評価におけるゲームルールを理解する

emahiro
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最近この2つのエントリを読んで考えていたことがある。

この2件のエントリはそれぞれ全く違うことを言ってるが、僕個人としては似たような共通点を見出している。

大まかにまとめると

  • 組織の評価軸(これをゲームルールを呼ぶ)を理解すること。

  • ゲームルールを理解してルールに沿ったアクションをやり続けること。

ということが大事ということである。

組織の評価軸という点評価については先日こんな記事も読んで、今の自分にドンズバ刺さったので合わせて載せておきたい。

ここで示したエントリ郡に目を通したうえで「組織のゲームルールを理解する、理解してルールに沿ったアクションをやり続ける」ということをどうして自分が最近良く考えているのか?というと、ひとえに自分のキャリアとサラリーを今後どうやって上げていくのか? ということを自分のテーマとして考えていたからである。


すこし話は逸れるが、社会人10年を経てなお自分の中で大切にしている価値観が2つある。それが

  • モチベーションで仕事をしないこと(出力を常に一定にすること)

  • 上司を攻略すること

というものである。

この2つの価値観は新卒で入った小さなベンチャー企業で上司と自分の面倒をよく見てくれた人事担当から口酸っぱくいわれていたことでもあり、当時はどういうことなのか?(特に後者の「上司を攻略する」というのはどういうことなのか?)をちゃんとは理解していなかった。半ば洗脳みたいなもので、当時の自分はとにかく盲目的に信じていただけだったと思う。

今思うと出力を一定に保ち、上司に評価されること(基本的に上司から評価される項目は会社全体として目指してる方向と一致するはずという前提に立つ)をやり続けろ、ということを耳タコになるくらい言われていたんだと思う。

あんまり人の話を聞かず、なんでも斜に構えがちな自分の性分の割に、ずっと頭に残っているというのは、多分当たり前すぎるが合理的だったんだと思う。この考え方を大切にしてきたために、最近になってようやく「ゲームルールを理解する」という形で言語化できるようになったので、一つのことを色んな経験をしながら何度も反芻するというのは大事だなと思うし、これだ!と思う言語化を身につけると、すごく気持ちが良いものだと思った。


話は戻るが、物事がうまく進まないときは、やる気に左右されていたり、そもそも会社組織で何が評価されるのか?というゲームルールを理解していないケースが往々にしてあると感じる。

いくらいい提案だったり、その提案をやり切る実力があっても組織やチームのルール(チームポリシーやプリンシパル、ワーキングアグリーメントという言葉も代替同じ)を理解しないと、提案そのものが例外扱いされてしまう。

最近『エレガント・パズル』というエンジニアリングマネージャー向けの書籍を読み進めているが、この書籍の中に「ポリシーに従い、例外に従わない」という組織マネジメントのアプローチの話があって、上記のユースケースがまんま当てはまる事例でうなずきすぎて首がもげるかと思った。

※ 『エレガント・パズル』は今年呼んだ本の中でも群を抜いて今の自分にぶっ刺さることが書かれており、この本に出会えて良かったと心底感じている。

色々書いたがつまるところ、このエントリで言いたかった大事なことは自分の持ってる実力をゲームルールに則って発揮し続ける(=再現性を持って実行できる)ということをしないと、今以上のキャリアを積むのはそろそろ難しくなってきてるなという自分の課題感がいい感じに言語化できた、ということなのかもしれない。(ここまで書いてて、また一つ思考が整理できた)

そういえばちょうど PIVOT でジョーシスの松本さんの回を見てて、グローバルにおける優秀さの定義 として「ある課題を解いてきた実績があり、再現性を持って課題解決をできる」ということが言わていた。これはまさしく今自分が向き合わないといけない課題感(期待されていることを再現性を持ってやり続けること)と合致しており、「エンジニアとしての優秀さ」というものを改めて再定義しないといけない時期に来てるなと感じた。

またこれに加えて、なにか仕事が思ったとおりに進まない、自分のキャリアが思ったとおりに描けないときに、立ち止まって「ゲームルールを"改めて"理解する」というフェーズを踏むのは大事だなと感じる。


評価のエントリを間に挟まさせてもらったが、僕も昔からこの「評価」というプロセスが大の苦手だった。評価なんかいいからやることやって給料を上げてくれよ!と思っていたし、ちゃんとやったことは見ててくれよ!と思っていた時期もある。今思うと若かったなと思うんだが、評価時期というタームをゲームルールの理解する機会と捉えると見方が変わった。

組織やチームは生き物なので時期ごとに形を変える。ゼロイチのフェーズとイチヒャクのフェーズでは、同じ組織でもそもそもゲームルールが違うのである。何を当たり前のことをと思うかもしれないし、僕も言語化してみて当たり前のことだなと思っているが、ゲームルールを理解しないままゲームを進めてもレベルは効率的に上がらないし、ボスも倒せないのである。実際のRPGであれボスごとに最適な装備やパーティー編成は変わるのに、日々の業務、組織の一員としての振る舞いとなると、なんだかんだこの観点が抜けてしまいがちになる(僕もつい最近までそうだった)

目標設定や評価といったプロセスは「今自分のいる組織が何にフォーカスしているのか」をキャッチアップし、「自分にどんな期待がされているのか?」をすり合わせる機会なのだなと再認識。特に目標設定は人事のプロセスでもあるので後者のみアナウンスされがちでもあるが、そもそも前者のゲームルールを理解することが大事なので、この点はもう少し公になってもいいのではないか?と思ったりもする。現職含め、自分が所属した組織で前者のゲームルールの理解プロセスを経ているところは実はないのではないか?と思っている。現職でここに目が向くようになったのは単に自分が次のキャリアをどうするのか?を考え始めたからにすぎない。大事だと思う、ゲームルールの理解プロセス。


つらつらと回たが、いいエントリに感化されて自分の思考を言語化してアウトプットしてみることで気づくこともある。

1ヶ月後には全然違うことを言ってるかもしれないが、ふと立ち止まってゲームルールを理解するプロセスは今後も定期的にやっていこうと思う。

@emahiro
日々思ったりしたことをつらつら書き留めています。