2024年2月読んだ本(前編)

amy
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先月も書いたその月に読んだ本の感想をちょっと書いてまとめるやつ。今月は12冊、今読んでるのが明日までに読み終われば13冊になるなー、どーなるかなー

とりあえず10冊超えたので今月も前後編にわけることにする

  1. この本を盗む者は/深緑野分

初深緑野分さん。この話は本嫌いの主人公が本の世界になってしまった地元の町で本を盗んだ泥棒を探すっていう、こんなざっくりしたあらすじでも絶対おもしろいじゃん…っていう本でやっぱりおもしろかった。

主人公の深冬が本を嫌いになった理由が作中で明らかになるんだけど、すごくありふれた理由でわかるなーって苦しくなった。なんか例えばだけど家族で歌番組を見てて両親が「この歌嫌い」って言うのを目の前でやられると、子どもはもし自分がその歌を好きだったときに「好き」って言えなくなるよね…みたいな

終わりは爽やかで読後感もよかったし、ファンタジー色が強いものは苦手かもっていう人もこのファンタジー具合なら想像しやくすて楽しく読めると思う

  1. 幽霊絵師火狂 筆のみが知る/近藤史恵

いやーーーーー、おもしろかった。すっごい、おもしろかった!

老舗料理屋のひとり娘である14歳の少女と有名な幽霊絵師の二人がメイン。この二人のもとに絵に関する奇妙な悩みを持つ客が訪れる。この幽霊絵師は人には見えないものが見えるっていう設定で「怪と幽」っていう妖怪と怪談をテーマにした文芸誌で連載していた連作短編を1冊にまとめたお話

ホラー風味もありながらも怖いというより人間ドラマ中心のミステリという感じで人間の機微が繊細で明治維新直後の時代の雰囲気も描写されていてよかった…。人間の業と悲哀に主人公二人が没入しないあたりがリアルというか、いやー存外事件って淡々と起こって収束するよな…と思った。おどろおどろしい何かが出てくるわけはないので怖いの苦手…という人も読めそう。今ちょうど文庫版出たよ!

  1. うたうおばけ/くどうれいん

くどうれいんさん、ずっと気になっていた人だった。エッセイがうまい人、日常の些細な会話や出来事から思考を膨らませてそれを文章に落とし込める人にはどんな観察眼が備わっているんだろうと思う

くどうさんのエッセイはどれも『嘘だろ!?』と言いたくなるような出来事が発生しているのだけど、それに対してくどうさんはあとがきで”わざわざ額縁に入れて飾ろうとしないだけで、どんな人の回りにもたくさんのシーンはあるのだと思います”と書いてあり、そう、そうなんですよね…と正座した

自分の日常に何かしらフックや特別性を発見することって、自分のことをよく見つめて特別な存在であると信じて生きていくことと同じだ。自分の生活や人生は生きるに値すると認識することだ。くどうさんの言うような『額縁に入れて飾る』ようなシーンを生活のなかに発見していきたい

  1. ミライの源氏物語/山崎ナオコーラ

この本に関してはけっこう自分に響くものがあって別に記事を書いたのでこちらを

  1. 営繕かるかや怪異譚/小野不由美

1月に引き続き小野不由美ブームなので営繕かるかやシリーズを読む。様々な家に起こる怪異を営繕屋の尾端が掬い上げる。”営繕とは、「建築物の営造と修繕」のことをいい、建築物の新築、増築、改築、修繕、模様替等の工事を指します。"と国土交通省のHPに書いてある

つまり怪異のもとになる例を祓除したりするわけではない。その家に住む人と怪異との間をとりなすというほうが近いかもしれない。家という本来は安心できて寛げる場所だからこそ、そこに怪異があるとなるともう絶望的な気分になってしまう

職場や学校と違って逃げ場がない。また暗い夜を過ごすのも家だ。そんな心許ない状態から尾端が登場し、怪異の理由を紐解きなだめていく様子は鮮やかとしか言いようがない。短編集でもあるので長編ホラーが苦手な人も読めるかもしれない

  1. ×××レクチャー /江口尋

  2. うそつきミルフイユ /江口尋

先月読んだこの作者の『金曜日のベイビーヴァイオレット』がすごい好みでこれは作者読み(?)しないとと思って現在単行本になっているやつを読んだ。TLはTLでいいな。もちろんBLもGLも好きだが…。やっぱり好みの女の子がちゃんと尊重されたうえで気持ちよさそうにしてるの見るのいいわ…

@amy
リプトンより日東紅茶派。Twitter→@note1581 Bluesky→bsky.app/profile/amy1581.bsky.social Wavebox→wavebox.me/wave/4pcj26ik98hvnx73