旅に出よう。熊本にいこう。④

べるでぃ(BELLDAY)
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公開:2024/8/23

前回の記事のつづきです。

熊本旅行も2日目、なかびの日曜に宇土のジンベエに会いにいこうと決めたべるどくんは、電車の乗り継ぎをミスしたあと、炎天下のなか20分歩き続けたのだった……。

2日目(午後):宇土は住吉駅を歩いて

住吉駅から徒歩20分、ひたすらコンクリートロードをゆき、住吉海岸公園に到着しました。長かった……!

当日は強い風もなく海も穏やか。港には船がたくさん停まっており、目的のジンベエ像が近付いてきました。遠目からはもう「あれかな?」ってくらいのシルエットが見えるのですが、直行したら疲れた私をジンベエに見せることになるので、ジンベエを心配させないように近くの販売所で休憩。

海藻セレクトショップ「OKAGESAMA MOBA」。こちらでジンベエ像フィギュアや各種ワンピースお土産グッズを買うことができます。まずはグルッと一周。

出入口近くに、ビン詰めにされたジンベエ像フィギュアがありました。まるで夏の思い出を閉じ込めたみたいだね。君と夏の終わり、海賊王の夢。ルフィは海賊王になる男だ。

店名のMOBAって藻場ということらしい。海藻セレクトショップという名に恥じないほどの海藻が売られてました。海ぶどうが水槽のなかでぐるぐる回ってて、おいしそうだ。水族館に行っても美味しそうってゆっちゃう人です。

この海ぶどう、店内で食べることもできました。トッピングとしてトコロテンに乗ったものを食べたんですが、夏のっ……体にっ……効くッ。ひんやりつるるんなトコロテンが喉を通って胃を冷やしてくれる。海ぶどうのプチプチ触感がたまらん。この海ぶどう、どんぶりで食べたい。ブルックも美味いか?

海ぶどうをお店のテラスでプチプチ食べながら海を眺めます。これが東シナ海か。

……海自体はあんまり綺麗じゃないな。

でも見てくださいこの夏って感じの風景。光と影のコントラストの美しいこと。海ぶどう食べながら海をぼーっと眺める時間、これが私の欲しかった贅沢ですよ。さざ波に耳を寄せながら疲れた体を、本当に疲れた体を癒しておきます。

写真奥に見えている、海の中にある電柱は「長部田海床路」を照らす電灯です。

干潮のときだけ歩くことができる道らしい。

行ったときは満潮だったのでご覧の通り。残念。でも道が海に埋まってるのはエモくてよかったです。干潮だったらひとりでフラフラ歩きたかったな~。もともとは漁師の仕事用通路とのことですが、しかし茶色い海だな。なんでこんな色になるんだろう。栄養たっぷりとかなのかな。

この写真がお気に入り。

夏を堪能し、海辺でゆっくりできたので、そろそろジンベエに会いにいきましょう。

第二の像

MOBAの横はこんな感じで広々とした公園になってます。ヤシの木が気分を高揚させるぜ。

うわ~!! ジンベエ~!!(駆け寄るガキ)

うわ~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

大好き!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

この写真めっちゃよくないですか? ジンベエ像は熊本のワンピース像のなかでも一番新しい像で、調べてみたら2022年に建ったみたいです。ルフィさんがジンベエにお前の船長はもうおれだぞって言ったシーンからずっと仲間入りを待ってたよ……。元七武海でエースに恩があって仁義通してくれるジンベエかっこよくて大好き 麦わら海賊団大人組へようこそ ジンベエが入ったことでフランキーが父枠から除外されたのおもろいんだけど、それまでフランキーが父枠だったのが爆萌えなんスよね……。ジンベエとフランキーどっちが父でも良い家族になりそうだけどどっちも家族のカラーが違いそうで可愛い。フランキーはアットホームビッグダディ系だけどジンベエはああ見えてヤクザだろ。「麻薬だけはシノギにするな」って言ってそう。

ジンベエは仲間入りしたのが最近なので、これからもっと本編でジンベエの活躍シーンとか麦わら絡みが見れたらいいな。

ブルックも会えて嬉しいか?

私もブルックと一緒に海が見れて嬉しい。

ジンベエに挨拶して、MOBAでお土産を買ってカフェラテで一休み。もう写真撮るだけで太陽光に体力削られるんですよ。いったん冷たいもの飲ませてもらっていいですか。

MOBAではお土産を買う予定がなかったんですが、ここで買っておかないとワンピース関連のもの買えないかも(後半元気がなくなって)……と思って念のため買っておきました。おやつとか、ジンベエのフィギュアとか。

ジンベエのフィギュアも購入予定なかったものの、ここまで辿り着けたことが嬉しくて、私の苦労を讃える象徴となってもらうために入手。ここでしか買えないものなのでプレミア感もありますね! ジンベエが私のトロフィー・ワイフです。

……ということで、帰るか。あの長い長い道のりを……。

照り付ける太陽は傾いてきていて、行きよりも日差しは和らいでくれていました。気持ちで折れていたら熊本市まで帰れないので「行ける! がんばれ! 行ける!」と心の中で鞭を討ちながら立ち上がり……

20分歩いて……

到着!! 戻りの電車まであと5分というところで青いベンチまで辿り着くことができました。

住吉駅からジンベエ像までは、歩きに自信がある私がひとりで歩いて20分です。もしみんなが歩いてジンベエ像に行く場合は参考にしてください。できればそんなことはしない方がいいです。

でも海も見れたし、海ぶどうも食べれたし、ジンベエ像もチェックできたし、2日目は宇土方面にしてよかった~! 熱波はしんどかったけど、帰り道で思い出すのは「来てよかった!」の言葉ばかりです。

当日の動きはこんな感じです。真ん中の密集している駅地帯が熊本市の中心地であり繁華街だろう。補足すると、前々回の記事にもあったこの地図の画像は私がライフログに使っている位置情報系アプリです。このスクショいつの間に撮ったんだろう……。前々回のも、今回のも全く撮った記憶がないので、疲労困憊になった私がせめてもの底意地を見せたのだと思います。33℃って書いてるけどこれは夕方の気温なので、昼間は絶対もっと高かったと思う。

帰りはちゃんとNAVITIMEを信用し、つつがなく熊本駅まで帰ることができました。ここまでで午後4時前後、熊本駅で馬刺しなどのお土産を買ったり郷里に送ったりしたあと、バスに乗り込みます。

ホテルのチェックインは午後6時から。まだ2時間ほど時間があるというのなら、行くべき場所はひとつしかありません。

第三の像

バスよくわからなすぎて泣きそうになりながらも、熊本県庁プロムナードで降車。バスは普段乗らないので、たまに乗るとどこでもいつでもドキドキします……。アプリを見ても電車ほど単純な路線じゃないし、降りるときもPASMOがなかったら泣き出してたと思う。料金設定が細かすぎて。

さて、なぜ夕間暮れの熊本県庁に来たのかといえば、ここにはルフィ像があるからです! 船長! 三番目ですまん! 場所的にこうなっちまった!

街灯にも麦わら海賊団の旗がついてます。嬉しいな~。バルトロメオならひとつひとつの街灯に頭を下げて回るだろうな。

ゾロ像にもジンベエ像にも2,3組の写真待ちがいたのですが、ルフィ像はというと……圧倒的な人並び。夕方だし、県庁(お土産売り場とかがある)も閉館しているのでこれでも少ないと思うんですが、10組くらいが並んでいました。もう一日も終わりに近いというのにすごい。日本人と外国人が半々って感じでしょうか。私も後ろに並んで、ちまちまと進んでいって、ついにご対面。

うお~~~~~~~~~かっこいい!!!!!!!!!!!!ありがとう!!!!!!!ありがとう!!!!!!!!!!ルフィさんに会いにきたよ………………熊本まで………………

尾田っちの手形もある。なんてこった、この手からワンピースが生まれてるなんて。尾田栄一郎、産まれてくれてありがとう。

ブルックもルフィさんに会えて嬉しいかさすがに!

ルフィさんがいるからワンピースがあるんだよな。どれだけルフィさんの行動に心打たれてきたかわかるか? わかってないか、ルフィさんは。そういうところが好きなんだ。そのままでいてほしい。最近ルフィさんが人外になってきててさ、まどマギの12話みたいだよ。ほんとに。心情はそんな感じだよ。でもルフィさんもまどかちゃんも笑うんだよな。向こう側に行きそうな奴ほど笑うんだよ。ラフテルってそういうことなのかい?

ルフィさんの麦わら海賊団への接し方の塩梅が絶妙で、あの距離感たまらん~~~~って思う 湿度なんて全然ないカラッとした絡みなのに、あんなにつながりというか絆を感じる立ち振る舞いがあるんだ やっぱ任侠かも……。ルフィさんの好きなところ沢山ありすぎて、語るとひとつひとつの島ごとになってしまう。ルフィさんの台詞、ひとつひとつに力強さがあるから、その力強さに気圧されない奴しか船に乗れないんですよね。私はビクッてなるから乗れない。ルフィさんに「お前の船長はもうおれ」って言われたら感涙の涙をツーと流したまま気絶し、置いていかれる。ルフィさんのかっこよさはガキの持つ無垢さと無鉄砲さと無秩序さの3Mから成り立つというのは自明の理ですが、誰もがああいう暴れん坊の嵐を求めてるからワンピースは売れているのかもな。そりゃ熊本に銅像も建つよね。

ルフィさんをパシャパシャ撮って退場しようとしたら、後ろで待ってたアジア系旅行者のお二人に「picture?(撮ったろか?)」と声をかけられ、嬉し恥ずかしでルフィさんとツーショを撮ってもらいました。なんも心の準備してなかったのでポーズもなにもできませんでした。見返したらつつましくちょこんと立っている私しかいなかった。拳のひとつでも上げろよ……! お前本当にワンピースファンかよ…………!

ルフィさん像を堪能し、次なる像へと出発することにします。ルフィさん像には自転車旅外国人ニキふたりがむらがっており、とても嬉しそうで、私も嬉しかった。

チョッパー像はこの近くにある動物園にあるようです。動物園にチョッパーがいるの嬉しすぎるなあ!! 動物園はさすがに閉館する時間でしたが、像は外にあるので見にいけそうです。

普通にお腹空いたし、喉乾いたのでバスで移動したい……ところだったのですがバスの時刻表とか場所が全くわかりません。元気がないからわからなかったと思いたいんですが、多分余裕があったとしてもわかんなかった気がします。いやどうかな……。冬ならわかったかもしれないです。バス停って細かいところにありすぎだし、土地勘がないとどっち方向のバス停に立てばいいかもわからない。慣れない乗り物って、ミスしたらリカバリー利かないしさ。

そんじゃあ、まあ、

歩きますか、と。

「ええい面倒くさい、歩いてやる」という思考によくなるんですが、傍から見ると愚かですよね。私も振り返ってみると愚かだと思います。でもさ、「歩いた方が早いわ」ってなるときありませんか? しち面倒なことを調べる時間より行動に移した方が早く済むと思っている節があって、これどっかで聞いた話なんですけど、宇土に行くときに乗り換えミスったのと同じ過ちですね。歴史は繰り返す……。

チョッパー像はルフィ像から徒歩30分くらいだそうです。徒歩30分っていうのもどっかで聞いたワードですね。炎天下のなか1時間弱歩いてたのにまた徒歩30分歩こうと思う私はすごいよ。すごいと思わないとやってらんないよ。でも、宇土からの帰りの電車も、ルフィ像への道のりも座って過ごしたので体力はある程度回復しています。回復していると思わないとやってらんないよ。

コモンの『君の名は』。

黙々と、グーグルマップの通りに進みます。喉カラカラなので飲み物買いたかったんですが、道中の自動販売機は全部現金払いばっかりで、お財布を出してひいふうみいする元気もなかった私はスルーしていきました。

や、もう、いい、いけるいける。いける。

猛然と狂歩していると、ぱっと開けた場所が現れました。この広さの駐車場……絶対動物園の駐車場だ!! 遠くに観覧車も見えますね。遊園地が併設されてる動物園って郊外特有セットな気がする。

ということで……

第四の像

チョッパー像に到着! 動物園の入り口前、お土産屋さんはやはり閉まっていましたが、像の目の前にベンチがあってゆっくり過ごすことができました。

私が辿り着いたとき、ルフィ像のところにいた自転車外国ニキふたりがちょうど去っていくところだったんですが、あれチョッパー像でめっちゃ時間潰してたのか、私が早足だったのかどっちだろうか。今更ですが、熊本駅でレンタサイクル借りれたのかもな、どこかで。

うお~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!! 虚無に帽子かぶせてるシャンクスのように、虚無に聴診器をあてているチョッパーだ!! いつの間にこんな縮んじゃったんだお前ェ! 椅子にちょこんと乗ったおしりが可愛いです。

ブルックも聴診器あててもらって嬉しいね~。健康か? 90歳なんだから健康に気を付けてほしいですね。いや実際この骨が90歳の最年長で敬語キャラで元副船長で、病に倒れた元船長を見送ったあと船長代理も務めた、元々は騎士団に所属していた男って本当ですか?

チョッパーは私がはじめてワンピースで号泣したドラム編で出会った、思い出深い存在です。ドラム編、何度読み返したか分からないくらい好き。ゴムゴムのォ!ブレッ……から過去編始まって……ッドォ!で過去編終わるあの演出が天才すぎて、今でも刺さって抜けません。あれいつかやりたい。チョッパーは今はマスコット色が強くなってますが、登場当初の尾田っちの「マスコットにしたくない」思想があったチョッパーも好き。チョッパーが海賊になるんだって我武者羅やってるシーンが好きだし、それを麦わらの一味は誰も笑わないのも好き。そのなかで一番同調してくれるのがウソップなのが良くない? ウソップとチョッパーとナミのトリオめちゃくちゃ可愛いしずっとわちゃついててほしい。そうするとあの3人がバリッと主役張るところが映えるんだよな。

チョッパーの写真を撮り、ベンチに腰掛け、満足し、

そこからホテルまで、私の記憶はない。

花畑町のホテルへ逗留

つかれ……………………

ここは花畑町。熊本にある良い感じの繁華街であり、熊本城のお膝元。そこにあるは「ダイワロイネットホテル熊本銀座通りPREMIER」です。

チョッパー像を撮影したあと、私はベンチに座って考えました。ここから歩いて帰るか、バスを調べて帰るか? どっちがいいだろうか? 時間は午後5時45分。夏の夕暮れはまだまだ熱を残しており、呼吸するだけで喉がお湯と同じ温度になります。スマホでバスを調べて……、調べ…………、しら…………ああえ……お…………暑…………心が…………ポキ

タクシーで帰ろう。ここは熊本市内だぞ。

配車アプリで呼んだタクシーは10分足らずで迎えにきてくれて、私はひんやりした超快適な空調のなか、テクテク歩いた覚えのある道を悠々と車で戻っていったのでした。こんな汗だくで申し訳ない……と思いつつ乗り込んだタクシーは、これから天国に運んでくれるのかってくらい涼しくて泣きそうだった。落涙だよ。

ホテルには午後6時ちょうどにチェックイン。お部屋はお任せプランで、本日は日曜日。なんかいい部屋が空いてないかな~とやや期待して行ってみたら、通された部屋がツインルーム! 調べたらデラックスツインルームだったそうです。すごく得した気分だ。実際、値段で見るとかなり得をしている。

左はお風呂前に寝転ぶベッド、右はお風呂のあとに寝転ぶベッドに決めました。なんかワイングラスとかもあったりラグジュアリーですね。

ベッドに飛び込むまえに、ブルックにベッドをテイスティングしてもらう。いつも寝ているベッドよりも固めの質感だけどぐっすり眠れそうとのこと。ポケモンスリープでも「ぐっすり」タイプになるであろうと。

しばらく左のベッドで茫然……と全身を投げ出したあと、眠りこけてしまう前に熊本の繁華街を堪能しなくては! と飛び起きました。晩ご飯はお散歩しながら適当に見繕いましょう。

熊本の繁華街をお散歩

知らない街をお散歩するのって大好きです! 昼を歩くのも好きだし、夜を歩くのも好きだ。知らない街ってだけで気分が上がります。私の知らない道がまだこんなにある。心が新鮮になるのを感じる。

見たことのあるようで、見たことのないアーケード。ジャンカラがこんなに覇権とってるんだな、ここは。きょろきょろすると、どこにでもくまモンがいるのが熊本っぽい。馬肉の焼肉屋さん多いですね~。地元のスーパーを見るのも好きで、肥後大津駅に泊まったときは近くのイオンを覗いたんですが、そこにあった馬肉はオーストラリア産で笑いました。熊本県のひとがわざわざオーストラリア産の馬肉食べるんだろうか。やっぱり国産より安いから……? 馬肉がカジュアルに手に入るスーパーってだけでも熊本情緒があってよかったです。

堪能しつつも空腹だ。今日は絶対絶対絶対馬刺しを食べる。明日は帰る日なので夜ご飯は食べられないのです。馬刺し! ビール! 酒! 馬刺し! 馬刺し! 馬刺し!

お店探しに難航。

写真だと伝わらないんですが、ここは暗がりでピカピカ光って綺麗だった飲み屋街の入り口。細い通路が一本あって、左右にお店がぎゅっと詰まってるタイプのやつ。そそられましたがこの距離感は疲労の体にはつらい。

その後も歩いてお店を探しては「うーん」となり、もうチェーンのかかった神社に遠くからお参りしたり、熊本城の屋根を眺めたり迷走しました。でも熊本の夕方はもうこれが最後かもしれないから、歩いておかなくちゃ。

そろそろお散歩する元気も少なくなってきたので、ゆるっとホテル方面へ帰ります。確かホテル周辺にオシャレそうな串焼き屋さんがあったから、もうそこにすることにしました。馬刺しはなくとも……

ビールはありますからね、どこにでも。

見て~! ラテアートみたいになってました!! かわいい、こんなのできるんですね。入ったお店は新しめでお若い方々がひしめいていましたが、ひとりでも入りやすい明るい場所でした。お通しになんかオシャレなスープが出てきて怖かった。陰キャだから。

馬刺しないかなって思ったけどあったので注文。二人前、と書いていたので悩んでいたら「ハーフにできますよ」と店員さんにお言葉をいただき、ご厚意に甘えてハーフにしました。な、なんか……ドライアイスに鶴乗ってるんだが……。つまりはこういうタイプのお店なのでしょう。

馬刺し、はじめてレベルで食べたのですがとても美味しいっ……!! タテガミは見たまんま脂なのに、脂っぽさがなくてびっくり。他の赤身も歯ごたえがあるのに脂がとろけて口の中にずっと味が残っており、それをビールで流し込んだときの脳汁がすさまじい。脂が甘い!! 他のお肉にはない美味しさがここにある。脳髄まで痺れる旨さ。

ハーフサイズにしてもらえて助かりました。ひとりでの旅行は初めてだったのですが、だからこそこういう不自由さに気付いたというか……。そもそも居酒屋系はひとりで来ることを想定されていないんだなあ、普段お友達と行く居酒屋だってごはんの量が基本ひとり用じゃないもんな。しみじみ馬肉を噛み締めました。

お次はビールのアテに焼き鳥を頼んで、ビールがなくなったら梅酒をいただきました。もっと飲みたかったような気もするけど……日本酒も行きたかったけど……もう一合をひとりで飲めるような体じゃなくなっちゃいました。悲しい。ビール1杯、梅酒1杯で終わるのが一番翌日の具合がいいです。日本酒一合はお友達と一緒だと半分こにして丁度いいくらいですね。

九州だったらやっぱ焼酎でしょってみなさん思われると思うんですが、実は焼酎・ウイスキー・泡盛がまだ飲めなくて。いつか飲めるようになりたいなあ。もう少し年齢を重ねたら舌が覚えてくれると信じて。

ダイワロイネットを楽しみ尽くす

ほろ酔いでゆらゆらした気持ちのままホテルへ帰投。

こちらはルートインと違って温泉がないので、お部屋のお風呂にお湯張り。最近ビジネスホテルに泊まるときはバスボムや入浴剤を入れるようにしてて、今回もドラッグストアで入手しておいた入浴剤を使いました。北欧系のカモミールのやつ。疲れ取る系と悩みましたが、明日はほぼ帰るだけなので香りとトロみを優先しました。

お風呂で1時間くらいチルして、寝間着に着替えてベッドに寝転んでするのがユーチューブ。お風呂のなかでもぬる湯でユーチューブしてた。

にしてもダイワロイネット、最高すぎる。ビジネスホテルのなかでも人気あるところなので期待してたんですが、やっぱりよかった。1日目の夜がルートインだったからかもしれませんが、ことさらよかった。ルートインが悪いという訳ではなく、あそこは庶民の味方であり、こっちは庶民にとってはちょっと贅沢な場所ということで……。

フロントにアメニティバーもあるし、お部屋には水が2本もあったし(ツインだったからだと思うけど)、お部屋備え付けのアメニティもしっかり揃ってて香りがよかったし、お風呂とトイレは別でガラス戸で仕切られてて、洗面台も広いしドライヤーもいいやつだし……すごーーーく自分に良い事してる気分になれた! ホテル遊びが楽しすぎるよ……!

ひとり贅沢を堪能しているうちウトウトしてきて、ポケモンスリープをつけながら2日目は終了です。

ダイワロイネット、心なしか廊下もオシャレな気がする(庶民)。ホテル遊びは所帯じみたとこからの解放が真髄だと思っているので、こういうところで非日常を感じ取っていきたいものです。

ああ、ひとり旅って楽しい……というよりは、ひとりの時間を贅沢に取っている、という自覚がじわじわと嬉しい。広くて清潔な白いベッドの上で、なにも考えずにテレビを見ているとき、カサカサの心臓に生食足したみたいに潤っていく感覚があった。疲れてたんだなぁ。いや旅程もそうなんですが、それまでの生活にね……。

半ば逃げるように職場から出てきた旅行だったので、こうしてたったひとり、人と関わらず、趣味すらなにもしない「無」の時間というのは久々だったのです。

次回の記事は3日目、最終日! せっかくの最終日ですから後悔のないように遊びたいですね。帰りの飛行機は午後5時頃、移動も考えると遊べるのは午後3時くらいまででしょうか。朝から繰り出して熊本を名残惜しもうと思います。

次回、「心はポッキリ折れたままだった」編につづく。