の中的に正義の人であるFBIやら大量に殺しといてその後の生活どうすんねん。ご都合主義といえばそうなんだけど、そういうところが目についてしまいちょっと不完全燃焼。

ということで次に観たのがイコライザー2。

イコライザー2

1はかなり前にPrimeVideoで観てた。これもビーキーパーと同じように、特殊部隊にいた人が引退をして静かに過ごしているけど、身近にいる人に対する暴力を見過ごせずに勝手に暴力で復讐するという話。主演はデンゼル・ワシントン。

1ではスーパーだかホームセンターで働いてたけど2ではタクシードライバーになってた。高級なホテルだかマンションで酔いつぶれた女性を乗せたデンゼル。様子がおかしいので病院につれていき、レイプされたのだと分かったらすぐさま復讐。若者5人くらいをボコボコに。被害者とほぼ無関係なのに。また、同じアパートに住んでる若者がお金欲しさに悪いグループとつるみ始めたのを見かけたら、犯罪の指示を受けているところに殴り込み。悪い道に教育的指導が激しい。

ある殺人事件を追ってる特殊部隊時代の同僚が殺される。他の元同僚(デンゼルは死んだと思ってた)にこの件を調査していることを告げると、デンゼルも狙われ始めるように。黒幕は元同僚だった。特殊部隊時に使い捨てのように使われたことと金目的で汚い仕事を請け負うようになり、邪魔になったから消したと。ということで対戦相手は元同僚たち数名。

台風の来る中、昔住んでいた街で特殊部隊を相手に銃撃戦を行い、片っ端から倒していく。同じアパートの若者が人質になるも無事に助け出す。何も知らない元同僚の家族がちょっとかわいそう。あとブービートラップの爆発でふっとばされて内臓が露出してた敵(即死じゃない)も、なんでこいつだけこんなグロい死に方したんだろう。

こっちはビーキーパーよりも緊張感もあったし、結構満足。

イコライザー THE FINAL

ということで流れに乗ってイコライザー三部作の最後。

舞台はイタリア。ワイナリーを隠れ蓑にしたマフィア集団をボコしたデンゼル。その場を去ろうとしたときマフィアの子どもがいて、子どもだと思って油断してたら腹部を撃たれてしまう。なんとか逃げるが途中で意識を失う。そこを通りがかりの警察が助けてくれて、町医者の手術のお陰で一命を取り留める。回復するまでの間、イタリアの海沿いの田舎町での生活を送る。居心地の良さから街を気に入ったデンゼルだったが、最初のとは別のマフィアのボスの弟(チンピラ)がこの街にいてお店などから場所代をせしめていた。警察も対処しようとするがリンチに遭ったり、上層部に握りつぶされたり。

そこで怒りのデンゼル。チンピラを皆殺し。ブチギレたマフィア、CIAを街中で爆殺しようとして重症を負わせたり、デンゼルを広場のようなところで殺そうとするがデンゼルのことを仲間だと思ってくれている街の人がかばったりスマホで撮影を始めるなど抵抗を始める。一旦引いたマフィア連中だったが、デンゼルは引いた連中を追い本拠地に殴り込み&皆殺し。デンゼルはそのまま街の一員として余生を過ごすのだった。

デンゼルが明らかに(街のためとはいえ)マフィアを殺しまくってるのに受け入れる街の人の懐の広さ…というかどういう気持ちなのよ、という目で観ちゃう。街のためならいいのか???

SISU 不死身の男

続いてSISU。フィンランドの映画だからなのか雰囲気がアメリカとはちょっと違う。フランス映画にありがちな暗い雰囲気と多くは語らず、たっぷりと間を楽しむ的なワンカットの長さとか独特のリズム感。

ナチスが北欧らへんを攻め込んだりしているしていて終戦間際の時代。一人(と犬1匹)でもくもくと地面を掘る老人。そしてついに金鉱を掘り当て大量の金(Gold)をゲットして雄叫びを上げる。

金を持って移動していたところ、ナチス兵に見つかってしまい金を強奪しようとするナチスvs老人1人という構図になる。ナチス兵も戦争で負けそうでこのまま国に帰ったら処刑されるだろう、ということを見越して金を強奪して別の国に逃げたいという思惑があるので執拗に追ってくる。

で、この老人が実はフィンランドの復讐の鬼だという伝説が捕虜?の女から語られる。家族を戦争で失った怒りでロシア兵を500人殺した、死なないのは死のうとしないからというクソデカ根性論みたいな理由で暴れまくってたやつらしい。

下記の段落は不死身っぷりを書いてるので、ネタバレを見たくない場合は薄めで読み飛ばすのが良いと思います。

馬が地雷を踏んでしまいふっ飛ばされたり、近くで爆発した爆弾でふっ飛ばされたり、絞首刑にあったり、飛行機で沼地に墜落したりもするけど私は元気です。という不死身っぷり。もうそういうギャグ映画と思ったほうが良い。

あとは監督の趣味なのか、捕虜の女性たちが今まで存在感がほとんどなかったのに急にかっこいいシーンを出してくるのとかかなりギャグセンス高かった。ところどころそういうお笑いをぶっ込んでくる。真剣に、ウケを狙わずに作ってるとしたらそれはそれで面白すぎる。

そんな感じで結果(敵の死者数)的には無双をしているんだけど、かなりピンチになったり、ほぼ死んでるような場面も多く、今までの今回観た映画の中ではだいぶ毛色が違うなぁという感想。

ジョン・ウィック chapter2

さらにさらに無双映画といえばジョン・ウィック。一部でネットミームになる程度の有名作品。元殺し屋組織に所属していたが、家族のために引退した人をキアヌ・リーブスが演じる。一作目では自分の飼い犬(妻の形見)が殺され車が奪われたという理由でロシアンマフィアのボスの息子と親を殺すという話。犬を殺したくらいで、というところのジョン・ウィックの絶対殺すマンっぷりがウケている。

続編はそれから数日後の話らしい。上記のロシアンマフィアの弟のところで自分の車を奪還するところから始まる。

車がボロボロになりながらも奪還し、家に帰ってきたが、殺し屋組織を引退するにあたってイタリアマフィアに誓印(せいいん)という殺し屋組織でルール化されている貸しを作ってた。貸しを作ったら絶対に返せよ、というルール。その貸しを返せ、ということでマフィアのボスの座を親から引き継いだ自分の姉を殺してくれと依頼される。しかし引退をしたから、と断ったら妻との思い出が詰まった家を爆破される。

殺し屋組織に相談をするが、貸し借りは絶対、を理由に助けを得られない。やむなく依頼を受けることに。イタリアに飛び、任務を遂行。しかしターゲットの護衛(元殺し屋組織出身の同僚)に追われる身になる。さらに依頼主からも口封じとして狙われるようになる。ジョンは貸し借りがなくなったので依頼主を殺すことにする。しかし依頼主はさらに殺し屋組織にジョンを消すように依頼することで複数の殺し屋から狙われるようになる。

それでもジョンは全員返り討ちにし、依頼主も不殺が掟の殺し屋組織の施設内で銃殺。掟に背いてでも殺したかったんやなぁ…。

すべてが終わったあと殺し屋組織の長に、公園に呼び出されるジョン。掟に背いた罰として世界中の殺し屋に狙われるようになった。その証拠として長が合図をしたら公園にいた通行人が一斉にジョンを見る。つまり周りにいたのは通行人ではなく全員殺し屋。今までの功績を理由に1時間逃げる時間をもらい傷ついた体で逃げ出すところで終わる。

ということでジョンは腹を撃たれたりかなりダメージを負いながらの戦闘で満足度が高いものの、全世界の殺し屋に狙われるようになるって…さすがにもう無理やろ…しかも第4部まで出てるし…。続きが気になるわぁ。

MEG2

で、ジョン・ウィックの続きを観るのかと思いきや5月にPrimeVideo入りしたジェイソン・ステイサム主演のサメ映画にいってしまうという。サメ映画なのでステイサム大暴れではないのだけど、まぁほぼそんなもんだしえぇやろ、という感じで観始めた。

ステイサムは環境保護活動家として海に違法投棄してる悪い連中を捕まえる仕事をしてる。また深海の調査や古代生物のメガロドン(MEG)を飼育・研究しているMANA-1というマリアナ海溝近くの海上建造物で仕事をしている。深海7500mのところを潜水艇で調査探索をしていたところ、海底に謎の建造物を発見。近づいたところ爆破により地すべりが起きて海底で身動きが取れなくなる。海上の方でもトラブルがあり助けに行けないし、酸素残量的にも待ってられないと判断した潜水艇のメンバー。仕方がないので歩いて建造物内に避難をすることに(①)。

海底を歩いていると水陸両用の古代生物(でかいトカゲ、あるいは小さい恐竜)に襲われる。さらにそこにMEGも襲来。合計3人死亡。なんとか建物内に侵入した生き残ったメンバーだったが、その建造物はMANA-1の出資者が作ったレアメタル採掘場。海底の生物よりもレアメタルのほうが儲けられるということで研究メンバーたちが邪魔になったということで今回のトラブルを引き起こしていることが発覚する。さらに出資者の仕掛けにより水死させられそうになるが、ステイサムがなんとかする(②、③)。

なんとか切り抜けて海上に戻ると海上も出資者の手先たちが占領してる。なんとかゴムボートで脱出するが、エンジン音でMEGが追ってくるとまずいということで手漕ぎで逃げようとする。手先がエンジンを付けて追ってきたら案の定、MEGに襲われる。それを見て焦る味方陣営、エンジンを掛けて急いで逃げる(④)。

なんとかリゾートビーチまで逃げてきた一行は救助を求めて通信施設に行くグループとサメをなんとかするグループに分かれる。ヘリで先回りしてた手先陣だったが、水陸両用古代生物に襲われたりステイサム一行と格闘したりでほぼ全滅(出資者も古代生物に襲われる(⑤))。手先のボスもMEGに食われて死亡。ステイサムはMEGが襲ってきたところをヘリの残骸でぶっ刺して倒す。あとついでに着いてきちゃった巨大イカも爆弾で爆破して倒す。さいごは砂浜でウイスキーを飲んで終わり。

何だこの映画。ツッコミどころが多すぎる!

①水圧!!!7500mとか死ぬで!!!実際それで1人死んだけど、それは古代生物に襲われた際にヘルメットにヒビが入ってしまい、それがきっかけで水圧に耐えられず、って感じ。水深7500mの水圧に耐えれるスーツって何!!!水圧で潰れて5人が亡くなった潜水艇タイタン号の事故ですら3000mくらいの話で、それは「船が」潰れとるんやぞ!!!!

②出資者の罠をなんとかするためにステイサムが海底の建物の外に出るんだけど、装備なし!!!肺にある空気を全部出しきれば外に出ても大丈夫、とか言ってたけどそんなわけないだろ!!!血液中の空気とかいろいろある!!!!ついさっき水圧に潰されて一人死んだやないかい!!!

③罠を何とかするために外に出たけど溺れちゃったステイサム。ちょっと気を失ってて、目を覚ますと出資者の手先が目の前にいる。救助してくれたっぽい。で、その手先が「俺は数年前にお前に逮捕されたやつだよ、覚えてないだろ」みたいな話をしてから襲ってくるんだけど、ステイサムが気絶してる間、何してた???なんで目を覚ましてから襲った???っていうかなんで助けた????

④MEGが来るからエンジンを切って逃げよう、からの数十秒後にエンジンつけるのお笑いすぎる。あと陸までかなり距離があるのでゴムボートじゃ逃げれない、とか言ってたのに普通に陸にたどり着けてるのなんで???手先連中、ヘリで陸地にいってるけど、途中ゴムボートに追いついて銃撃できたのでは????

⑤出資者、なんでここにきた????今まで遠いところで優雅に酒を飲みながら指示を出してたのに急に現地に乗り込んで、ちょっと歩いたら古代生物がいるから危険だ、とヘリに戻り、待ってたら古代生物に襲われるとかなんで????無駄死にがすぎる。

他にもツッコミどころが多すぎる。MEG、あっさり脱走しすぎ。説明を端折ったけどサクッと脱走して大海に逃げて主人公たちを襲ってきてます。検知してないのアカンやろ。海底から帰ってくるときも減圧どうやったのか。たぶん数時間以上をかけて減圧をする必要があるはず。もはや水圧については存在しない世界観なんだろうな…。なんで古代生物が今になって一斉に湧いて出てきたの。古代生物が一掃できたかどうかわからないのに砂浜で酒を飲んでくつろぐな、とか…。

記憶の限りではサメにやられたの、モブを除くと2人だけ?サメ映画というよりはステイサム映画、おまけにサメとイカもいるよ、みたいな感じ?

次はジョン・ウィックの3作目観るかなー