第12回目。主にSteamのデスクトップコンパニオン型放置ゲームを、タイトルごとに紹介していきます。今回はジャンルの話が中心。
デスクトップコンパニオン型放置ゲームとは、デスクトップ上の片隅にオーバーレイ表示され、作業中の画面に彩りと癒しを与えてくれるタイプのゲームとして定義する。作業補助ツールとしての要素(ToDoリストやポモドーロタイマー)の有無は問わないものとする。つまり「画面の同居人」的立ち位置のゲームのこと。
今回最初に紹介するタイトルは「Bongo Cat」。基本無料、アイテム課金制。日本語対応。
どんなゲーム?
Bongo Catなんてもはや界隈では言わずと知れたタイトルでしょう。ということで、ゲーム単品の紹介ではなく、いわゆる「Bongo Cat系」と呼ばれるジャンルの紹介をしていく。

Bongo Catは有名ネットミームを元ネタにした、クリック&タイピングカウンター+コレクションゲーム。プレイヤーの入力動作に合わせてBongo Catがタスクバーを叩き、カウントが増えていく。カウントを消費して、30分に1回宝箱を開け、帽子や着せ替えを獲得できる。好きな見た目に飾って愛でたり、図鑑コンプリートを目指していくのが主な目的。
このBongo Cat、基本無料であることも後押しして、非常に人気がある。リリース直後にブームが到来して以降、同接プレイヤー数で10万を下回る日がほぼないレベル。ランキングでも常連のタイトルとなっている。そんな感じなので、当然Bongo Catにインスパイアされた、いわゆるフォロワー作品も非常に多い。
一体なにをもってBongo Catフォロワーと見なすかは人にもよるところだが、わたしの場合以下のように定義している。すべてではなくとも大半を満たしていれば、わたしはBongo Cat系と認識している。
一定時間毎に報酬がランダムにもらえる
画面の占有面積が非常に小さい(マスコットサイズ)
PC上での入力動作に伴うアニメーションやゲーム進行要素
ユーザー同士でアイテムをRMT可能(Steamマーケット対応)
複数のアイテムを合成して一段階上のレアリティに交換できる
能動的なゲーム性は皆無に近いが放置できない
マルチプレイ対応
特に報酬システム、ミニマルさ、入力検知、マーケット対応の4要素はBongo Cat発の特徴として大きいため、さまざまなフォロワー作品が真似ている部分になる。最近はマルチプレイも非常に多い。それらをすべて揃えたうえで、独自のゲーム性を加えたタイトルもある。そういった意欲的なタイトルは好きでよく遊んでいるので、この際にまとめて紹介しよう、というのが今回の記事の主旨になります。
いろいろなBongo Cat系タイトル
ここからは、これまでわたしが触れてきたBongo Cat系タイトルについてひとつずつ紹介していく。過去の記事で紹介したタイトルも含まれます。大目に見てください。
Tap Tap Loot

Bongo Catと同じパブリッシャーから発売中のカジュアルRPG。定価850円。リリース時にはBongo Catとのコラボがあったりと、フォロワー作品やライバルというよりは姉妹作といった位置付けとなっている。
タスクバー上や画面の好きなところに展開できる横スクロール画面で、数種類のバイオームを繰り返し冒険していく。1入力ごとに1行動が進むRPGとなっており、作業と連動してどんどん進み敵を倒し、新たな装備品やスキンを得たり、お金を稼いでレベルアップして、その繰り返しで進むほど強くなる敵に挑んでいく。
報酬システムは入力に応じた独特なものになっているものの、画面は非常に小さくもできるし、マーケットにも対応している。マーケットの対応アイテムはスキンのみとなっており、 Pay to Winにはならないが活気も控えめ。季節イベント限定のスキンもある。
レアな装備はどれもユニークなスキルをもっており、シナジーを考えビルドを組む楽しみがある。気軽に手に入るスキンで好きな見た目に変えられるため、頭を悩ませる必要もない。他人と協力することはあっても競う要素はないため、好きなスタイルで遊べる。わたしは回避ゾンビスタイルを愛用中。
マルチプレイは先述の通り協力コンテンツとなっており、他のプレイヤーが入力することでスキルのサポートを受けられる。ロビーは最大4人。方向性にちょっとモンハンぽさを感じる。
入力しないと進まないため放置は(ツールを使わない限り)できないが、作業のオトモとしては程良い負荷のタイトルとなっている。完成度やBongo Catとの差別化も流石といったところ。もっとゲーム寄りなBongo Catがしたい人向け。
Meow My Crop!

自分好みにカスタマイズした猫と作物を育てるゲーム。基本無料、課金要素はサントラ等のDLCとマーケットのみ。
作物は放置でも育つし自動で収穫までされるが、入力と連動して猫が畑に肥料を撒き、作物の成長が加速していく仕様になっている。収穫した作物を猫缶と交換し、新しいコスチュームを獲得できる。レアなアイテムはなかなか手に入らないが、低レア品を5個集めて上位品を合成したり、マーケットで売買できる。
放置できる畑以外にも、手書き感ある柔らかいイラスト、マウスへの視線追従、BGMや環境音などがBongo Catとの差別化要素になっている。しかし何よりも目を引く差別化要素は、マルチプレイにある。Bongo Cat同様にロビーに入り、他プレイヤーの猫を一緒に並べて作業できるわけだが、なんと他プレイヤーの畑から作物を盗むことができる。実ってから自動収穫されるまでにはしばらく時間がかかるため、賑わっているロビーで放置していると大抵その間にごっそり持っていかれる。最低一個だけは盗まれないよう常に保護されるので無駄にはならないが、なんというか、やはり殺伐とする。
ロビーを作るときに盗み禁止にすることもできるが、盗めるロビーでは成長加速バフがかかるため、やっぱり盗み合う方が効率的になりがち。同じ人からは一度の収穫で一個までしか盗めないため、より多くの人が集まっているロビーのほうがたくさん盗めてお得ということである。もちろん盗み合いへの参加は強制ではない。ソロでのんびり集めるのもいいし、コーデを見せ合って一緒に作業するだけのロビーにいてもいいので、平和にプレイしたい人も安心である。
ちなみに獲得できるコスチュームがなかなか多く、猫の柄、顔、帽子、服、椅子、そして入力ごとに投下される肥料までカスタマイズできる。パロディもののパーツもいくつかある。仁義なき泥棒バトルの勝者となり、かわいい猫ちゃんを見せびらかそう。
NoSlack Pets:ローファイにゃん

3D版Bongo Cat+お部屋カスタムと作業支援ツールとミニゲームの詰め合わせセット的なゲーム。定価700円。詳細は過去の紹介記事を参照してほしい。
簡単に言うと1行目および過去記事の通りなゲームなのだが、改めて明言しておきたい重要なBongo Catとの差別化ポイントがある。入力検知によるカウンターが備わっておりいかにもBongo Catインスパイアを感じる本作だが、このカウントを消費してアイテムを得るわけではなく、カウンターはただのカウンターである。つまり入力は必須ではないし、進行を早めもしない。のんびりとした動画観賞などのオトモにしても効率は落ちない。人によっては結構大事なところではなかろうか。
最近の傾向として、アプデ頻度が控えめになるという宣言がされた。開発が一段落し、チームは新規タイトルの開発に移行したそうだ。バグ修正などは行われるとのことだが、新たなアイテムやコンテンツの追加はあまり期待できなくなってしまった。とはいえ、家のデコレーションはワークショップにも対応しているため、その気になれば延々と遊べるタイトルにはなっている。
ここだけの話、地味にマーケットでレア品が売れる。わたしが遊んでいるBongo Cat系ゲームの中で一番稼いでいるのはNoSlack Petsだ。個人的に低レアの帽子のほうがかわいくて、図鑑コンプになかなか乗り気になれないため、Aランク以上はわりとすぐ手放してしまうのもある。効率重視だと他プレイヤーのMiinoの姿は滅多に見ないし、いいものを見せびらかしたいという気持ちも薄くなりがち。
でもアバターとして一番愛でているのもNoSlack Petsだったりする。自分で考えたランダム台詞をつけられるのがやっぱいいね。愛着が湧くし、定期的に思い出したいことをメモしたりなど実用性もある。そういえば、最近はMiinoの柄を自分で描くこともできるようになりました。理想的な見た目にするには途方もない労力が要りそうだけど、エンドコンテンツにしてもいいかもしれない。
Crusaders Quest : Mini

やっと猫じゃないのがきた。スマホ向けソーシャルゲーム「クルセイダークエスト」のスピンオフ作品。基本無料。クルクエの勇者たちが入力検知でモンスターと自動戦闘するミニゲーム。
最大の違いはグラフィック……と言うくらいにはBongo Catに近いのだが、最大の違いといったら成長要素だろうか。カウントと引き換えに定期的に得られるアイテムには、原作クルクエにも存在したアイテムの「パン」が含まれており、これによって勇者に経験値が入る。ゲージが満タンになると★が増え、勇者が進化し見た目が豪華になる。ソシャゲ要素を引き継いだ結果といえる。
勇者が育つと総合パワーが加算され、モンスターを倒しやすくなるようだ。いろんな見た目を集めたり、チームを強くしていくなら満遍なく育てることになる。勇者以外にもコスチュームがドロップすることがあり、勇者本体と組み合わせることで原作におけるイベントコスチューム的なものが得られる。コスチュームだけ持ってても使えないのがかなしい。
コスチュームと勇者本体はマーケットで取引可能(活気はないに等しいが出品自体はある)。手に入れた勇者は、図鑑でイラストを閲覧できる。原作ゲームのBGMが収録されたプレイヤーもついているので、クルクエのファンなら楽しめると思う。
Bit Buddy

なんだか様子のおかしい落書きテイストの、様々な種類の動物(たぶん)がいるBongo Cat。定価235円、無料デモあり(引き継ぎ可)。かわいい……かなあ……?味がある、としておく。
多種多様な動物をモチーフにした個性的なスキンが、キーボードをバシバシ叩く以外にもマウスをすいすい動かしたり、マイク入力に反応して喋ったりする。そこまでできるともはやデスクトップコンパニオンというか、配信なんかでバーチャル実体の代わりに使えそう。動きもスキンによってなかなか個性があり、ちゃんと手を伸ばしているやつもいれば、尻尾とか小物とかなんか違うもので操作するやつもある。ちゃんと猫もいる。
そして何気にすごいのが、ワークショップに対応している点。マウスやキーボード、机、帽子といった小物だけでなく、スキンも好きなものを取り入れたり自作したりできる。ますます配信とかに使えそうな気配がしてくる。その代償にか、マーケットには対応していない。金で解決できない代わりに、欲しいアイテムが出やすくなる救済措置がある。むしろ楽まであるかも。
そして報酬システムもより易しくなっており、入力などをしていれば宝箱をクリックするなどの追加操作不要で、アイテムを自動取得することができる。具体的な条件はよくわからないが、完全放置していてもいくつか手に入っているっぽいので、操作が必須というわけでもないのかもしれない。
マルチプレイもできるし、なにより随分気楽な設計。豊富なカスタマイズ性といい、ゲーム性はなくともずっと付き合えるデスクトップコンパニオンといった印象がある。
まとめるとわかりやすいが、圧倒的に猫が多い。これはわたしが猫好きで、ついつい偏ってしまうという実情もあるだろう。しかし、もっとも切実な理由としては、猫以外はガワだけ変えたコピー品が多くて話にならないというのがある。同じ猫という土俵でBongo Catと戦おうとしているタイトルは、ちゃんと評価できる作りになっているものが多い。実際、同時起動して並べておくととてもかわいいし、それぞれに楽しめる。
全体の傾向として、ゲーム性を捨てた代わりに、見た目の多様性に全振りしているタイトルが多い。かわいいアバターがあれば作業仲間に見せびらかしたくなる、ということでマルチプレイに対応しがちなのだろう。基本無料タイトルがやや多いのは、マーケットの手数料で儲けられるからだろうか。TBH(タスクバーヒーロー)系と違って、見た目へのこだわりやコンプ欲から取引を促す構造のため、マーケット市場は盛り上がりには欠けるが穏やかな傾向にある。
同じBongo Cat系といえど、なかなかの個性派が揃っている。自分に合ったデスクトップマスコットを相棒にするもよし、多頭飼いして並べておくもよし。いずれにせよ、ながらゲーとしてはかなり踏み込みやすいジャンルになっているため、画面の彩りにそっと添えてみてはいかがだろうか。
総評(ジャンル総合)
【デザイン面】
かわいい・個性的な見た目が多い
小さくて画面の片隅に置きやすい
ワークショップ等で無限大の拡張性があるタイトルも
【ゲーム性】
いずれもないに等しい
作業そのものが報酬に変換されることが多い
運と継続がすべてを左右しがち
【こんな人向け】
作業に連動した小さな癒やしが欲しい人
なにかのついでに報酬を集めたい人
図鑑コンプに躍起にならない自信がある人