※当記事では二次創作の18禁同人作品について触れています
絵を描く技能もツールも持っていない人間が、なんやかんやして同人誌の表紙作っている悪足掻きの記録です
テーマを決めた表紙練習、今まで作った表紙の作例、自分なりのコツ、おすすめ資料などを記載しています
具体的な制作方法やCanvaの技術的な話題などはありませんが、自分でも表紙を作ってみよう!と思っていただけたら幸いです
【目次】
はじめに
練習
作例
おすすめ資料
デザインのコツ
余談
今までで一番クソ長い記事になった
なにかしらの参考になれば嬉しく思います
【はじめに】
▶使用ツール
以前の記事でも少しお話しましたが、私が表紙を作成しているツールは「Canva」というデザインサイトです
会員登録無料で好きなサイズのデザインが出来ます
というかCanvaがなかったら表紙作れるわけないやろがいなので、ガチで頭が上がりません
大感謝サンキューダンケシェーン
操作は特に難しくなく、初心者の方でも直感的に扱えると思います
無料で使用できる素材やテンプレも多いです
有料会員の素材が使いたい場合は、無料トライアルもあります
締切一ヶ月以内に登録するとお得(貧乏ライフハック)
しかも割と頻繁にトライアル復活するので助かる
緑陽社さんがわかりやすい記事を公開してくれています
ほかにもnoteで検索すると、詳しい操作方法やテクニック、作例などを紹介した記事がたくさんあります
===
▶RGBとCMYK印刷
私は正直そこまで気にしていません
「蛍光色とかなんか暗くなるんすよね」くらいの認識でやってる 正気か?
適当で申し訳ないですが、私のことは信用せずに各自で調べていただけたらと思います!!
「RGBとCMYKってなに?」という方は、ポプルスさんの説明がわかりやすいかも
オフセットやオンデマンド、印刷所などで仕上がりもだいぶ変わります
各印刷所の原稿作成ガイドなどを確認してみてください
あとは本番入稿前にコンビニや自宅のプリンターで印刷してみると、画面上の見え方との違いがよくわかると思います
印刷所の仕上がりとはまた違いますが、一度俯瞰してみるという意味でもおすすめです
思ったより文字でけえな…とかよくあります!
【練習】
サイズとテーマを決めて、実際にCanvaで表紙を作ってみました
同じ素材、タイトル、内容で各2パターン
「自分の作品でこのテーマの本を出すなら」という設定です
特殊紙、特殊加工は想定していません
背表紙はあったりなかったり
以前作った没表紙のリメイクもあります
===
【文庫サイズ】【テーマ:シリアス・切なめ】
最終的にカプは別離する設定
このテーマなら写真素材の方が扱いやすそうだけど、練習なので普段使わない感じの素材を選んだ
今回は敢えて似たようなデザインで作りました

【パターンA】
個性的なデザインフォントは読みづらいので片仮名も入れてみた
四隅の「」はもっとデザイン的なのでもいいかも
文庫サイズはあまりゴチャゴチャさせない方がテーマのイメージに合っていると思う
目立ってほしいタイトル→R18→カプと視線を誘導する狙い

【パターンB】
寂寥感や流麗な雰囲気を出したかったけど難しい
ドットの向きとかもっと工夫できる? 現状思いつきませんが…
こちらもタイトル→R18→カプの順で視線が行くかなぁってデザインです
ABどちらもラフ・エンボス系のデコボコ特殊紙が映えそう
===
【新書サイズ】【テーマ:ミステリー・サスペンス】
遺体埋めと駆け落ちをやらかす殺伐本
最終的に海まで逃げる設定なので、そこら辺をモチーフに取り入れました

【パターンA】
よく見ると黒ではなくダークグレーです
偽バーコードや発行日とかを入れると、なんかいい感じに余白が埋まる
文字や画像の端を揃えた方が整って見えます
タイトルの波線で逃避行のスタコラサッサ感を表現

【パターンB】
海外ミステリー系を意識したデザイン
パターンAより硬派な印象?
裏表紙はシンプルに
写真素材は青っぽく加工し、背景と馴染ませる
もやもやテクスチャーで不穏な雰囲気を漂わせた
===
【B6サイズ】【テーマ:コメディ・エロ】
タイトル通り「舐める」がテーマの18禁本という設定

【パターンA】
テーマがちょっとわかりづらいかも
可愛い英字フォントなのでシリアス本には見えないはず
デコボコ背景で立体感と動きが出てるといいな〜
夏のさわやかエロ本のイメージです

【パターンB】
わかりやすく明るいエロ本の雰囲気
大事な情報(タイトル・カプ・対象年齢)が目立つ感じで
素材は加工でぐにゃーっと歪ませた
素材の扱いに困ったら、歪ませたりぼかしたりで誤魔化す
水飛沫はちょっとくどかったかも
タイトルに縁取り付けても可愛いかな
===
【A5サイズ】【テーマ:甘々・ほのぼの】
うちにないやつすぎるテーマ
自カプのかわいい話つくれる人たちほんまに尊敬
事後の甘いひとときみたいな話です、たぶん

【パターンA】
2配色の縛りも付けて作成
めちゃくちゃガーリーに出来たけど、タイトルちょっと目立たないかな…どうだろう…?
タイトルのさくらんぼは下段の「i」にも付けるとくどそうで止めた
隙間埋めのロゴ類もCanvaで作りました

【パターンA´】
ルール無視して圧の強いステッカー貼ってみた
もっと大きくするか、種類増やした方が良さそう
ステッカーの色もロイヤルブルーとかパンチ強い原色たくさんのが可愛いかも
こういう散らばす系の配置いつもわからない

【パターンB】
パターンAよりシンプルでレトロな雰囲気
配色を変えるだけで印象がまったく変わりそう
こちらはタイトルがすぐ目に入っていいですね
絵がない表紙で一番目立ってほしいのは、やっぱりタイトル


試しに配色変更したやつ
ただCMYKだとめっちゃ色沈みそうなので、特殊インク印刷にするとか対策は必要
【作例】
今まで私が作った表紙をいくつか紹介します
【作例その1】
▶内容
上司の部屋で無断セックス中にペットの高級金魚を殺してしまい、その替え玉を密漁する話
▶装丁
サイズ:B6
表紙用紙:エンボス サンバ160kg シルク
本文用紙:ナチュラル
遊び紙:半更クラフト 92kg

カスのあらすじ
これはコンセプトもクソもない完全に表紙詐欺です
言い訳すると、受けの好物がさくらんぼなので可愛い素材が使いたかった
なお作中にさくらんぼは一切登場しません ほんまに詐欺
文字色はさくらんぼの赤と合わせています
表紙1の背景は白ではなく薄いクリーム色
キュートでガーリーな雰囲気を目指しました
【作例その2】
▶内容
またがり幽霊電車に乗ってしまった攻めが、尻丸出し乗務員の受けから性的おもてなしを受ける話
▶装丁
サイズ:A5
表紙:ディープマット ミストグレー 100kg
特殊加工:ネオンピンク印刷

カスのあらすじ
頭空っぽで読むエロ本
表紙だけプリンパさんで印刷 中身はコピー本です
テーマは「電車」一択
他の要素は入れられるわけないだろ
タイトルの癖が強いからシンプルなデザインでも目立つ
文字だけだと寂しいので電車のシルエット素材を配置した
ネオンピンク印刷は画面で見たままのマゼンダピンクで可愛かったです
エロ本にめちゃくちゃおすすめ
【作例その3】
▶内容
河童衆人環視のもと、五芒星の上で受けの疑似死体と蘇生セックスする攻めの話
▶装丁
サイズ:B6
表紙用紙:モンテシオン 39k
遊び紙:カラーペーパー厚口 サクラ

カスのあらすじ
こちらの記事でも紹介した自分で作る中綴じ本です
プリペラさんの出すだけパックは神
テーマは「キュウリ」「緑色」
たしかこの配色本からモチーフの色を決めたはず
瓜感が出てて可愛い
今にして思うと、タイトルフォントは可愛い系でもよかった気がする
あと遊び紙は自前で用意しました
【作例その4】
▶内容
上司の通夜で寝ずの番をすることになった自カプが、ご遺体の前で罰当たりセックスする話
▶装丁
サイズ:A5
表紙用紙:い織り プラチナホワイト 100kg

ずっとカスのあらすじ
こちらも表紙のみグラフィックさんで印刷したコピー本です
テーマは「深夜」「通夜」
焼香の煙をイメージしたモチーフを使用
ただの倫欠バカエロ本だけど、怪しい丑三つ時の雰囲気が漂っていたら嬉しい
成人向け表記も日本語に統一
タイトルに入ってるのでカプ表記は省略しました
でもなんとかねじ込んでおけばよかったかも(自カプ本に自カプ名は何度でも明記していい“ルール”なので)
【おすすめ資料】
デザインの手助けになりそうなサイトと本をいくつかご紹介
私のなんとなく知識より断然有益なので、ぜひ参考にしてください
①【実例集】メディバンで作る!同人誌の表紙デザイン&文字配置アイデア♪
メディバン公式の実例集です
タイトルの配置とかに悩んだ際は、こちらに助けを求めましょう
時間があるときに文字配置の練習をしてみるのも楽しいです



実際に練習してみた
圧が強い
===
②すてきな装丁や装画の本屋
文芸書の装丁を紹介しているサイトです
25年の10月で更新が止まっていますが、見ているだけで楽しく勉強になります
個人利用の範疇で、好きな表紙を保存して見返すと、自分が作りたい表紙の方向性がわかってくるかもです
===
③COLOR DESIGN カラー別配色デザインブック
配色デザインの書籍は毎年死ぬほど出版されていますが、おすすめの一冊はこちら
メインカラーとそれに合わせるサブカラーの作例が載っている本です
基本オタクは推しキャラや自カプのイメカラを取り入れたがるので(偏見)、比較的使いやすいと思います
ポップ系や和風、スタイリッシュなど雰囲気に合わせた組み合わせが掲載されており、その辺も同人誌向きの内容です
2~4配色の作例もあって、箔押しや単色刷りにも活用できそう
ほかにもkindle unlimitedで配信されているデザイン本もあるので、そちらを読んでみるのもいいかと
【デザインのコツ】
表紙デザインについて、自分なりのコツとかやり方です
デザイン関連などきちんと勉強したわけではないため、至らない点がありましたらご容赦ください
なにかあれば、感想レターとかからコソーリ教えていただけると助かります!
▶コンセプト・テーマ
これは一つでもいいので、作る前に考えておいた方が楽です
なんとなく青のイメージ
明朝体のタイトルにしたい
コメディだから明るく可愛い雰囲気
海辺が舞台の話
こんな感じで大丈夫です
最初の方向性がなにか決まっていると、少しは作りやすいはず
作っていくうちに総没とかもよくありますが、その頃にはイメージが固まっているので全然問題ないです!
とは言いつつ、私は「本のコンセプト」と「自分の趣味」が喧嘩することも多いです
たとえ本編に掠りもしないモチーフでも可愛いから使いたいってありますよね…!?
内なる理性と「いちいちうるせえな」と戦う気持ちもそれなりに大事
嘘のカップリング名を書く(大罪)、公式本と虚言を吐く(大罪)など、凶悪オタク犯罪を犯していなければ大丈夫だと思います
印刷所からの段ボールを開けた瞬間、自分が一番ときめく表紙を作りましょう!
===
▶表紙の文字
そもそも表紙にはどんな情報を書けばいいのか?
タイトル
対象年齢
カップリング名
ジャンル非公式本の明記
サークル名(著者名)
私が表紙に記載するのはだいたいここら辺
裏表紙には頒布する日にちやイベント名など入れることもあります
タイトルのフォントはとても重要です
特にイラストなしの表紙では、本全体の印象を左右します
私もよくやりますが、フォント単体だけ見て可愛いから使ったりすると、統一感がなくなり、ちぐはぐな感じになってしまうことも
でも、うるせ〜〜知らね~~~~って気持ちもわかるので、「小さい文字にする」「別の本で使う」「開き直る」など妥協点を見極めましょう
あとタイトルの表記パターンが多いと助かる
例:初恋、はつこい、ハツコイ、Hatsukoi、First Love
なんとなくイマイチだなと思うときは、フォントや配色を変えてみる、モチーフを引き算するなどいろいろ模索してみてください
私の場合、しっくりこないときは詰め込みすぎが多いです
===
▶カプ名の表記

たとえば、この表記でカプの左右がどちらかわかりますか?
正解は春夏×秋冬
ただ、少しわかりづらいんじゃないでしょうか
先ほど紹介したメディバンの記事では、「左上」から見てしまう無意識の癖について触れられています
取り扱いカプの誤認は誰も幸せになりません
ある程度わかりやすく明記した方がいいと思います

縦書きなら一列にするとか

横書き三段
×をもっと大きくしたり、いろいろアレンジできる

英字とスラッシュ
「Seme/Uke」など、一列にしたのを私はよく使ってます


デカ+ミニカプ名
縦横どちらでもかわいい気がする
漢字じゃないカプは「SMUK」とか「SU」でも
自カプ本には自カプの名前が何度書いてあってもいいと思います
世界でもっとも美しい名詞ですし、隙あらばたくさん書きましょう(強火オタク思想)
===
▶タイトルの段組


こちらもパッと見どこから読むのか、ちょっと混乱しちゃいます
読み間違えられてもカプの左右ほどの悲劇はないけど、読みやすいに越したことはありません
メディバンの記事などを参考にして、可読性を工夫していきます

横書きにして行間を調整

一行の文字数を変える

フォントや色を変える

始まりの文字を強調
要は、どこから読むのかわかりやすくしてあげたらいいと思います
素敵なプロのお手本はこちら
ちゃんと“シ”から目が行く!
洗練された視線誘導がすごいです
【余談】
▶表紙を自作した経緯
私が初めて出した同人誌の表紙は、知己のオタクに作ってもらったものですが、私の概算が甘くギリギリまでページ数を確定できませんでした
表紙制作を依頼する際、字書き最大の難点がページ数だと思います
たいていの場合は快く背幅変更の対応をしてもらえますが、純粋に申し訳ないし、修羅場で他者とやり取りするのも少々しんどいです
それなら自分で作るか~というのが作り始めたいきさつです
自分で表紙を作れば締切5分前だって背幅変更できちゃいます♪♪♪
(※実際は余裕のある入稿をおすすめします。本当に)
もちろんデザイナーさんなどにお願いするのも最高に楽しいので、自作と外注で選択肢が増えたと思っていただけるといいかも
===
▶表紙のテーマ表現
【デザインのコツ】の項目で、コンセプト・テーマについて少しお話しました
表紙を作るうえであった方がいいんですけど、それをどこまで表紙に反映させるかはまた別問題です
エロやコメディ寄りの本はタイトルも含めて直接的な表現、逆にシリアスやしっとりした作風では抽象的な方が個人的には好きです
たとえば、AVなどのアダルトコンテンツはめちゃくちゃわかりやすい作品名ですよね
スケベを探す人間のIQは3くらいしかないので大正解だと思います
フランス書院などでよく使われている「肛」「母」「妻」「淫」「肉」辺りの漢字は、IQ3の文学エロ小僧(概念)でも即理解できて素晴らしいです
一方で、成人向け要素より真面目な雰囲気や余韻を重視したい場合は、タイトルや大筋からほんの少しずれたモチーフを使うと洗練された印象になる気がします
具体的な例を挙げると、練習で作った「逃避行」というタイトルの本は、殺伐系のどシリアスな設定です


ここで逃げる人影や足跡などの素材を使うと、ちょっと露骨すぎるかなと思います
今回は海の写真を使用して、「海辺の話なのだろうか」「二人は海まで逃げるのだろうか」など、想像や解釈の余地を生むことが狙いでした
まあ上手い人たちなら直接的な素材でもハイセンスなデザインにできそうですが、私の腕では難しいので…
かといって、文庫サイズで使ったような内容と一切関係ない花の素材やら写真の切り抜きとかも難しい!


オシャレだけどこの本の表紙じゃなくてもいいのでは?って思うときもあります
でも「俺の趣味」を詰め込んだ表紙作るのめちゃくちゃ楽しいんだよな…
いい意味で「たかが同人誌」なので、あまり気負わずに楽しく作っていきたいです
【おわり】
ここまで全部読んでくれた方は、本当にありがとうございます!!
お役に立てることあったのか…?と心配になりますが、一冊でも多くの同人誌、ひいては自カプ本が発行されたらなによりです
中表紙や事務ページ、写真素材を使った作例もそのうち別記事であげます
表紙練習もまたやりたいから早く原稿終わらせよう…!