詰んでいるのである。
金がないとか、仕事が難しいとか、趣味が下手だとか、太ったとか老いたとか、いろんな下げ要素が人生にはある。そして、それらは他人から見れば大抵の場合軽微なことだ。
また、なによりつらいのは、本人には解決策が見当たらないままうろうろとこの世の終わりを感じながら無為に、あるいは無駄なのではないかとほぼ確信に近い疑いを持ったまま過ごさねばならないことであろう。
太ったと思えば痩せないことを嘆き、収入が低いとあれば転職や昇給について自分の力でどうにかなるものかと嘆き、である。
個人的にいえば、もっともつらいのはやはり対人関係で、とくに人の思想は変えられない、しかも変えてはならないという思いが強いことだ。
内心の自由は絶対に担保されなければならないと私は考えている。いかにエロいこと、反社会的なこと、道徳に反することを考えていても、実行にうつさない限り、そこは不可侵でなくてはならない。
いずれにせよ、軽微ないろいろが積み重なっている現状は「主観的には数え役満だが、まだ一つ一つ潰していけばなんとかならあな」と思っていたところだった。
で、である。
数年前から見ないようにしていた、家族のアカウントを見てしまったら、非常な差別主義的発言をしていたのである。
見ないようにした発端も、そのときすでに、若干、我々の政治的思想の立ち位置は左右が違うわね…と思っており、一緒にされたくない(多くの人は企業やチームメイトや血縁者を同類とみなす)ので、ブロックして見ないようにしていたのである。
かといって、某フォロワーの血縁者も、べつの某フォロワーの身内も陰謀論に両膝まで浸かってて本当に厳しい、というようなことを言っているのを聞いたりもするから、程度の差こそあれどこにでも起こりうることなのだろうと思っていた。
もうね、ヤバイよ。
本当に…ヤバかった。陰謀論に両肩まで浸かっている。
トンチキSFとかではなく、マジのナショナリズムとヘイトに汚染されている。かなり本気で嫌だ。内心だったら自由だけど、噛みつきに行きまくってるのもキツい。エビデンスないのもかなりマイナスポイントである。
ていうか、ブロックしまくってるまとめサイトみたいなやつ引用して賞賛しまくってて本当に無理である。
私が○○人のジェノサイドについて反対の署名をしているあいだ、この人は○○人と○○人と○○人が犯罪または日本を裏から操作しているため強制送還すべき、とか宣っていたのかと思うといかんともしがたい。
しかしながら、どんなに相容れなくても思想は自由である。これからは俺はたたら場、お前は森で暮らしていただこう。
そういうわけで本気で離婚したいため、調べ始める。
>民法第770条では、裁判で離婚が認められ得る「法定離婚事由」について、以下のように定めています。
配偶者に不貞な行為があったとき
配偶者から悪意で遺棄されたとき
配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
――ないじゃねーか、政の不一致が――
一番汎用性の高い「その他重大な事由」がおまけのようについているものの、どの程度許容されるかというとちょっと読めなさすぎる。
先日も選挙があったばかりで、我々は一緒に投票所に行き、一緒におのおのの推し候補者を書いた。もっとずっと若い頃は「○○党に入れるの?非国民?」などと宣った奴をその年は詰めに詰めた。基本的に言い返されると思っていないのか、私が怒ると大抵言い返されない。その年以降も非国民とは二度と言われていない。どうした、かかってこいよ。正義に酔った綺麗事だけのリベラル野郎、くらい言ってみろ。私だって100パーセント正しく聡明なわけがない、同じ土俵、ただの小市民だぞ。
自分としても求めるゴールがどこにあるのかわからないのだった。思想を自分に合わせて欲しい、という欲望が全くないではないが、自立した人間であって欲しい気持ちの方が強い。
ん?どっちかというと、思想が違うことそのものより、洗脳されている、愚かである、と感じていることがつらいのか?
まだよくわからない。
ただひとつわかっているのは、前記事の3ストライク法が通用するのはあくまで他人に対してであって、現実の人間関係には切ろうとしても切れない縁の方が多いかもしれない、ということだ。
⬛︎前回