Loop 42−43
会えるだけのHearthianには会ったし、すべての天体を回った。ここまで来ると、これまで真面目くさって設定していた中間目標などは机上の空論である。
いまはひとつでも新しい情報を得たい。行動の美しさや論理的根拠に依らず、泥臭く片っ端から見直していくのだ。考えるのが面倒になったとも言える。
調査の余地がある遺跡を再調査して回るしかないだろう。前回得たアンコウの化石への道順を辿って、再び燃え盛る双子星へ向かった。アンコウの化石のある場所までは行けたし、アンコウは目が見えないという情報を得た。Nomaiはアンコウの生態調査をしていたようだ。

たしか、Chertは「闇のイバラ天体はかつて氷に覆われた別の惑星だった」と言っていた。Nomaiが闇のイバラのアンコウに言及しているということは、数千年前の時点ですでに闇のイバラ天体が存在したことになる。氷に覆われた惑星……氷に覆われた彗星なら知っている。あの彗星は、太陽に近づいているはずなのになぜ溶けないのだろう。
アンコウの化石の上のフロアで酸欠になって死亡した。
INFO: END - Loop 43 of Outer Wilds Ventures
Loop 44
このあたりで気持ちがしょんぼりしてきていた。
目の前の遺跡や部屋に入れない。迂回路はある程度探したと思うが簡単には見つからない。泥臭くやるのだと決めたが、いつまで続けることになるだろう。先が見えない。闇のイバラ天体に行くのは気が進まない、はっきり言うと行きたくない。アンコウに食べられるので。
このゲームを始めるときに設定を参考にした、砂義さんの初心者向けガイドを読むことにした。なるべく情報を入れずにゲームを進めたかったが、そこにこだわって詰んでしまっては意味がない。情報を知りすぎないよう、少しずつ読み進めた。ガイドの中にはこのような1文があった。
「航行記録の ? マークは全部解消する」
正直薄目で読んでいた(自衛)のでうろ覚えだが、この1文を読んだ瞬間、心に小さな火が灯った気がした。いま時点の航行記録を見てみよう。

? がたくさん残っている。空いているスペースには表示されていない要素もあるだろう。まだできることはたくさんあり、行き詰まる段階ではなさそうだった。
燃え盛る双子星に行き、眼の祭壇地区に入った。しかし、重要そうな記録を見られそうなところは壁や多肉植物で塞がれていた。
壁には、Nomaiの子供たちが話す様子が記録されていた。燃え盛る双子星に着いたときにたくさんのNomaiが亡くなった歴史があること、またそうまでして追ってきた宇宙の眼は本当に良いものなのか疑うような台詞があった。
宇宙の眼を追ってこの太陽系に来たNomaiが、いつのまにか量子の月を信仰しはじめたように見えていたので、宇宙の眼を探す件はどうなったのか気になっていた。祭壇があるということは、眼への信仰も廃れてはいなかったようだ。
砂と洞窟に押しつぶされて死亡した。また高エネルギー研究所に行けなかった。
INFO: END - Loop 44 of Outer Wilds Ventures
Loop 45
燃え盛る双子星では焦ってしまい、どうも調査がうまく進まない。
今度は脆い空洞に行くことにした。脆い空洞も、時間に追われるという点では燃え盛る双子星と同じなのだが、量子知識の塔の上階に登れるか試してみたかった。
着陸したところには、Nomaiの脱出ポッドがあった。脆い空洞の脱出ポッドは未調査であったはずだ。

Nomaiがこの星に来た時には、すでに脆い空洞の中心部にはブラックホールがあったようだ。そのような状況で赤道と南極の観測所をつなぐ施設を作ったのか?
脆い空洞と名前が付いているからには、誰かがこの星の崩れゆくことを知っていたのではないかと思う。墜落時のNomaiの記録から、彼らがこの星にきた時点で、地表には衛星から隕石が降り注いでいたはずだ。隕石により地表が崩れていく現象はいつから始まったのだろう。この星の崩壊は不可逆であると思っていたが、崩壊のなかでNomaiがどのように生活を築いたのか、どうして私が着陸した時点では崩壊せずに星の形を保っていたのか知りたい。
考え事をしていたら、足を踏み外してブラックホールに吸い込まれた。気をつけろと言われていたのに。
ホワイトホールステーションから脆い空洞に戻り、量子知識の塔に向かった。しかし、想定していた方法では塔の上層階にたどり着くことはできなかった。登れる壁が途中で途切れており、ジェットパックで飛べば天井に届くかと思ったのだができなかった。
しかたなく諦めて、半ば投げやりな感覚で量子知識の塔から伸びていたエレベーターに乗った。以前別の場所から乗った時には、乗り換え先のエレベーターが途切れていてブラックホールに吸い込まれた記憶がある。

今回はエレベーターが途切れておらず、別の足場にたどり着いた。バンジョーの音が聞こえる。
音が近い!振り向くと、岩の隙間から焚き火の灯りが目に入った。

ウワーーーッ
Riebeckだ!!こんなところにいた。会えて嬉しい。今まで行方不明説をでっち上げていて申し訳なかった。ここは一番最初に降り立った壁画フロアガイドのある場所から直接来られる位置にあり(壁を伝い降りていく必要があった)、ただ単に私が道を見逃していただけだった。このように見逃している道が他にもあるのだろう。

Outer Wilds Venturesのメンバーは自己肯定感が高い。Chertも自分が唯一の科学者だというようなことを言っていた。Hearthianは人材不足でお困りのようだ。「今や」という言い方が気になるが、昔は他にも考古学者がいたのだろうか。
ChertもGabbroも、Riebeckもヘルメットで顔が見えない。宇宙服はかなり個性的だ。顔が見えたところであまり区別は出来なさそうではある。博物館には大きな写真が飾ってあったはずだが、彼らの顔はどうだっただろうか。
せっかく会えたのでRiebeckと最期を迎えてみたかったが、今は調査を進めなければならない。ブラックホールに吸い込まれ、ホワイトホールから宇宙に放り出されたところで太陽が爆発した。
INFO: END - Loop 45 of Outer Wilds Ventures.