Loop 163
前回同様、攻略情報に従って赤いコアに侵入した。今回はアンコウに喰われることなく奥へ進むことができた。
アンコウ卵塊の奥に船があるものと思っていたが、見えてきたのはイバラのコアだった。偵察機のナビゲーションはそのコアの中に行き先があることを示している。すでに慣性による航行は限界を迎えており、進んでいるのか止まっているのかわからない。やむなしとみてほんの少しだけ加速したところ、後ろでアンコウが振り向く音がした。慌てて全力で加速し、コアの中に飛び込んだ。
ほどなくして船が見えた。思っていたほど大きくはない。

左上に見える部分は脱出ポッドに似ている。もしかすると、脱出ポッド1〜3はこの部分を切り離して発射したのかもしれない。まずは周囲から調査したいが、慣性航行で時間を使ったために残り時間が少ない。破損箇所と思われる穴から、急ぎ中に滑り込んだ。

最初に目に入ったのは、壊れたワープコアと思われる設備だった。メインの推進装置が簡単に触れられる場所にある。私のような操作下手に対する気遣いというかゲーム性の都合なのだろうが、相変わらず技術力のわりに脆弱なデザインである。ワープコアを調べるように浮かんでいるNomaiの骨は、船の不時着時に亡くなったものだろうか。

メインフロアは二層構造になっており、下のフロアには船が宇宙の眼から信号を受け取った時の記録が残されていた。当時船の航行を取り仕切っていたEscallが仲間への連絡を止めたばかりに、この船にいたNomaiは我々の太陽系に閉じ込められることになったのだった。Escallはたしか、遭難した脱出ポッド3で記録を残していた。後悔の中亡くなったことだろう。

なるほど、このウニが受け取った信号か。Nomaiの祭壇にあったモチーフはかなり精巧に信号を再現したものだった。で、この信号ってなに……何を表しているの……?これでなぜ大まかな座標を割り出せたのか不明だ。
上のフロアに戻り、ワープコアの周辺にあったギミックを起動した。六角形の入力デバイスが出てきた。半ば予想はしていたが、灰の双子星プロジェクトにあったワープコアはこの船の新しい動力に、探査機追跡モジュールで見た座標は船の行き先として入力せよということだろう。

遠くで超新星爆発を予感させる音がした。ここは太陽から最も遠い惑星なので、爆発の余波が来るまでは少しだけ時間の猶予がある。逆さまの状態で浮遊しながら、座標の入力デバイスを観察した。あの見た目は、視線で座標を入力するタイプだよなあ……できる気がしない。やるしかないのだが。
青い光がいくつも船を通り抜けていった。
INFO: END - Loop 163 of Outer Wilds Ventures.