セルフケアは書き出すところから

あゆみ
·

 今日は起きたときと今ブログを書いているときでは、だいぶ気分が違う。起きたときはもう、なにもしたくなくて鬱々としていた。そこから自力で立ち直って、まぁ普通くらいの気分までもってきたのだ。

 この劇的な立ち直りには、ちょっとしたコツが必要だった。今回はその話をしようと思う。

今日起きてからのできごと

 とは言ったものの、まずは具体的に私になにが起こったのか話さないことには、ぴんとこないだろう。

落ち込み段階:最悪

 今日は朝に目覚ましを鳴らしたものの、昼過ぎまで寝てしまった。仕方なく起きたのも、朝に飲むはずの薬をあまり遅くに飲むと体によくないだろうと思ったからで、正直ずっと寝ていたかった。胃が空のまま薬を飲むのは嫌で、しかしなにも食べる気が起こらず、その辺にあったお菓子を適当に突っ込んで薬を飲んだ。

 もそもそと布団に戻って、寝直すかどうか悩みながら、ぼんやり小一時間を過ごした。

 少しだけ休まったからか、なにかしようかという思考が働いた。しかしなにをするのも億劫だったので、好きな音楽を聴きながら、スマホのメモに気持ちを書きだすことにした。書き出しはこんな感じだ。

壊滅的になんもしたくない。具体的に言うとごはん食べるのもめんどくさい。寝たほうがいいのか、起きてなにかするのがいいのか、判断もつかない。

寝たほうがいいんだろうなあ。でももう寝るのも飽きたっていうか。今朝の夢は興味深かったけど面白くはなかったのでなんかなあ。

 ぽちぽちと文字を打っているうちに、「セルフケアシート」(後述)を書いていないことを思い出した。それを書くくらいならできる気がする。他のことに手を出さずに、それだけやってこよう。

 そんなふうに言い聞かせて、さくっと5分で記入を済ませた。

落ち込み段階:中くらい

 すると、「なにかした」という小さな達成感からか、少しずつ気分が上向いてきた。

意外とお散歩とか行きたいかもしれない。私って実はアウトドア派だったんだな?

ただ着替えるのがおっくうでなあ……。

 さらに書き進めると、セルフケアシートに書いたリフレッシュ法に意識が向いた。

よく考えたら、「書き出す」「音楽を聴く」をしたので、「散歩」「嗜好品」をするとリフレッシュがリーチなんだよな。今日散歩をするならコンビニに行くので、いい感じかもしれない。

でもあんまり遠くまで行かなくてもいいかも。公園を一周してコンビニくらいでもじゅうぶん気分転換になりそう。行ける気がしてきた。日が沈む前に行かないと寒いぞ。

 書き始めからここまでの所要時間は、約45分。うだうだとした気持ちを打ち込んでいただけなのに、意外と元気になるものだ。

落ち込み段階:あと少し

 というわけで、音楽を流したままメモを閉じた私は、思ったより簡単に服を着替えて、最低限の荷物を持って散歩に出かけた。イヤホンに切り替えて、音楽は聴いたままだ。

 書いたとおりに家の近所の公園をぐるっと迂回して、コンビニへ。普段持ち運びを気にしてあまり買わない炭酸飲料を買って、公園まで戻った。

 子供たちの笑い声が響いている。

 ふと気が向いて、私は公園に入り、ベンチで炭酸飲料を飲みながら、子供たちを眺めた。寒くてほんの10分ほどしかいなかったのだが、かなり気持ちが穏やかになっていた。

カギになったのはセルフケアシート

 とまあ、こんな感じのことがあって、気分を上向かせることに成功したのだった。

 ところで、途中に出てきた「セルフケアシート」とはなんだ? と思ったはずだ。これは最近教えてもらった「セルフケア」を視覚的にわかりやすくするためのシートなのだ。

不完全な自分の記録と、プロのシート

 セルフケアシートには、「調子が良好な時のサイン」「調子が悪い時のサイン」「リフレッシュ法」を書いておくところと、その下に表があって、その日にどのサインがあったか、どのリフレッシュ法を行ったか、を記録するところがある。

 調子が良好であればあるほど表の左に記録が集まり、調子が悪ければ悪いほど表の右に記録が集まる。記録が右に移動してきたら注意が必要だとわかる、という寸法だ。

 私も自己流で「調子が悪い時のサイン」「リフレッシュ法」をリストにしていたのだが、調子がいい時のことは考えたことがなかったし、数直線のように横に並べるという思考もなかった。セルフケアシートは自治体が出しているものなので、プロが作ったものだ。そりゃ自己流より使いやすいわけである。

 また、私は体調のサインとリフレッシュ法を別のところに書いていたのだが、同じ紙の中にまとめてあることで、調子が悪い時にすぐにリフレッシュ法に思考をもっていくことができる。今日もそうだった。

 私は5つあるリフレッシュ法の欄に「瞑想」「散歩」「音楽を聴く」「嗜好品」「感情を書き出す」を入れている。調子の悪さを記録したときに、この一覧が目に入ったことで、表を埋めようという意識が自然に働いたのだった。ちなみに瞑想は元気な時に使うリフレッシュ法なので、今日は埋まらなくてOKだ。

 教えてもらって本当によかった。感謝の念がわいた。

ここでも「書く」ことの効果が

 一昨日の「書いた文字の先にいる自分とよく似た他人~リフレーミング~」で、書くことの効果、という話をした。今日の気分転換も、書くことの効果があらわれたできごとだ。

 ひとつは、気持ちをアウトプットすることで、冷静になる効果。リフレーミングまでいかなくても、頭の中でぐるぐるしていると深刻な気がする感情を文字にしてみると、意外となんてことなかったり、書いたことでスッキリしたりする。

 もうひとつは、あらかじめ書き出しておくことで、余裕がなくなっても選択肢を思い出せる効果。気持ちに余裕がなくなると、視野が狭まって、思考が窮屈になりがちだ。しかし今回は、セルフケアシートにリフレッシュ法を書き出してあったことで、「これもあったな」という気付きがあり、視野が広がった。

 書くことを信じた私、ありがとう。この調子でいこう。

 微妙に身バレの危険があるのだが、セルフケアシートの原本が載っているページのURLを貼っておく。便利なので、全国に広がってほしいと思う。

K-STEP