はいー、こんにちは!
前回の天井効果の記事はこちらです。
先日、徳田先生がMCIDについての考えを投稿されてました。
MCIDって最近よく見かけるけど、ぶっちゃけ何なの?という方もいるかもしれません。
MCIDとは、Minimal Clinically Important Differenceの略で、臨床的に意義のある最小変化量を表します。
何かしらの介入をして、その介入前後で変化があったとしても、その変化が臨床的に意義のあるとは限りませんよね。
たとえば、TKA術後に関節可動域訓練を1ヶ月間行なった結果、その前後でFIMが改善したとします。
そのFIMの変化量が5点だとしたらどうでしょう?
たしかに改善したかもしれないけど、関節可動域訓練に魅力を感じるかというと???ですよね。
なので、それぞれのアウトカムでMCIDが設定されるようになってきたよって話です。
で、徳田先生はそのMCIDに着目しすぎてもね〜と考えを投稿されていたわけです。
そして、先日、KIZUKI限定垢こちらの論文をシェアしました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/33/2/33_235/_pdf
この論文のなかで、mFIMの除外基準に「20点以下、76点以上」とあります。
これ、どうやって設定されたんでしょうね。
いわゆる外れ値を除外する目的だったのかもしれません。
で、私たちの取り扱う尺度ってよくよく考えると上限・下限のあるものがとても多いんですよね。
これを天井効果と言っていいかどうかはわからないんですが、上限に近しくなると改善の幅って小さくなるものもあるじゃないですか?
たとえばTKA術後の屈曲角度って術中可動域が目標となるわけで、基本的には120度程度になるケースが多いかと思います。
術直後は45度〜60度程度しか屈曲できない症例も1週間もすれば90度以上屈曲できるようになります。
ですが、110度から120度までの改善って結構難渋しません??
そうなると、45度から10度改善させるアプローチにはそれほど臨床的な意義はないけど、110度から10度改善させるアプローチは結構臨床的な意義があるような気がします。
何が言いたいかというと、療法士が取り扱う尺度においてはMCIDの考え方はちょっと変わってくるんじゃないかって話です。
先ほど掲載した論文もそうですよね。
mFIM50点からであれば14.6点改善しないと意義があるとは言えないかもしれませんが、75点からであれば10点の改善でも意義があると言えるかもしれません。(知らんけど)
たぶんこういう視点がこれから重要になるんじゃないかなと考えている今日この頃でした。
ではでは、また〜