強い風が窓を揺らす音で目が覚めた。
昨晩、雨音を聴きながら眠りに落ちた記憶がおぼろげに浮かび、もしや天候不良?と目を開けてみると、カーテン越しの日差しは明るい。
天気予報をチェックする。なるほど今日はトレンチコート日和だ。明るい色と合わせて春らしいスタイリングにしよう…ベッドの中でコーディネートを考えている時間が好きだ。
脳内ファッションショーをすると、アドレナリン的な何かが分泌されるのか、スッキリと頭が冴えてくる。金曜の朝にふさわしい目覚めだ。
北側の寝室のベランダにカワラバトの巣ができてしまい、私たちの気配に怯えながらも、母鳥が卵をあたためている。窓を開けて空気の入れ替えをしたいけど、雛が巣立つまでは刺激しないでおこうと決めている。でも、居心地良スポットとして界隈の鳩たちに認知されては近所迷惑になりかねないし、何より窓を開けて換気ができないのは困る。巣立ち後の対策を考えねば…と思いつつベッドから出る。(そしてこの思索はすぐに忘れる)
娘は私より先に起きてシャワーを浴び、息子はリビングのソファで寝ている。リビングの窓を開けるとカラッとした北風が勢いよく流れ込み、朝の気配が部屋を満たした。息子もついに目が覚めたのか、モゾモゾと時刻を確認している。
コーヒーを淹れるためにお湯を沸かしたけど、よく考えたらコーヒーを飲む気分でもないな?と思いとどまりコンロの火を止める。身体が欲してもいないのに、ただルーティンに従って何かを摂取するのは、この一日の始まりに相応しくない気がした。
リビングの鏡の前に、今日着る予定の服を運ぶ。トレンチコートにコバルトブルーのカーディガンを合わせてみる。やっぱり、かわいい…!この配色を引き立たせるために、他はシンプルでいこう。ロスト・イン・トランスレーションのセリフがプリントされたTシャツに、インディゴブルーのデニム。シンプルに…といいつつも黄色い靴下で差し色をしてしまうのは悪い癖だ。けど、この靴下はあなたとお揃いだから、いいの。編み込まれた言葉は「BEAUTIFUL」身に着けるものは、私の一部。(若干韻を踏んだ感じになって恥。踏んでません)
外に出て、明るい日差しのもと風を浴びる。わーほら、完璧だ。今日という日にピッタリの装いじゃん!
おはよう、だいすき
電車の座席の色と完全に一致してて笑う