掃除がきらいな人間が猫と暮らしているとこうなる、という話

donco
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わたしは「猫の身長は30センチだ」と意識して過ごしています。とてもよく伸び、伸びたらとても長い猫。わかっていたす。でも、彼らの身長はせいぜい30センチだ、と意識することが私の生活には大切なことです。20センチかもしれない。10センチの場合だってある。猫たちの目線。立って動いている人間とくらべて、すごく下のほうにあるんです。四つ足でいるときの床から顔までの近さ。この家で誰より床に近いところにいる猫たちのために、今日もせっせと掃除をします。


土曜日の朝が一番いそがしいです。

平日いつもしている『ねこをする』の後に小掃除(大)が入ってくるからです。『ねこをする』というのは、過去の記事にも書いた、朝いち、夜いちにする猫のための一連の動きの通称です。トイレの片付けとか、ごはんの用意とか、さらにまたトイレの片付けとか。

平日の朝は小掃除(小)を仕事の前と帰宅後にしています。あらゆることに目をつぶって、やらないよりまし、やらないよりまし、ととなえながらの大雑把な掃除です。具体的には、掃除機をかける、だけです。なにも具のない具体だった……。掃除機をかける、と数日に一回、余裕があれば電動モップをかける、も入ってきます。時間も余裕も足りていないので、もう撫でるだけ程度の簡単なものです。

掃除機は一年半ほど前に買いました。電動モップは半年ほど前に。それまでは、窓の水滴をとるためのスクイージーで床の埃や砂を取り、クイックルワイパーで床を拭いていました。家電を置くのが嫌でずっとそうしていたのですが、あるときぱちんと『楽がしたい』欲がうまれて、掃除機をお迎えしました。充電式のコンパクトなものですが、大革命でした。ものすごく楽。スクイージーで部屋中を這いまわる必要がなくなって、かかる時間は15分から5分に短縮されました。疲労度は10から1もないくらいに、劇的に減りました。掃除機って素晴らしい。家電を増やしたくない気持ちがどんどん薄れていっています。今は食洗機がほしいです。

電動モップもよかったです。こちらも充電式でものすごく簡単な、クイックルワイパーの進化版程度のものです。モップ部分にフローリング用のウェットシートを貼る。スイッチを入れる。そうしたらモップ部分がくるくる回りはじめてくれる。要は動くクイックルワイパーですね。最後はシートを捨てておしまい。楽です。ごしごしこする必要なく、フローリングの床がなんとなくつるつるになります。

我が家には家具がほぼないのですが、あるものすべてにキャスターをつけています。猫たちのベッド用のワゴン(イケアの)や、在宅勤務時につかうミニデスク、キッチンラックや、猫トイレの下に敷いているスノコまで、キャスターつきのものです。冷蔵庫もキャスター台に乗せています。ふたつある椅子(ほぼ猫が寝ている)の脚もキャスター。キャスターをつけると具合が悪くなるソファやオットマンはスノコの上に置いています。直置きよりだいぶんまし。裏に埃がくっつかないし、さっと動かすことができます。

掃除が嫌で、きらいすぎて、少しでも楽に掃除できるようにと考えていたら、こうなっていました。キャスターをころころと動かして避けて、掃除機やモップをかけていけるので、部屋中の床掃除がわりと簡単にできています。たまーにほしい家具と出会ったりもするのですが、これを置いたら掃除がね……と悩み諦めることも多いです。

今日は土曜日。起きるのが少し遅くなりました。『ねこをする』だけは終わりました。小掃除(大)はこれからです。大掃除まではできないよ、という気持ちが強くてこの呼びかたをしています。中掃除もちょっとプレッシャー。小掃除(大)がちょうどいいです。この小掃除(大)の『(大)』の部分になにが含まれているのかというと、窓拭き、その他壁拭き、です。ベランダの床や柵、冷蔵庫やクローゼットの上、ドアの持ち手やドア本体。嫌です。ほんとーーに嫌なんです。猫がいるので埃がすごくて、特に猫トイレに近い場所は砂埃がまとわりついていて、一度拭いたくらいではとれない。ホームリセットをスプレーしてなんどもごしごし。わたし的には重労働です。やりたくないなあ。床掃除も平日よりは念入りにします。平日の『やらないよりまし』を『やれるだけやる』に置き変える程度ですが、モップで撫でてもとれない汚れをごしごし、すきまやふちの汚れもごしごし。

どこもかしこも猫が使っている場所なので、けっこう頑固にへばりついている汚れもあります。いっそ取れないシミなら諦められるのに、頑張ったら取れるんですよね。残念です。取れるんだからやるしかない。それをこれからします。

だけどあくまで小掃除(大)であって、大掃除ではないので、根底には『やらないよりまし』があります。掃除機をかけ終えて振り向いたら、また新たな猫の毛たちが落ちている、という環境なので、諦めることは必要です。

──潔癖症ではいられなくても、綺麗好きではいなくちゃいけない

以前猫のうたで詠みました。

そりゃあ、当たり前のように、もっと毎日綺麗に掃除をしている人だっている。そんなの綺麗好きとは言えないよ、とこれを読んで呆れている人も、引いてる人だっているかもしれない。だけど今のわたしにはこれ以上は難しいので、ここまで。自分にできる範囲のうちでは最大限に近いことを、なんとかどうにかしています。

折り合いをつけることは何に置いても大事。気負わずほどほどにね、と思うようにしています。


冒頭でした猫の身長の話はなんだったのか? なほど掃除の説明になってしまいました。関連はあるんですけど、いつも冒頭と終わりがまとまっていない。

猫の身長は30センチ以下。人間が這いつくばって見た景色が、猫の世界です。床のすぐ上に顔があって、そこを歩いたり、寝転んだり、そのあと体を舐めたりして、猫は暮らしています。掃除が大嫌いな人間が掃除を放棄できない理由は、猫の身長が床から30センチだからなんです。

今日もこれから、しぶしぶ、いやいや、掃除をします。

掃除ぎらいな人間に自発的に掃除をさせる猫ってすごいな、と思います。

@donco
こんにちは。ねことわたしの話をします。