曲の構成とコードの覚え方のコツ

fujiwide
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公開:2024/7/17

無職で暇だし文章を書く練習になるかもしれないし、「noteをはじめたあなたに」のページに「noteで話題になった記事は、続々書籍化されています。」とあるし、どこかの変わり者の編集者の目に止まり書籍化そしてそれが売れて銭にかわるかもしれへんし。今からバンドを始める人や作曲する人の参考になるかもしれないし。まあ何もしないよりはましだからnoteで連載でも始めようと思いnoteのアカウントに久々ログインしてみたが何故かこの「しずかなインターネット」で誰にも見られる事無く文章を書き始めた経緯は前回の記事を参照にして下さい。

私はワイドショーパーソナリティーズというバンドをやっており自作の曲を書き詩を付けて、自ら呼んだ知り合いや友達の前で大声で歌うという傍から見るとトチ狂っている行為を30年ほどやっている。「そんな事では無職なのも無理ないな」と同情される方も中にはおられるかもしれませんが、これは誰かにやってくれと頼まれたりしてやってる訳ではなく自ら進んでそのような行為を行っているので同情は無用です。無職なのも偶然です。

私が今回お伝えしたいのは「曲の構成とコードの覚え方のコツ」です。自分で作曲するぶんには構成やコード進行を覚えるのは容易ですが人の書いた曲の構成やコードを覚えるのって意外と大変なんです。逆告白にはなりますが書いた人は構成とか進行覚えるのは楽なんです。自分で考えてるから。だから練習スタジオでよくありがちな揉め方で曲書くやつが「構成と進行ぐらい覚えて来いよ!」というのがありますが「まあお前は考えたんだろうから楽だろうな!」くらいに思って流すのが大人です。しかしそれではなかなか前進はしないでしょうからここでは覚え方のコツを紹介したいと思います。構成とコードを完全に覚えてスタジオ入りをするのとカンでなんとなくスタジオに入るのとではドキドキ感と緊張感が全然違いますし演奏力にも違いが出ます。

では今回の目次的なものです。

  1. 最小限のバンド内音楽用語

  2. どスタンダードを覚える

  3. コンポーザーのあるあるを覚える

  4. コードはハイコードで覚える

  5. 王道コード2選

  6. 王道をちょっと変えてみる

  7. カノンとその異種

  8. Bメロの覚え方

  9. 6度#(G)を結構使い始めたので

  10. キー変更と5弦ルートの場合

最小限のバンド内音楽用語

音楽用語をバリバリ使うのはなんか恥ずかしいです。たぶんバンドやってる感を出すのがこっ恥ずかしいからなんでしょう。昔は「バンド練習」って言ってたのに「リハスタ」とか言い出したりキャパとか箱とか「お前、前は言ってなかったじゃん」って指摘されたくないんでしょうね。でもご安心下さい年取れば慣れます。たぶん感覚が馬鹿になってくるんでしょうね。なんも思わなくなります。

しかし曲の構成を覚えたりバンドメンバーに伝えるためには最小限の用語を覚えなければなりません。例えばある部分にギターのリフを入れて欲しいと思ってもそれがどこか説明できなくては伝わりません。そこで曲の部分部分に名前を付けます。日本ではイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、ソロ、アウトロなどと言うのが大多数です。バースとか言う人もたまにいますがバースはサビ以外のABメロの事を指す感じなので使い勝手が悪いです。ブリッジも人によって解釈が違うのでバンド内公用語としてはふさわしくありません。ただAメロ、Bメロ、サビでもない歌入りのパートって結構ありますよね。それをなんと呼ぶか多くのバンドの人が困ってるところではないでしょうか?私は「サブメロ」と呼んでいます。他の人がどう呼んでるか知らないけど。まあ新しいメンバーが入って来る度に何も説明しなくても「サブメロ」で通用するところを見るとたぶん似たような言葉で言ってるんだろうなとは思います。

そして最も重要なのはこれがAメロ、Bメロがこれ、サビがこういう感じとメンバーの認識を合わせる事です。というのも始まり出しがAメロとは限らないサビ始まりみたいな曲もあるのでメンバー間での認識のすり合わせは重要です。また言語化、可視化することによって下の図のように紙に書いて覚えることもできます。

ただ「これはAメロ」「これはサビ」と決めて作曲するとAメロはAメロらしくサビはサビらしくという縛りが心理的に働き、似たような曲ばっかりになりがちだなあと最近は思います。サビっぽい箇所がない曲も本当は有りでしょうしAメロBメロCメロDメロEメロと全部違う構成のようなプログレな感じも有りでしょうし。ただ基本を抑えておかなけばそれを破る事はできませんし、これは作る側の勝手なのでこの辺にします。

また今回調べてて思ったのは洋楽はあんまりBメロ無いなってのとサブメロもあんまいい例が無いなって事です。これもあんま関係ないか。

ドスタンダードを覚える

最小限の構成用語を決めましたらバンドの曲を作る人の一番多いパターンを覚えます。藤原の場合下の図になります。ちなみに「クラブライナー」という曲です。

ほぼ3回同じ事を繰り返す覚えやすいパターンです。なぜか3番ってあんまり言わないで「サブメロあけの〜」って言い方をするのはたぶん癖のようなものなのでしょう。3回目のAメロが出てきたらたぶん3番って言い方する。(今思い出せる範囲だと馬鹿者たちとか)

こういったドスタンダードをガチ暗記してしまえば他の曲はその差だけを認識できるので、ガチ暗記を最小限にできます。ガチ暗記に頼らず法則性を覚え再現性を上げるのは藤原メソッドの基本です。

それでは藤原メソッドで他の曲の構成を覚えてみましょう。下の図のパターンになります。

結構イージーですね。覚え方は【Bメロもサブメロも無い、ソロの尺と入り注意、最後サビ変化注】ですね。無いことを特徴として覚える。そういえば、ほとんどの曲このパターンの3サビ倍にするだけですね。考えてみるとワイドショーもあんまりBメロ無いかも、こっちをスタンダードにしたほうがいいかもです。

このようにドスタンダードとの差異で覚えるとガチ暗記の総量を減らす工夫になります。覚え方の例として【2サビ終わりのへんな繋ぎある>その後決めサブメロアウトロ】【サブソロ3Aある3サビ前の入り変化あり】【サビ終わりのやつ回数1>2>4、2サビ終わりコーラスブレークソロ】。まあ特徴だけ覚えて覚える量減らすって事っす。

曲作る人のあるあるで覚える

上記のクラブライナーという曲には藤原あるあるが沢山散りばめられてます。例えば、キーにA使いがち、2Aメロを変化させようとしがち(たいていはベースのみになりがち)、2サビ倍になりがち、ソロで転調しがち(歌中でしたいけど出来ないからあまりやらない)ソロ明けキー戻りがち、サブメロweezerりがち(少しづつ上がるアレンジ)イントロ、間奏、アウトロまったく同じになりがち、ソロのコード進行はサビ進行になりがち(なるべく変えようと思うけど何がいいのかがわからない。ちなみにソロ転調後はオリジナルの進行これは藤原にしては珍しい)。

あるあるを覚える、いわゆる藤原慣れしておくのは構成やコードを覚えるときに有利です。構成の覚え方はこの辺にしてコード進行の覚え方に移りましょう。

コードはハイコードで覚える

ガチ暗記を最小限にする工夫を考えるのと法則性と形で覚えると思い出すのも容易というのがコード進行を覚えるにあたっては重要です。その意味ではコードはローコードでは覚えません。

ハイコードは法則性があるので実際にローコードを引く場合でも覚える時はハイコードで覚えるのが基本です。下の図はEも開放弦をナットで抑えてるバレーコードと考え0フレット>E、1フレット>Fという法則性を理解します。この辺は最初はガチ暗記かもしれませんが3>G,5>A,7>B,8>Cくらいは反射的に出てくるようになりましょう。忘れてもEFGABCと数えれば容易に思い出せます。

5弦がルートの場合も同じ考え方です。0>A,2>B,3>Cみたいな感じですね。

ここからが本番です。コード進行を実際に覚える際にはルートの点のみでイメージで覚えます。まず最初の段階ではメジャー、マイナー、セブンスなどは無視してルートのみ集中して覚えましょう。また通常はルート、3度、5度などキーに左右されず説明するのが正しいのでしょうが混乱を招くのでキーはAとして説明していきます。よく使う1つのキーで形で覚え他のキーの時はずらすだけという作戦です。

例えばADEという3コードを覚える場合はこの図ようなイメージを描きます。サウンド的にはラモーンズの電撃バップですね。

3コードだと形に置き換えるまでもないですね。ではコード進行がAEDだったりADAEだった場合はどうでしょう?

実はこの辺が一番混同しやすく忘れやすいポイントです。この他にもAEDA、AEAD、ルートから始まらないDAEA、EADAなど混乱してしまいます。ここだけは3つコードかAEDA,ADEAのように一箇所を起点にして円のように回転する4つのコードかADAE,DADEのように一箇所を起点に来たり戻ったりするのか動きで記憶するのが効果的です。ルートから始まらないケースは以外に少ないので記憶には残り安いと思います。

また実際はAからDにいく雰囲気(ポップで明るい)とAからEに行く曲の雰囲気(哀愁がある)は感覚的に覚えてくるでしょう。作曲する際にも使えるので覚えましょう。

4コードの王道コード進行2選

最も有名なコード進行と言っても過言ではない、この進行はスタンド・バイ・ミー、ミスターポストマンなどなど枚挙にイトマがないやつ。有名すぎて逆にあまり使わない。明るくてポップな印象。この進行だったら楽器持ってなくても耳コピできるレベルのよくある度。

ダイアトニックっていう難しそうな下の図のような理論は安定したコードの並びだなーくらいに覚えといて実際はキーCの時よく使うコード一覧ってふうに理解しましょう。なのでAに置き換えるとA,Bm,C#m,D,E,F#m,<ここまででいい。G#m♭5とか使わないからカット。でも使えるのでガチ暗記しちゃう。

ここで重要な事はBm,C#m,F#mはマイナーって決まってる訳じゃなく、メジャーにしたりセブンスにしたりすることで曲に特徴を与える工夫しがいのあるコードって事を知ってBC#F#のメジャーマイナーは細心の注意を払って覚えて欲しいのです。ちなみに上記AF#mDEもF#をメジャーにすることでちょっと違うな、通な感じだなって印象を与えることができる。

2選目は前出のコードの順番を変えただけのAEF#mDだが雰囲気はガラッと変わる。ちなみにこのコード進行一番好きかも。雰囲気はいい塩梅の哀愁って感じ。マイナー始まりのような暗さはない。F#は2フレットに行ってもいいのだがこっちのほうが弾くのが楽。

王道をちょっと変えてみよう

AF#mDEのF#をC#mに変えたパターン。これは王道よりはキャラが薄いが使いやすいし引きやすい進行。このC#こそキャラ変自在の要注意コード。同じ進行でC#をセブンスかメジャーにしてみるとだいぶ雰囲気が変わるのがわかるはずです。C#を2回通過するような場合1回目と2回目を変えるという小技もあり工夫しどころなわけです。

また王道2のAEF#mDのC#mバージョンAEC#mDはちょっと違う質の哀愁という感じ。なぜかAEC#mDはあまり使わない。アクが強く使いにくい印象もある。

また他にもC#じゃなくBにしてみたらどうでしょうか?AF#mDEはABmDEに変えると雰囲気的には明るく自分的にはグラムロックっぽい明るさ、この進行には頭打ちのドラムが似合う感じ。ローリーが使いそうな印象って覚える。これ系だとABmDEじゃなくABmC#mDにしてしまう。癖で。ABmC#mDのほうがペンタ感がでるというかペンタメロによく似合う。実際やって見て下さい。

また王道2のAEF#mDのBmバージョンAEBmDは使った事ないけど、今弾いたらだいぶWEEZERっぽい。1st時代の。最後DじゃなくF#mに行きたくなる。本能的に。ただそれが手癖ってやつでマンネリの元でもある。

図を作るの面倒くさくなってるけど実際上記の進行は頭の中で図にして星座みたいにつなげて覚えましょう。

カノン進行とカノン異種

カノンは一発屋が使う魔のコード進行などと言われてるが誰でも一度は使うありきたりな進行。サザンとかユーミンも使うから。キーがAだとAEF#mC#mDADEですね。図が面倒なので頭の中で点と線を書く癖付けてくださいね。この進行は雰囲気で言うとグリーンディのバスケットケース、ミシェル・ポルナレフのシェリーに口づけとかサザンの「夢を乗せて走る車道」のやつとかですかね。爽やかに明るい雰囲気ですね。

覚えて欲しいAのダイアトニックA,Bm,C#m,D,E,F#mのBm以外全部使ってますね。DADEはDABmEでも似たような感じになります。ちょい脱線してしまいますがコード進行の終わりをDEAにする人とBmEAにする2タイプに別れますね。後者の方が少しフォーキーな感じになります。

あとはこのA,Bm,C#m,D,E,F#mの組み合わせが通常のあまりブルージーやハードロックにならないポップスな進行ですね。思いつくやつで言うとAC#mF#mADAEとかAEF#mC#DEAF#mEとか似たような字面ですが頭の中で56弦のフレット上に点を打ちましょう。上記のように3度(C#)がマイナーなのかメジャーなのかは曲の雰囲気の違いをつかみましょう。

Bメロの覚え方

Bメロは日本語ロックらしさでもあり、サビに橋渡しするブリッジと呼ばれたりする重要な役割でBメロが100点の場合大抵曲がいい。私の中の100点Bメロはパーソンズの7colorsとcan`t stop loveとジッタリンジンの青いカナリアが素晴らしいBメロだ。Bメロに関しては私はワンパターンを自負しておりパターンが少ないぶん覚えやすいとは思うし法則性もある。

まずはキーからは始めない。これは多くの曲もそうだけどわたくしの場合顕著だ。C#mかF#mかDが多い一番多いパターンでC#mF#mDE後はDEAF#mDEとかDC#mF#mDEとかとにかく最後DEに渡したらサビへ行きやすい。ここDEじゃなくBmEにする場合もあるが劇的には変わらない。

6度#(G)を結構使い始めたので

最近今まであまり使わなかったコードを意識的に使うようになったので覚える際に参考にして欲しい。

その代表が6度#(キーAのG)で「ふつつか」サビ「サティス」のイントロ「ぶりっこ」で使用されてます。Gの特徴はブルーノートほどでない泥臭さでビートルズっぽくなる感じです。今後も多投します。

また最近の特徴としてAEDAみたいな循環する時ADEAADEAみたいにAAになるのを意図的に避けてたのをやめて使うようにしてる。例えばふつつかのAメロからサビ、キーAで説明するとDEAでAメロ終わるのにサビの頭Aから始まるとか全然やってくから。

あとキーから始まらないのも積極的に取り入れてて例えばライフイズとか単音楽器始まりだからわかりにくいけどイントロ間奏はDEADだし、ふつつかのAメロとかサティスのサビとか。

5弦ルートに変換するトレーニングは暇な時する

キーをAとして話して来ましたが実際はいろんなキーの曲があり、キーがFとかGとかBだったらずらせばいいけどCとかDとかEになるとどうしても5弦ルート中心に演奏することになり、先程までのメソッド、フレット上に点と線を打って回転や矢印で形として入れる暗記法が使えなくなる。ここ結構みんなの挫折ポイントなのでここ乗り越えれば逆に楽になる。

これがDの場合

このように同じ進行でも5弦ルートの場合形が全く変わってきます。形や回転で覚えた場合5弦ルートになるだけで崩壊してしまいます。なのでパターンを覚える場合は5弦パターンに置き換える癖を普段からすると覚えるのも容易になります。

例えばこの王道進行を5弦パターンに脳内変換してみましょう。AC#mDEをキーDに、AEF#mC#mDADEをキーDに、ABmC#mDをキーDに。

まあ暇なときやると結構いいよ。役にたつし。

@fujiwide
WideShowPersonalities(ワイドショーパーソナリティーズ)というバンドのヴォーカルです。 wspts.com