技術イベント・カンファレンス運営のノウハウ(2枚目) Advent Calendar 2025 - Adventar 17日目の記事です。
はじめに
こんにちは、愛知工業大学でシステム工学研究会というサークルをざっくり2022年から2024年の夏頃まで運営をしてきました、牧野遥斗(はるちろ)と申します!よろしくお願いします。
今回、この記事では自分が技術系サークル運営に関して心得てきた内容について改めて記事にまとめてお話をしていきたいと思っています。学生団体の運営なので少し技術イベント・カンファレンス運営とは違ってくるかもしれませんが、ちょっとした味変程度に見ていただけるとありがたいです。
さて、自分が所属していた「システム工学研究会」は愛知工業大学公認のサークルで、IT系のサークルとなっています。普段はサーバーを用いてちょっとしたサービスの運営を行ったり、ハッカソンに出て自分の実力を磨いてきたり、自分のやりたい内容を見つけて周りを巻き込みつつ開発をしたり、みんなで季節にまつわるイベントを行い親睦を深めるそんなサークルとなっています。
以下の画像は2023年度にBBQをしているときの様子です。https://www.sysken.net/post/426/

そんなシステム工学研究会なのですが、現状の活気のあるサークルなのですが、自分自身が入学した当初は少し毛色の違うサークルとなっていました。コロナ禍開けすぐだったり、イベントが少なかったためにサークルの元気があまり無い状態でした。また、過去のOBOGたちとのつながりも途絶えていたために技術や伝統の引き継ぎも途絶えてしまっていました。
そこで、自分自身がサークルの運営に入り、様々な改革を行ってきました。できる限りサークルに様々な人が入りやすくするために、開発にかかわらないイベントを開催したり、初心者にわかりやすい技術勉強会を開催したり、外部のイベントに参加をするように促すようにしました。そうして、技術的な向上をサークル全体で促したり、サークル自体の知名度を向上させ、自分たち自身がシステム工学研究会の一員に属しているという属人性をもたせられました。
この記事では、自分自身が改革をしたシステム工学研究会の運営の仕方、方針、考え方をまとめ、学生団体を運営しようと考えている方に少しだけ知識の支えになってもらえればと思い作成しました。かなり思想の強い文章が書かれていると思いますが、こういう考え方を持っている人もいるんだなと思い見ていただけると幸いです。
入学当初の時代背景について
自分が行った行動がどういった動機で行ったのかを理解するためには、ある程度の時代的背景をまとめる必要があります。
2022年の入学当初はコロナ明けで、部活動の活動がまだ大きく制限がされていたタイミングでした。部室に入れる人数は8人程度に制限されていて、入室した人の体温や名前を記録して残しておく必要もありました。
以下の画像はみんながまだマスクをしていたときの様子です。おそらくこの様子をみてふわっと思い出す記憶もあると思います。https://x.com/set_official/status/1643842570685145089/photo/1

そんなこともあり、2022年に入学した人・2021年に入学した人・ 2020年に入学した人・2019以前の人で大きく心の壁ができていたように感じました。サークルや文化祭、授業などがすべてオンラインで完結をしてしまったため、新しい人との交流が極端に減ってしまったためだと思います。そのため、縦のつながりが極端に減ってしまったと思います。
ですが、イベントなどがちょっとずつもとの形に戻ろうとしていた年だとも思います。少しずつ通常の開催に戻ろうと文化祭やオープンキャンパスが通常の規模感に戻ってきたり、外部では、コミックマーケットなども通常の規模感に戻り始めた年だと思います。
現状の問題点
現状よりサークル活動を活発的にするためには様々な問題がありました。
まず第一に先輩とのつながりが切れていた点です。コロナ禍の状況もあり、上と下とのコミュニケーションの連携が少ない状況にありました。そのため、エンジニアの技術継承やサークルの歴史的な背景などが引き継がれておらずこのサークルは何をするサークルなのかがふわっとしか把握できていない状況にありました。
第二にサークルでのイベントがほぼ消滅している状況にありました。一箇所に集まって活動ができないため、勉強会や懇親会、季節ごとのイベントがほぼほぼ開催されなくなってしまったため、一番最初からサークルに入って馴染めなかった人が次にどのタイミングでサークルに参加すればいいのかわからない、参加しづらい状況が続いていました。
第三に、外部に情報を露出していない状況にありました。TwitterやWebなどで現状のサークルの状態や活動内容を更新ができていないため、サークルの雰囲気を把握できず、サークルのイメージが付いていない人たちのサークル参加の動機を失っているように感じました。
第四に、勉強会の内容が上級者向けのものが多く、初心者が置いていかれることがありました。基本勉強会を初心者向けに行ってもらえるタイミングもありましたが、初心者向けに新たに資料を作るのが大変で基本は講師自身が学んでいる内容をそのまま資料にして1年生に教える状況が多々あったように感じられます。
第五に、大学という組織の中にあるため、素早いペース1年で代替わりが発生して、4年間経てば完全に入れ替わってしまう点です。そのため、引き継ぎを行うペースがとても早いペースになるため、自分の思想ややりたかった内容をやり切るのが難しいです。この部分に関してはそもそも仕方ない部分ではあるので根本的な解決はできませんが、引き継ぎをできる限りしやすくするのがとても大事なキーワードになってきます。
目指したいこと
システム工学研究会は、周りの研究室や企業さんから「優秀な子が集まるからすごいね」と言われるサークルです。まずは、この評価を大切にしながら、今後もその流れを維持していきたいと考えています。 さらに、学内だけでなく学外にも認知を広げ、「ああ、シス研知ってるよ!」と外部の団体から声をかけてもらえたり、企業の方からも「シス研って、あのハッカソンに出ていたところだよね」と思い出してもらえるような存在になるといいなと思っています。
こうした取り組みを積み重ねることで、「シス研ブランド」を作り上げていきたいと考えています。このシスケンブランドを作り上げるためにも目指したい3つの柱をまとめてみました。
学生生活のサポート
居場所づくりとコミュニケーションの活発化
技術向上と発信
学生生活のサポート
シス研は、研究室での情報共有や授業内容を教え合うなど、学生同士だからこそ話しやすい学校生活の悩みを気軽に相談できる場でありたいと考えています。 教員や大人には聞きづらい内容でも、同じ立場の学生同士であれば安心して共有できる情報は多くあります。そうした日常的なサポートを通じて、学生生活全体を支えられるサークルでありたいと思っています。
居場所づくりとコミュニケーションの活発化
シス研を、単なる活動の場ではなく「第二の拠点」として感じてもらえる場所にしたいと考えています。もし自分の居場所がなくなってしまったときでも、気軽に戻ってこられる逃げ道のような存在になれたら理想だと考えています。IT系の仲間は学内外でも決して多くないため、同じ興味や関心を持つ人同士が集まり、技術の話や雑談を通して自然に交流できる環境を大切にしたいと考えています。
技術向上と発信
シス研では、まず「どのような技術があるのかを知ること」と、「ものづくりの楽しさを知ること」を重視したいと思っています。その後、興味を持った分野の技術をさらに深め、最終的には自分の知識や成果を周りに発信できる人へと成長してほしいと考えています。そのために、勉強会やシス研メンバー同士の会話を通じて、自然に学び合い、刺激を受けられる環境を作っていきたいです。
解決したこと
前のセクションで考えた3つの柱を達成するためにも様々な活動を行って行きました。その一つ一つの内容をまとめていきたいと思います。
イベントの数をいっぱい増やす
イベントの数が少ないと普段サークルに参加をしていない人がなかなか入りづらいと感じる場合が多くあります。そのため、季節にまつわるイベントや定期的な勉強会を大量に増やして、普段部室にあまり来れていない人でもこのイベントは面白そうだから行ってみようかなと思うきっかけを作り出せました。楽しくそして技術を学べる、そんなサークルにしたいと思いこのような取り組みをしてきました。
この画像は、初心者向けに自作PCの作り方を教えている勉強会の様子です。https://x.com/set_official/status/1656567721457508353/photo/2

この画像は、サークルのみんなで集まりお肉を囲みながら懇親できるようにするためBBQを開催しているときの様子です。https://x.com/set_official/status/1674359746638512128/photo/3

初心者向けの定期的な勉強会を増やした
勉強会に関しても、中級者以上をターゲットとした勉強会をかなり減らし、PCを大学に入ってから触った人も理解ができるような勉強会を定期的に開催をするように心がけました。定期的に開催をすると、サークルに定期的に足を運ぶきっかけを作れてサークルのコアメンバーを増やすきっかけになったと感じます。
以下の画像はサークル内Wiki esa の中に書かれている2024年度勉強会の日程の一部です。

SlackでのTimes文化を流行らせた
IT系の企業などではTimesという分報という文化があります。社内Twitterのようなもので、自分の思った感想や今感じている課題感や学んだ内容を呟くそんな場所になっています。そういったチャンネルを大量に作り出して、自分自身のブランディングにつなげたり、他の人に悩みや興味を共有してよりコミュニケーションの活発化に繋がったと感じます。
以下の画像はサークルでのTimesの様子です。サークルのTimesなので、技術寄りの内容は少なめで日常的なつぶやきが多めです。ですが、様々なリアクションを飛ばしてくれたり返信をもらえることでその人の趣味や関心を細かく感じられるため人とのつながりをより一層つくれたと思います。

Twitter、Web、Instagramなどを用いた外部露出を増やす
外部露出を増やすと、周りの学生からも何をしているサークルなのか理解をしてもらえます。そうすると、サークルでの活動を把握してもらえるため、このサークル何やっているのかわからず怖いと思い、距離を置かれにくくなると思っています。また、企業さんにもアピールができるため、企業さんからのサポートを得られるきっかけになったり、シス研自体のブランディングにも繋がったと思います。



外部イベントにも大量に出店する
外部イベントにもたくさん出演するのもシス研のブランディングを作るためにはとても大切な内容でした。シス研自体の向いている方向やシス研が持っている技術力を他の団体や企業さんに直接伝えるきっかけになるため、新しいコネクションを張るきっかけになりました。
以下の図は、技育CAMPキャラバンに出場をしているときの様子です。https://x.com/set_official/status/1725873727953686921/photo/1

以下の図は技書博で本を出店しているときの様子です。https://x.com/set_official/status/1728255421348303321/photo/1

他団体の大学や専門学校の人とつながる
より技術力を深めるためには、周りのエンジニアとの交流はとても大事です。新しい技術の情報を手に入れれたり、同級生の子が自分とは全く違う考えで物事を取り組んでいる話を聞いたりすると、よりやる気に繋がります。そういった経験をするためにも、東海地区ではMATSURIABと呼ばれる団体があり、そこに所属をしました。2ヶ月に一回ほど集まり、様々な人と交流を深め技術談義をしたり、Twitterなどの交換を行い、エンジニアの輪を広げられました。
以下の図は、MATSURIBAでの活動をしているときの様子です。https://matsuriba-tech.connpass.com/event/295171/
https://x.com/MatsuribaTech/status/1728052831532339641


学生団体の長を務めるために必要だった技術について
ここまで色々な活動を行うにあたり様々な運営をするに当たるコツをやっていく中で感じた内容をまとめていきたいと思います。
学生団体のため、お金でものを言わせることとができない
運営をしてくれている人は全員社員ではなくボランティアです。必然的にお金を用いて縛ることができないため、運営のモチベーションベースの動機づけが必要となります。ある意味やりがい搾取と言われてもおかしくない状況ではあります。しかし、運営全員がやりたい内容を把握して仕事の割り振りや新しい仕事を作っていくのが大事だと思います。
自分自身がより動けるようになるためには人材(手駒)が必要
自分の足りない技量については周りの人に助けてもらえるようにカードを集めないと、自分自身が死んでしまいます。
一度自分ひとりだけで運営がすべてまかなえるだろうと考え、2ヶ月間ワンオペをした時期がありました。しかし、全くと行っていいほど自分だけで行える内容は少なく、日々のタスクに追われるばっかりでイベントまで手が回らず、どうにかイベントを行ってもかなり小規模のものしか行えないという状況になりました。
そのため、より大きなイベントを行いたいなどの野望がある場合はそのやりたい内容を動かすためのカードを集めて、まとめ上げるのがとても大切です。
ドキュメント整理
運営をしていくときに、ドキュメントをまとめるのはとても大切です。ドキュメントがなければ過去どういった背景で活動を行ったのか、またなぜ活動をやめたのかを遡れなくなります。同じ過ちをもういちど行うのはとても非効率です。また、うまく行った例をまとめておくと、同じ道を歩むだけでイベントなどを成功させられます。そうすると、一人の優秀なリーダーが指揮を取らなくとも、今後の引き継ぎに生かされ、継続的な運営を行えるようになります。
シス研ではesaというサービスを用いてドキュメントを管理してきました。esaでなくてもNotion、Growiなど様々なサービスがあるため用途や予算などを加味して考えると良いと思います。
ただし、ユーザー管理を管理者が行わず個々にアカウントを管理するタイプのHackMDなどは、記事の管理が杜撰になるためあまりおすすめはしません。

サークルのメンバーのほしいこと、やりたいことを聞き出す
サークルに所属している人は、何かしらサークルに意図感じて参加をしている人が多いです。そのため、その意図を汲み取りすぐに実行をすると、満足感の高い運営を行得るようになります。リーダー自身で解決できるはその場で解決して、メンバーを集めたい場合はSlackなどでグループを作成させてグループ活動を行ってもらうなど、コミュニティーを使いこなすのも大事だと思います。やりたいことを全力で応援するサークルになればと思っています。
まとめ
この記事は、IT系の大学サークルでの運営の仕方や行ってきた秘策についてまとめてきました。コロナ禍明けからのサークル運営で少々動きにくいところがありなかなか活動ができない部分もありましたが、一つ一つ解決できるところからアプローチを行い、楽しく学べるサークルを作り上げました。
こういった一つ一つの対応をしていくことで、少しずつ過ごしやすいサークルを作り上げ、最初は60人規模のサークルだったところから230人規模のサークルに成長させることができました。
「学生生活のサポート・居場所づくりとコミュニケーションの活発化・技術向上と発信」この3つの柱はどの運営でもとても大切になる要素になると思いますので、ぜひ意識をしながら運営をしてみるとより盛り上がれる運営ができるようになると思います。
現状はシス研の運営からも退き、OBとしてシス研を見る機会が多くなってきました。その中で自分が作り上げてきた基盤がなくなっていくところもあるため少々さみしい気分になるときもあります。ですが、OBOGはガンになっては行けません。今の運営方針を受け入れ温かい目で見守るのが大切だと感じてきました。このあたりについては、こうるさいOBOGにならないようにする方法とはなんだろう🤔で記載をしましたので、ぜひ気になった方は読んでみてください。
良きサークルライフを送れるよう、ここに締めくくります。