Loop 119
太陽ステーションの操作難易度の高さに呆然としてしまった。今あれに繰り返し挑戦する気力はない。別のことをしよう……灰の双子星プロジェクトに行く実験を再開することにした。
灰の双子星の塔のワーププラットフォームの角に偵察機ランチャーを置き、自分は燃え盛る双子星の塔のワーププラットフォームの角に立った。砂の滝が来て、偵察機は砂の双子星へ、私は燃え盛る双子星へワープした。かなり端っこでもワープが可能らしい。砂の滝の影響が無ければ。
満足したので、戻りワープで灰の双子星に戻り、今度は自分が灰の双子星の塔のワーププラットフォームに立った。時を待つ。
砂に巻き上げられてしまった。むしろ、砂の滝にぶつかるよりも先に身体が浮き上がっている。偵察機単体では問題なかったのに……。仕組みの理解自体は間違っていないはずなので、諦めて攻略情報を見ることにした。目を閉じた。
INFO: END - Loop 119 of Outer Wilds Ventures
Loop? 120
砂義さんのヒントを参照した。やはり考え方自体は間違っていなかったが、砂の滝の待ち方が誤っていた。あらかじめ部屋の隅で待ち、砂の滝が来たら滝の中にあるワーププラットフォームに向かって飛び込むとのこと。
いやいや。砂の滝の近くでジェットパック逆噴射をしていても身体が浮き上がるんだから、砂の滝に向かって飛び込むときだって身体が浮き上がらないとおかしいでしょう。感覚的にわからんでもないが、なんだか釈然としない。
しかしワープには成功したので、ヒントに感謝し中を調査する。ヒントを見なければあと5ループくらいはかかっていただろう。
なんだかBGMに凄みがある。弧を描くように敷設された通路が回転し、人工的に重力を生み出しているようだ。ここにはいつもの重力壁を使わなかったらしい。頭上、弧の中心部には、何本もの太いケーブルでエネルギーを供給されている箱のようなものがあった。
通路を進んでいくとまず見えたのは、プロジェクションプールで何度か目にしたNomaiの仮面だった。最後にデータを受信したのは8分22秒前、おそらく前回ループの終了時刻だ。
今起動している仮面のデータ送信元は3箇所あり、探査機追跡モジュール・巨人の大海の記憶の像・木の炉辺の記憶の像とのことだった。ふたつめはGabbro、3つめが私とペアリングしている。探査機追跡モジュールという名詞には聞き覚えがないが、軌道探査砲に関連するものだろうか。FeldsparはNomaiの像とは直接関係がないかもしれない。Feldsparのハーモニカの音は闇のイバラ天体から聞こえてくるし、仮面のデータ送信元は軌道探査砲関連だ。
次に見えたのは、長い通路の壁に記録されたYarrowたちの会話だった。前の世代ではリーダー格っぽかったCassavaが若干老害扱いされているのが切ない。Yarrowはただの色惚け男だと思っていたのだが、次世代リーダーとして一族をまとめていたようだ。
Nomaiの遺跡であらゆるところに置かれていた植物は、灰の双子星の地下から掘り出されたものを移植したものらしい。植栽委員長Coleus、何かのフラグを立てている。
それにしても、28万年前に移植したわりには成長も腐敗もしていないように見える。不思議だ。
Nomaiは意図的に太陽の超新星爆発を起こそうとしていたようだ。これには驚いた。太陽ステーションは超新星爆発を起こすための施設だったのだ。
ここに書いてある仕組みはいまいち理解しきれていない。22分毎に、軌道探査砲の発射とデータ集計を繰り返すということだろうか。見た目上、軌道探査砲の発射方向は毎回異なっていた。ランダムな方向へ探査機を発射し、宇宙の眼が見つかればそこで超新星爆発を起こす指示を止める。
軌道探査砲にはNomaiが乗り込む予定だったようだ。この22分間という数字に何の意図があるのかはまだわからない。22分あれば超新星爆発の影響範囲から逃れられるとか?太陽ステーションが正常に動作しなかったために計画は中断され、その間に侵入者が太陽系に来て、そのコアが爆発したことによりこの太陽系にいたNomaiは滅びた。28万年後のいま、太陽が寿命を迎えて超新星爆発を起こしそうになったので灰の双子星プロジェクトが起動したらしい。
最後に見えたのは人工重力装置を制御する装置と、頭上の箱(灰の双子星プロジェクトのコアらしい)にアクセスするためのスイッチだった。ここでも視線で動かすスイッチとは、脆弱な機構だ。スイッチを入れるとケースが開いて、コアが見えた。重力装置も切って、コアに向かう。ブラックホールコアとホワイトホールコアがつながって格納されていた。
ワープコアを取ってしまった。えーどうしようこれ。ワタワタした。盛り上がるBGM。ものすごく最終回感がある。ワープコアの処遇についてしばらく悩んだ。おそらくこれでループは止まるだろう。太陽の超新星爆発は止まっていないよな?ひとまず木の炉辺に帰ろう。Slateあたりに見せたら何か言うだろうか。宇宙船すら不要になる移動手段だ。
灰の双子星の塔経由で木の炉辺に戻り、村に帰ろうとした。遺跡をジェットパックで飛び越えた。着地点近くに幽霊物質の石が散らばっていた。戻れない。止まれない。
そうか。ループが出来ないとはこういうことだ。ゲームのエンディングが始まってしまった。完全なるゲームオーバーだ。
INFO: END - the 120th "first" adventure of a newbie in Outer Wilds Ventures.