週2回、夕ご飯はレトルトと決めてしまった。ローリングストックである。
先日、千葉豪雨があった。2026年8月14日、千葉県域を襲った、本当に歴史的な、記録的な豪雨である。
豪雨、といえば100ミリの雨くらいから「猛烈な豪雨」と報道され、車両水没等の危険があるそうだ。
しかし今回の「千葉豪雨」、なんと1時間に700ミリの雨(!)だったとのことで、正に災害とクレジットされる状況である。
チーバ君の鼻の先っちょに住んでいるおれは、大変恐ろしい思いをしていた。結論として被害は被っていないのだが、人生で聞いたことのないレベルの雨音、普段から通る生活道路の水没が全国ニュースで流れるなど、災害のリアルをまざまざと思い知った次第である。
夜、すさまじい雨音の中、家族分の数日分の着替えや常備薬、印鑑などをまとめ、背負いやすいように家中のリュックを持ち出して分配した。
それもなかなか大変な作業で、本来体力を温存しておかなければいけない被災時の睡眠時間が圧迫されてしまった。これはいけない。
普段から災害の備えをしなければ、と痛感したのである。
話は少しそれるが、おれは障害福祉を学ぶ社会人学生だ。障害者×災害時の避難は重要な課題だと認識しており、災害のコミュニティ論やリスク管理などの科目も受講し学んでいる。おれ自身もADHDであり、関心は極めて高い。
災害論を異なる視点からいくつか学んだとき、それでも共通しているのは「日本が世界有数の災害大国である」という事実だ。
列島であるということはさまざまな理由で大地が隆起した地形である。火山もあるし地震も多い。また、島国で海に面する場所が圧倒的に多いので、津波や水害も可能性が高い。
他の国で暮らすより災害について覚悟を決めなければいけない。それが日本で暮らすことだと認識している。
千葉豪雨前から簡易トイレやアルファ米の備えなどはしていたおれだが、700ミリの雨を食らって「災害とともに暮らす」実感を得たわけなのだった。
というわけで、災害時の備えの第一段階として、まずはレトルト食品を週に2日の夕飯にすることに決めた。この家ではおれが料理の主担当であるし、パートナーともちゃんと話し合ってのことである。
週2は少し多い気がしたが、災害時に1週間持つ程度のストックのためにはローリング頻度を多くしないと、賞味期限切れのレトルトを食べる羽目になる。というのも、以前1ヶ月に一回程度のローリングストック消費を心がけていたがぼろぼろ忘れたからだ。ADHDをなめてはいけない。
また緊急時の食べ物と言っても、ふだんから食べておらず、緊急時に口に合わないとなったら目も当てられない。うちは下の子が発達障害由来の偏食のため、食べられるレトルトを探す意味でも日常的にお試ししていかなければいけない。
おれはさっそくレトルトを買いまくり、週2回の夕飯としてみた。
条件としては、「ほとんど在宅の4人家族」「大人2人、小学生2人、こどもたちが食べ盛りなので1食2合の白ご飯では少し足りない程度」「大人は好き嫌いなし、小学生1人が強めの偏食」「レトルトはカレー、牛丼、麻婆豆腐など、常温保管ができて湯煎で温めてごはんにかけるものを想定(災害時の白ごはんは長期保存のパックごはんやパスタを用意して、普段はごはんを炊く)」
以下、約3週間ほど、週2レトルト生活を回してみての感想である。
・経済コストとしては今までより若干かかる。ただ、今までメイン料理のコストを激安で押さえていた(激安スーパーにて胸肉、豚こま、卵など)ため、たまに贅沢して牛肉やいい魚を買った週と同じくらい、のような感覚である。
・栄養面に関しては、ふだんから野菜の副菜の作り置きをしているため問題なし。作る日はメイン料理と作り置き副菜、レトルトの日はレトルトと作り置き副菜で食卓に出している。災害時のビタミン補給としてはフルーツ缶やフリーズドライの野菜スープを置いており、特に野菜スープはおれの在宅時の小腹満たしとしても消費されている。今も飲んでる。
↓おれの作り置きの様子はこちら
・こどもたちは喜んでくれており、特に上の子はいろいろな味にチャレンジして楽しんでいる様子。下の子はなかなか口に合うものがないので模索中だが、いくつか食べられるものがあったのでそれを多めに用意し、他にもチャレンジしてもらう。
おおむね、運用には何の問題もない。
さらに想定していない良い効果もあった。
・週に2日、食事を作らないのはとても楽。おれの家は保護者二人ともフルタイムなので、在宅とは言え調理を休める日があるのはゆとりを感じた。
・こどもたちが自分たちでレンジを使って用意できるので、災害のみならず保護者ふたりがインフルでダウン・・・のようなシーンでも「緊急時」として食事がとれると思った。
・保護者二人が忙しく、該当日でない日にレトルトを利用した日があったが、今までならウーバーイーツなどに頼っていたものがレトルトになり、この点コストカットと言える。
・(これは調理のメイン担当の感想)自分で作ってない料理が食べられるのは、レトルトだとしてもかなり嬉しい。
以上から、プラス面の方が大きいと感じている。
問題点としておれが想定しているのは以下2点だ。
・地元のお店にお金が落とされない
・ゴミの問題
まず、今まで地元のスーパーで食材を買ったり、お総菜など買ったりしていたものが通販で済むようになってしまった。それは地域振興の観点からあまり良くないよな、と思うので、逆に「どうしようもない日のウーバー」が浮いたところで、地元のお店の美味しいものを意識して楽しみたい。
そしてゴミの件は思うところはある。今まで大パックの挽き肉や胸肉を買ってきていたものが、一人一人のカレーやパスタソースになったことであきらかにゴミは増えた。
しかしこれは災害大国・日本に(特に障害のある人が)住まうコストであるとも感じている。
うちの下の子は偏食だが、これはわがままで食べられないのではなく、発達障害由来の味覚、嗅覚過敏である。例えば災害時に配布された食べ物が食べられない可能性は十分にある。
また、アレルギーが多い人、嚥下障害のある人、糖尿病など食事制限のある人など、緊急時とは言え「一般的な食べ物で我慢してください」とはいかない人がいる。
ゴミの件はリスクと引き替えかなと思うし、どちらかといえばレトルトの袋を再生するシステムなどが求めたいかなと思う。
おれは福祉を学ぶ者であって、本来は自己責任で災害対策・・・つまり自助をあまりに強調するのは違憲であると認識している。個人と社会はつながりあって相互に助け合うものだ。
しかしながら現実問題、味覚過敏の子を抱え、たまたま避難所で出された食べものが全く喉を通らなかったら・・・というリスクを是正するには時間がかかるし、災害はいつ起こるかわからない。
何でも食べられる若い独り身の人にまで災害対策を万全にせよとはあまり思っていない。人間、身ひとつであればわりとやれることは多い。
しかし自分にリスクがあると思う時、災害とともに暮らす程度もまた変わってくるのではないかと思った。
※最後に、今回のローーーーーーリングストックという記事タイトル、これはアメトーーク、、、雨トーークみたいな気持ちでおり、今回のローリングストックが千葉豪雨がきっかけだったからという理由で書いている。100%誰にも気づかれないと思ったのでアピールはしておく。