ジョン・フィッチ『TIME OFF —— 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術』

読書日記
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https://www.amazon.co.jp/dp/4295408115

先日読んだ『世界一流エンジニアの思考法』で参照されていて、気になっていたので読んだ。かくいう自分もワーカホリック気味だが、中年を迎えつつあり、ここ数年は仕事も完全にマネジメントが中心になってしまい、働き方について考える機会が増えているのも影響している。

周囲を見渡すと経営に関わる仕事をする人が増えてきたが、それぞれの余暇の使い方は様々だ。世界中を旅行して回る人、別の会社を作って経営する人、NGO で働く人、地方に移住して家を建てる人、登山にハマる人 —— そういった人たちと比較して、自分の生活の行動範囲の狭さを考えると恐ろしい。

ここ数年、総じてみんな日頃の「意思決定疲れ」から余暇の使い方がクリエイティブな方向にいっている傾向にあると思う。果たして私はこのままで良いのか。そんな問題意識を持ちながら読んだ。

余暇は高尚な活動である

500 ページにも及ぶ長めの本だが、繰り返し同じことを言っているだけで、本書が主に主張しているのはこういうことだ。

余暇は高尚な活動である。この尊い活動を、もっと重視せよ。

  • 余暇は高尚なものである

  • 仕事と余暇は対立するものではない

  • 余暇は単なる休息ではなくアクティブな活動である

  • 真に没頭するものを見極め、余暇を計画し、実行せよ

まず、アリストテレスの時代は、余暇は高尚なものだった。したいこと —— 学問の追求やクリエイティブな活動をすることこそが、文化や社会に貢献する高尚なことであり、仕事に現を抜かしてはならない。

しかし現代に生きる我々は、余暇を仕事と対立する良くないものと考えがちである。ただ実際には、私たちが仕事だと思っているものは、仕事のプロセスの半分に過ぎない。余暇を織り交ぜることで、仕事にも良い影響がある。

メンタルが求めているのは変化であり、休息ではない。睡眠以外の休息は逆効果だ。本当に効果のある休息は、アクティブで、少しの努力が必要なものである。

現代人が余暇を充実させるのは難しい。余暇を計画し、仕事が侵入するのを防ぐ戦略を立てなければならない。

余暇に何をするのか、考えてみる

と言っても、余暇に何をすれば良いのだろうか。文字通りワーカホリックな私は、仕事以外に何をすれば良いのか分からない。子供と遊ぶのか、本を読むのか、旅行に出るのか、それとも何かを作るべきか —— 本書を読んでいると、勿論そのヒントもあった。

  • 何かに没頭したのはいつだろう?子供のように夢中になったのは?考えるのではなく、ただ感じる、そんな経験を最後にしたのはいつ?

  • あなたを笑顔にしてくれるものは何だろう?

  • 次の 3 ヶ月で 3 つしか出来ないとしたら、何をしたいか?

没頭したこと —— 振り返ってみると、何かを作るとき である。改めて考えてみると、チームでものづくりをするのは好きだが、それ以上に私は、自分が求めるクオリティの 美しいものを一人で作っているのが好きだ。ワクワクするし、没頭できる。それはプログラムでもデザインでも構わないし、文章でも良い。

文章 —— 確かに、意外と文章を書くのも好きなようだ。ただ、いわゆる記事ではなく、日記や雑記のような、少しエモーショナルなものが好きなようだ。

感じる —— これは圧倒的に 海外旅行 だ。普段の自分の行動範囲にない、新しい世界。それを見れるのが何より楽しい。他には、一部の映画やドラマを観たり、小説を読んだときなんかも感動している。ただ冷静に考えると、日頃ダラダラと読んでいる漫画は ... 時間のムダかもしれない。漫画アプリをダラダラと巡回するのは止めて、単行本だけにするとか、考えたいなー。


余暇は高尚な活動である。この活動を少しでも増やしていけるように頑張りたい。そんな気持ちになる本だった。

ところで最後に余談だけど、この本によると 現代人が寝る環境は暖かすぎる らしい。室温を 15~19 ℃ ... 少し肌寒く感じる程度に保てると良いとのこと。これも意識してみよう。

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