買ったものは壊れないかぎり手放さない。
合理性だけを考えるなら買って売ってを繰り返し、いろいろなものに触れる方が人生豊かになるだろう。でも、それができない。たとえ不満があったとしても壊れるまで大切に使い続ける。
理由は「思い出」への執着。
「思い出」は時とともに劣化してしまう。そんな無形な「思い出」をモノに宿し、見たり触ったりすることで失わないようにしている。以前書いた物理本の話も近いところがある。
また、「思い出」も日々成長しているので、一緒に過ごした時間が長いモノほどより近く大切に感じる。そして、役割を終えることではじめて固定化され、ようやく踏ん切りがつく。
モノを手放せない、過去を引きずりがちな性格は、このようなアニミズム的思想における一種の呪いなのかもしれない。