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人間のトリセツ: 人工知能への手紙

alesion30
·
公開:2026/6/21

「人間のトリセツ」という本を読む。

人間について深掘り、我々人間の存在価値や可能性を「人工知能」に向けて綴られた本である。

筆者の黒川伊保子さんは、人工知能エンジニアとして、1991年に世界初の日本語対話の人工知能を開発し、その後、人工知能と脳科学の知見を生かし、感性分析の第一人者として活躍する方である。

人工知能が手に入れられないもの、それは「生きる力を与えること」である。人間の脳の中には、ミラーニューロンと呼ばれる細胞があり、目の前の人の表情や所作を、自らの神経系に、鏡に映すように写し取る。人生を楽しむ人の、好奇心に満ち溢れた嬉しそうな顔は、周囲の人の脳に、ポジティブな信号を誘発する。ミラーニューロンを刺激する、表情筋や温かい息の風圧、さりげない所作は、人工知能には、決して真似することができない。

人類に残される最後の仕事は、「しあわせになること」かもしれない。人工知能が素晴らしい想像力を発揮し、素晴らしい成果を作り上げても、それを美しいと思ったり、美味しいと思ったり、気持ち良いと思ったりはできない。幸福になる機能を持たない。人工知能は、自らの出力によって、人がしあわせになることで、自らの正しさを測るしかない。しあわせ上手なセンスのいい人間と暮らした人工知能は「人がしあわせになる術」を知っている人工知能ということになる。そういう人工知能に対して付加価値がつく時代が来るはずである。

先日読んだ「心の休ませ方」にも通じることだが、自分に誠実に生き、生きる力こそが、人間の唯一無二の強さであると改めて思う。好奇心に欠けたり、自分を押し殺した生き方だと、すぐにAIに取って代わるだろう。人間の強さを築くために、日々の出来事やコト・モノに関して、もっと自分がどう感じるのか、意識していきたい。