裁判員候補になった話(3)-裁判員選任の日-

isakipon
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そんなわけで裁判員のくじを引く日です。引く日といっても自分で引くのではなく、裁判所のパソコンがくじでランダムに選びます。

14時までに公共の交通機関を使って地方裁判所に来るように、とあるので電車などで向かいます。空港の保安検査場のような検査を抜けると、裁判所の候補者待合室というところに案内されました。50人くらい呼ばれてるようですが、欠席がちらほら見えて40人くらいしかいません。当日無断で欠席をすると、10万円以下の過料を払うことになるらしいのですが、実際払った人は今のところも一人もいないようです。

約40人の中から6人の裁判員と3人の補充裁判員の合計9人を選びます。なかなかに確率が高い。補充裁判員は、6人の裁判員が都合により裁判に出られなくなった時に補充される要員で、裁判にすべて出席するものの意見を発することは出来ず、ちょっとつらそうな立場です。

案内された机の上にはバインダーがあり、説明があってから中の書類に記入してください、と注意を受けます。事前に書類を読むのは大丈夫そうなので、当日用質問票(最終的な意思を確認するための質問票)をめくると、質問票の裏面には今回の裁判の被告人の名前と年齢がありました。

やはり事前に予想していた殺人事件の裁判でした。ニュースでも大きく報道された事件です。そりゃ101号法廷使うわ…と思いました。

そして被告人と自分の家族の年齢が近いので、思わずスマホで被告人の名前を調べて家族と同じ高校を卒業してるかどうか調べてしまいました。とりあえず全然違う高校である=身近な人物ではないことを確認。念のため。

そんなわけで14時から裁判員選任が始まります。その間メモは禁止、撮影、録音も禁止です。

裁判員には裁判1日につき最高1万50円の日当があり、今回の選任手続き参加だけでも4000円ちょっとのお手当が出ること、事前説明票に記入した口座に振り込まれる旨の説明がありました。

今回の裁判の裁判長のあいさつがあり、他2名の裁判官、書記官、検察官3人、弁護人2人(弁護人1名欠席)などが横一列に候補者の前に並びます。裁判前に法廷で争う人たちがこんな風に一堂に会するんだ…と少し驚きました。

並んだ様子を見ると、左端の似た雰囲気の男性3人が検察官、右端の個性的な感じの人達が弁護人なのだなと予想したらその通りでした(いや、バッジ見ればわかるだろう)。今回の裁判官3人のうち2人は女性で、ニュースを見ていると裁判官、書記官の女性が増えてきたなあという感じです。裁判官全員と書記官全員が女性という写真もニュースもこの前見たし。ただ、今回は裁判官書記官以外の検察官、弁護人は全員男性でした(裁判官の男女比率は地方裁判所の刑事〇部の人事配置の結果で、恣意的に構成されたわけではなく、裁判官書記官の分母に女性が増えた結果だと思う)。

裁判長から、「今回は殺人事件です。ご遺体の写真は出ませんが、今回は別にけが人がおり、けがをした体の写真と凶器の写真は見てもらうことになります。もしダメそうだと思ったら、手元の当日質問票に遠慮なく書いてください」との説明がありました。

裁判所としても「やっぱり私ダメです。耐えられません」と後から言われるよりも、予め欠けることなく裁判に出る自信のある人がよいようです。

当日質問票に記入した後、個別質問手続の時間になります。事前質問票と当日質問票に書かれた内容を判断して、確認を必要とされた場合は個別に別室に呼ばれ質問をされます。

私は当日質問票に問題なく参加できる旨記載をしたのですが、事前質問票に持病と定期検査のことを書いたからか、別室に呼ばれてしまいました。尚、当日はフルネームで呼ばれることはなく、番号で呼ばれます。

裁判官、書記官、弁護人、検察官がコの字型でずらっと並んでる部屋に呼ばれ、「〇番さん。事前質問票に病院で検査を定期的に受けているとありますが、裁判への出席は大丈夫ですか」と質問されます。

「大丈夫です」とほぼ形式的に確認する感じで終了。

数人の個別質問が終わったあとはいよいよ、選任タイムです。

今回は、くじの前の選考にちょっと時間がかかってるなあと感じました。少し待たされたので。

そしていよいよホワイトボードの裏側に、裁判員に選ばれた人の番号が貼られ、それをくるっとひっくり返す形で発表となります(手作業ではなくモニタで発表する裁判所もあるらしい)。

私の番号はそこにありませんでした。番号が掲示された人は、荷物を持って別室へ。選ばれなかった人はアンケートを書いて投函して、裁判所来庁証明をもらって終了となりました。

その時点で15時半くらいでした。開始から1時間半経過していました。

@isakipon
その辺の主婦