今日もざあざあ降り。
雨は好きだ。
雨粒が屋根に当たる音。水浸しの道路を車が走る音。それらを作業の合間、ふとした瞬間に聞くのが好きだ。
が、洪水を経験してからは少し恐怖感をおぼえるようになってきた。どこか他人事で見ていた世界は、実は身近なものなのだと、今更ながらに身に染みた。
水は怖いね。
大人になり、世界の解像度が上がったせいで、海も怖くなった。子どもの頃はその危険性をわかっているようで、分かっていなかった。
でかいザリガニ目当てにドブへ手を突っ込んでいたわんぱくなクソガキも、今や病気を恐れるただのビビりである。
今は絶対にやらんけど、世界の解像度が低いからこそ楽しめる遊びだった。そして、いまこうして生きていられるのはラッキーの積み重ねだったのかもしれない、とも。
細菌の感染対策、水場の危険性。正しく恐れ、危険を理解しながら遊ぶことは大事だな、と思った。しかし、心根はビビりのままなので、今後水場へ遊びに行っても、子どもの時ほど楽しめる気はしない。無邪気に貝殻を集めていた子どもはもう居ない。
いまここに居るのは、集めた貝殻をこれでもかという程煮詰め、乾燥させ、消毒をしてから箱にしまう大人である。純粋さは失われてないような気もするが、えもいわれぬ残念さを感じなくはない。
そして箱に詰めた貝殻は、未だに触れていない。本当に消毒されたか不安で、ただ見て楽しむだけである。ビビりにも程がある。
雨と全然関係なくなったので、好きな景色をひとつ。
曇り空、灰色の世界で揺れる海は、晴れの日とは違う魅力を感じます。
おわり。