旅に出よう。熊本にいこう。③

べるでぃ(BELLDAY)
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公開:2024/8/20

前回の記事のつづきです。

熊本旅行へ出掛けたべるどくんは、1日目をゾロ像と阿蘇神社につぎ込み、肥後大津駅のルートインで泥のような眠りについたのだった……。

2日目:肥後大津駅から花畑町駅へ

おはようございます!

前日はワイン飲んで温泉入って窓から夜を眺めたあと、早めに就寝。移動は意外と体力使うし、猛暑のなかを歩き続けていたのでストンと寝てしまいました。2日目は一日中動き回る予定だったので睡眠優先! 7時くらいまで眠って朝食バイキングへ。

みんなはホテルの朝食バイキングデッキってどういう風に構築するタイプですか?

私は毎回こんな布陣になります。全種類ちょっとずつデッキですね。飲み物を水+なにかの2種類揃えるのもこだわりです。

おかゆだとすぐお腹が空いてしまうので白米。今回のサラダはオクラがあったのでネバネバ系で。近いからか博多明太子がありました! やったー! あとはビジネスホテルの朝食バイキングによくあるおかずたちです。いつもありがとう。お味噌汁は昆布たくさん入れました。ぬるぬる系の朝。

ホテルの朝食バイキングで大事にしているのは「パンパンになるまで食べる」です。昨日のラーメンのように食べれるときにMAXで食べておかないと絶対に途中で倒れます、特に夏は! カロリー気にしたせいでせっかくの旅行を台無しにしたくない! 死にたくない! という一心で掻き込みます。このあとパン2個食べてデザートにフルーツヨーグルト1杯食べた。うんめ~(ルフィ)

朝食のあと部屋に戻り、本日の旅程を計画。大まかに決まっていたのは「宇土でジンベエ像を見る」! 宇土! 阿蘇から宇土て! 地図でいうと端から端、右から左に行く感じですね。本当はジンベエ像は諦めようかなと思っていたんですが(遠い)、今はせっかくの夏です。

海が見たい!

泳ぐことはしないのですが無性に海が好きです。毎年、夏は一回しかないし、夏の海も一回くらいしか見れない生活を送っています。じゃあせっかくだし海を見なきゃね。いやジンベエも見たいけどね。ということで宇土!

宇土に行ったあとは熊本市内のルフィ像とチョッパー像を見る予定にしました。辿り着く頃には夕方でショップも動物園も閉まっちゃってると思うんですが、今回の旅はお買い物というよりもスタンプラリーでしたので。

熊本駅へ

そんなこんなで肥後大津駅を後にし、熊本市内のホテルにキャリーケースを預け、まずは熊本駅へ! 今回のホテルはちゃんと写真撮ってるので、のちほどご紹介します。

熊本駅には子供が遊べるような人口池(写真左)があって涼しそうだったな~。アイドルのライブイベントがあったみたいで、白いテントはそれらの物販です。

辿り着いて思ったことは……熊本駅、都会すぎ!! 肥後大津から一気に都会の風景になったし、NAVITIMEで出した路線が路面電車だったなんて知らなかった。路面電車に一人で乗るの初めてでビビりながら乗りました……あれ電車じゃなくてバスの使用感だろ。人間との距離が近すぎる……。PASMOがなかったら危なかった。

ここ熊本駅横にある大型商業施設「アミュプラザくまもと」にはワンピース関連のショップ、「麦わらストア」があります! 帰りに寄る元気ないだろうから先に行ったろという気持ちになりました。

10時半頃に店舗に入ってウロウロ……入口で水がバシャバシャ落ちてきてて涼しい感じ。ワンピースのイラストもお出迎え! 尾田栄一郎聖、絵がうますぎ。ワンピースのこういう全員集合絵大好き。一生描いてくれ。

と、いうことで!

麦わらストアだ~~~~!!!!!!!

熊本の麦わらストアって実質聖地ってコト!? 隣に本屋さんがあるのでワンピース全巻イッキ買いもできますね。ルフィとサボとエースがいるのめちゃくちゃよくない!? 兄弟揃ってて嬉しいなあ。

ふたりともかっこいい。このふたりのワンピース銅像はないので、ここで回収できるのは嬉しい。東京だと虚無に帽子かぶせてるシャンクスがいますね。

店内にはポスターパネルとか、アニメ用の衣装設定画が飾られてて、それらもじっくり見ることができました。午前中だからか日曜なのにお客さんがあまりいなくて助かった。東京の麦わらストア、すべての通路に人間がおり、こいつら全員バルトロメオなのかと思うと正気を疑うレベルで居る。

麦わらの一味も10人ですか……。乗組員あともうちょっと入るんだっけ?

麦わらストアでは特に買い物せず(これから宇土へ行くので)、時刻は11時になろうというところ、早めのお昼ご飯を食べることにしました。麦わらストアはレストランフロアに併設されているのでその近くにあった「阿蘇おやまカレー&カフェ」へ入店。少しでも熊本物(くまもとぶつ)で体を構築したいですからね。

11時はお昼にしちゃ少し早めだけど、これから電車で一時間、遊んで帰ってもう二時間と考えると、今お腹に入れておかなきゃ死ぬ。

目玉っぽくメニューに書かれていたあか牛の丼!

そして阿蘇の炭酸水! シュワシュワを体に入れてから行こう。

開店直後に入ったので待ちのストレスもなく、あか牛は美味しいし炭酸水でスッキリできたし、大満足でアミュプラザを出ます。炭水化物に肉に卵、これでバッチリです。どこまでも歩いていけます。

宇土にいこう

腹ごしらえができたところで、宇土はJR三角線住吉駅にあるジンベエ像を目指して出発!

……鹿児島本線が20分に1本の頻度だったので、ちょっと待ってから出発!!

熊本駅から10分もすると埼玉くらいの景色になりました。名古屋に行ったときも思ったけど、地方って主要都市~住宅地までの距離が近い場所のことを言うんだな。ああ青森は限界集落しかないので熊本とはもう並べられません。岩木山に鉄道通ってたらまだ阿蘇鉄道と並べたんですけどね。

雪降らないし、住みやすそうだなぁ~熊本……と思いながら電車に揺られて、

宇土駅で乗り換え50分待ちになりました。

宇土駅、周りに山とホームセンターと工場とデカい道路しかないんだけど!??!?!!え!?!?!景色平坦すぎるって!!!!!!(ショックすぎて写真1枚しか撮ってない)

でも、これは私が悪い。NAVITIMEで熊本駅から出発するとき、三角線にすぐ乗り換えられるルートがあったんです。でもその電車の時間まで待ってられなくて……いや……その時間アミュで涼しく待ってりゃよかった……結局どこかで待つことになるんだからさぁ……愚か……選択を誤ったのう……。余談ですが私はこういう風に自己解釈で電車を乗り間違えたりすることが多いです、「行けると思った」が口癖で……。ああ、ルートインが賢者の選択亭だったんだ……。宇土にカナン王はいないけどジンベエはいます。心を強く持て。

とにかくあと40分(10分間、ショックすぎて宇土駅のベンチで呆然としてた)どこかで時間を潰さなくてはなりません。Googleマップを開くも、周囲にあるお店はほぼお休み。日曜日ってカレンダー上じゃ赤いんじゃなかったか。いやこういうとこって地元労働者向けの店だから労働のない日曜は店閉めてんだよね……観光客が宇土駅で金落とすと思わないよね……だよね……ぐにゃあ~

呼吸すると、お湯みたいな空気が喉を通って肺を焼いていく。

あ、死ぬんだぁ~これぇ~

しゃーないもう近くにある田舎特有クソデカヒラタイホームセンターでぼーっと立って涼を取るしかない。気温は38℃とかだった気がしますが体感45℃、風なし、駅構内はサウナ状態、体力が減るのも惜しいがなによりも暑さで気力が持っていかれるッ……!!!!!!!ホームセンターいくぞ!!!!!

うおおおおおおおお!!!!!!

ホームセンターの中にイートインあるマフィン屋さんあったあああああああ!!!!!!!!!!!

うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!ブルックも美味いか?

ちょうど暑すぎる1~2時の時間帯だったし、ホームセンターまでの道のりは10分くらいなのに20分くらいに感じたし、暑いし、汗でべとべとだし、ホームセンター外にあった売り物の牛糞は太陽光で溶けて袋の端から液体になって漏れてたし、ホームセンターに入ったときの涼しさといったら! カンダタも蜘蛛の糸を登り切っていたらココに辿り着いてたんだと思うと泣ける。

マフィン屋さんに辿り着いた時点で残り30分、ゆっくりできる時間は15分くらいしかなかったのですが「補給」だと思えば耐えられます。できればここで1時間休みたかったけど、そしたら電車を見送るハメになる。

チョコチップと迷いましたがプレーンのマフィン、あとオススメらしい抹茶ラテを頼んで、イートインスペースでしばしの補給。マフィンはタマゴの味がしっかりしてて、抹茶ラテも求めていた味が出てきて良い感じ。周囲には家族連ればかりが調達行動を行っており、買い物休憩に座ったおじさんやおばあちゃまの会話を盗み聞きして熊本弁を堪能しました。スゲェ~! やっぱりこっちも大体50代から上の世代はバリバリ方言なんだぁ。いいなぁ。ああいうのずっと聞いていたい。方言聞くならやっぱこういうところだよなあ。

方言周圏論で言えば熊本と青森で話し方似てそ~って思ってたけど全然違うのすごいな。気候だろうな……。方言の方向性は違うけど、使ってる語彙は似てるんじゃないのかなぁ。

太陽サンサン日曜日、マフィン屋さんに命と心を助けてもらい、いよいよ三角線へ乗り換えます。

無表情で「宇土」をアピールする色褪せたくまモンが憎い。この野郎。

ピッとPASMOで入った三角線ホームには結構な人が集まっており、私のような旅行者風の人たちも見受けられました。その人たちに「これって熊本駅行きますか!?」って聞かれましたが私も旅行者です。

三角線の電車、風情がある佇まいでした。ていうか空こんな雲ないことある?

熊本の電車も青森みたいに東京のお下がりなのかなぁ? って見てみたんですがそんなことはなさそうでした。だよな。うちの地元は金がないんだよな。景色が似てるからすぐ比較してしまう、せっかくの旅行なのに!

にしても地元に似ている風景だ……。青い田んぼに空と山、白いガードレール。歩道に歩いている人間ゼロ。お盆の帰省前に帰ってきた気分になりました。というか、熊本行った数週間後に青森に帰省するって、本州を気軽にぴょんぴょん移動しすぎなんだよな。

阿蘇鉄道は窓を開ければ枝が飛び込んでくるくらい木々に近かったですが、三角線は写真の通り住宅街だったり田園風景だったりが多く、ぼーっと眺めることができました。なーんもない。だから良い。東京だと人間か建物しかないですからね。

だからさあ油断してたんだよなァ~! 住吉駅が無人駅だってことによォ~!!

無人駅の降車方法ってわかりますか。先頭車両に移動して、車掌さんの前で乗車整理券+乗車賃をチョロンチョロンと精算機に入れるか、車掌さんに硬券を手渡しするんです。

ああもうPASMOで入っちまったよーーー!!!!!!うあああああーーーーー!!!!!!!愚か者が~~~~!!!!!!!!!

「すみません宇土駅でPASMOで入っちゃってすみませんごめんなさい本当にごめんなさい」って頭を下げたら、なんかよくあることらしく(ジンベエパワーだろうな)対応していただけました。「帰りどこで降りるの?熊本駅?じゃあ熊本駅で全部清算してくれればいいから」と証明書を発行していただいて……。そ、そんなことあるんだ……。人の信頼で成り立つシステムを恐れない、それが主人公の資質なんだと思う……。

ダメージを追いシワシワのピカチュウみたいな顔で降りた先にはしかし、更なる絶望が待っていたのでした。

住吉駅に到着

調べによると、ジンベエ像は住吉駅から徒歩30分。東京の涼しい部屋で卓上旅行していた私は思いました。「なら歩けばいいか」。

2時間くらいなら全然歩けますし、天下のワンピース主要キャラ・ジンベエ像があるならレンタサイクルとかないのかなと思っていたのです。そう、愚かにも。

駐……輪場……しか、ない……な?

私は過信していたのです、ワンピースというビッグネームと、私の体を。そして今の季節を舐めていたのです。これまでさんざん暑い暑い言ってただろうが! なんで30分程度って思っちゃったんだ! タクシー拾えばよかった!(住吉駅付近はタクシー配送アプリのエリア対象外)

じ、じゃあ……………………

歩くしか……………………

ねえだろが…………………………

炎天下のなかを30分……………………………………!!!!!!!!!!

塩タブレットよし! 帽子よし! 日焼け止めよし! 汗拭き・日よけに持ってきたちいかわのフェイスタオルよし! いくぞッ!!

あまりに現実が信じられなさすぎて泣きそうだった正直。ジンベエ像がある最寄り駅とは思えないくらい「実家」だった。ほんとに?ほんとにこっち?と朦朧となる頭を覚ますようにある立札に、どれだけ心を救われただろうか。途中で何本かひっくり返ってたり取れてたけど。レンタカーのない外国人向けッ……あまりにも外国人向けの立札ッ……!

本当に信じられなくて別アカで泣いてた。だって、現実を疑うことも時には大切だし。

徒歩30分って書いてたけど絶~対ッ50分は歩いた。でも戻りのためにちゃんとスマホで時間計ってたんですが徒歩20分でした。歩調にだけは自信あってよかった。というか、戻りのために行きのタイムを計らなければ、と思える元気がそこにあってよかった……これが俺たちの――マフィンと抹茶ラテの力だ! 体感50分だったけど、これって相対性理論だから。ヤカンに手ついてただけだから。アインシュタインも宇土に来たのか?

抹茶ラテの力もあるにはありましたが、三角線は1時間に2本ほどしか電車が来ないので「戻る時間ミスる=無人駅で長時間待つ=死」という恐怖が、本能が、タイム計測に駆り立てたのでしょう。

道筋は一本道です。線路沿いを歩いていればジンベエ像のある住吉海岸公園まで迷うことなく辿り着けます。駅を降りた時点でHP40/100、MP50/100くらいでしたがMPをHPに変換しつつ、とにかく右足の次に左足を出すことを意識しました。これがコツです、骨だけにコツコツと……って私まだ肉体あるんですけど。

住吉駅周辺は住宅街というかごく普通の民家、民家、民家。コンビニなし。田んぼあり。阿蘇の加護あり。じゃ、それが最高か。道路と民家の距離があまりにも近いので、民家の玄関先で涼んでる女性に「こんにちは~」と声をかけられ挨拶を交わしました。つまり“その距離感”なんだ、この地域は……! 人と人との距離が東京よりもダンチで近い……! 瓦屋根や瓦がついた塀があると雪降らない地域なんだなぁって実感するね。

こんなとこあったっけ……?(暑さでやられて過去の写真を見ても思い出せない)

ここは「沖縄っぽいな(朦朧)」と思いながら撮った覚えがあります。赤いだけでデイゴだと思うな。

なんでもそうですが、初めての場所ってやたらと目的地が遠く感じますよね……。周りを見ないとやってられないくらい頭が煮えてて、途中から帽子を脱いでちいかわタオルで頭を覆ってました。通気性が違う。道すがら自動販売機があれば補給……と思いましたがあるわけがない。凍った飲料を用意していない私が弱者なのだ。というか普通の旅行者はレンタカー移動を想定しているんだから私が異常者なのだ。異常でいい。命さえあれば……。

ここがラスト一本道です。写真の消失点あたりに目的地があります。え?どこ?見えない。

と、横の線路をゴーッとえらい場違いに綺麗で黒くてデカい列車が通っていきました。この感覚――覚えがある! あれは観光列車!! このときは疲れてただ見送っただけだったんですが、後日涼しい部屋で調べてみたら観光特急「A列車で行こう」だったようです。にしても歩道の真横を物凄い轟音で通り過ぎていったから、すっごいびっくりした。轢き殺されるかと思った。

三角線はほぼずっと海沿いだから、夏の旅行にはピッタリなんだろうなあ。私は徒歩(かち)だけど。

最後の直線、左手はこんな感じの景色で

右手はこんな感じの景色でした。山と海が同時に見られてオトクゥ~(疲労)

段々と近付いてきてる気がする、ジンベエに

この空が丸いだなんて信じられないよ

なあ、そうだよな? ジンベエ

次回へつづく

2日目は丸一日遊んでいたので、ひとつの記事じゃ一万字越えてしまう! 前後編に分けることにしました。2日目後編④の執筆を楽しみにお待ちください。

旅行記、はじめはここまでしっかりまとめようと思ってなくて、あんまり写真撮ってなかったんです。が、住吉駅~ジンベエ像までは、正気を保つためにずっと写真を撮り続けていました。なにかしていないと気温と道のりを「認知」してしまい、狂ってしまいそうだった……。じゃあなんで「A列車で行こう」は撮れなかったんだよ。

いっぱい写真撮った割に青と灰と緑しかないの、最高に「夏の旅行」って感じがするカメラロールですね。

次回! 熊本旅行2日目後半戦「バスの時刻表読めない」編です。乗ってられるかあんなモン。導き出したべるどくんの答えとは。