今回はキャラについて。名前の解釈もちょっとしときます。の前に前回書き忘れたことをちょっとだけ。
『マネサイト』の舞台は豪華客船、つまり海上になるのですが。海との縁が薄い私は初回プレイ時に本気で怯えて「森に、せめて陸地に帰らせて」と半泣きになっていました。悪魔の城は全然平気だったどころか「これはこれでありなのでは?」とか思ったのにな。まぁ童話の世界においても「ヒロインはわりと受け入れ態勢で、脱出しなきゃという意思は男の声(地の文)によって付与される」とか指摘されてるしあっちは仕方ない。
そんなわけで始めますが、アミル好きは回れ右してください。読んでも苦情は受け付けません。
■ 畑中 十萌(主人公)

幼少期は引っ込み思案だったらしいけど今はすごいアグレッシブだし、ド平凡に生きてきたにしては闇適性がありすぎるし、想定しうる生活や興味の方向性からしてゲームの配信動画にハマる理由がよくわからず、最後まで掴みどころのない子だったかなぁ。
前回の記事で書いたとおりタクラムプロジェクトの名刺作品の主人公としてはこういう形になるのはわかるんですけど、そちらの役割に引きずられすぎてキャラクター性が犠牲になっちゃったような、残念な印象ではありました。でも私の読み込みの甘さとか相性の悪さってだけな気もする。
「札束で殴らせてください」という台詞は大好きです。
名前の意味は恐らく「畑の中の数多の芽」。日本神話において一般庶民が青人草と呼ばれること、また「畑」が国字であることから、この国のすべてのプレイヤーの象徴。広く豊かな土地とあたたかな日差しですくすく育つ。「畑」は野菜や穀類などを作る農耕地。水田に対して、水を入れない耕地をいう。水はいりません。(強調)後述するとおり預言者が来るなら、十は十戒の意味もあるか?
■ 黄 浩然
黒髪短髪ドライクール知性男で初手は主人公に冷たいという前情報がもう好きでしたが十萌ちゃんとの関係性も好みで一番好きでしたありがとうございます。淡々としながらめちゃめちゃ情熱家なのとても良いですね。素直に性癖です。
ツン男は好きですけどそれでも取り付く島がなさすぎて心が折れかけました。十萌ちゃんよくめげずにがんばったなぁ。でもそもそもの好感度が高い分、優しいしちょろいとこあるよね。アイスココアを差し出されたときは宗教上の理由により椅子から転げ落ちる思いでした。
「黄」は皇帝の色。日本では黄櫨染は天皇、黄丹は皇太子の禁色。たしかどちらも太陽の象徴だった記憶。「浩然」は二字熟語あり。「水の流れや心などが広くゆったりしているさま」。
本名の字義でなく日本語での意味を踏まえての命名なので、彼の本質はまったく失われていないというのが、なんかいいなぁとしみじみしました。ご養父がやってることは相当ですが、彼なりに大切にはしていたんじゃないかと考えてます。血縁重視の文化だし、実の親への願いを込めただろう名は重んじてくれたんじゃないかな~。
どうでも良いんですけど「黄 浩然」という名、私の名前とほぼ同義なので(字も音もかすりもしない)ちょっと親近感が湧くという意味でも黄さん好きでした。
■ アミル・サイード
先に謝っておく、ごめんなさい。
き、嫌いだなこいつーーーーーーーーーーーーーーー!!!! 権力の暴力性にあまりに無頓着。愛に酔って優越に浸って他者への配慮がないどころか周りをまったく見ていない、見ようともしない。無思慮な言動で国が割れ戦禍が犠牲が生まれているのに自分は聖人面して他者を責めている。いやお前のせいだよ!! すげー甘やかされて権力だけ持っちゃった末っ子そのままって感じでした。こんな人のところに異国の何の後ろ盾もない娘が嫁いだら戦乱待ったなしでしょうが十萌ちゃん思いとどまってくれ頼む。
一番頭に来たのがそれで他人の兄弟の関係まで悪化させてるところですよ……お前の国がどうなろうとお前の自己責任だけど、お互い情を抱えている兄弟まで引き裂くんじゃない。
グラナダがどれだけ、どれだけ考えて、みんなを見て、言葉を選んで、耐えて、頑張って、国を守って父と弟を守ってすべての責をその身に負ったと思ってるの……とわんわん泣いてしまったのでその点ではアミルという存在は私にとって意義がありました。息をするようにスイクラの話をねじ込んでくるのは筆者の習性なので諦めてください。
あとは容姿等から想定される文化とレディーファースト等言動から想定される文化が噛み合わなくてとっつきにくかったです。前者の文化ろくすっぽ知らないから何ですが。
「アミル」は軍団の指揮官、独立政権の長を意味する名前。もしくは君主号の一つ。「サイード」は幸せな、幸福な、嬉しいを意味する名前。
■ ジェレミア・ジェンキンス
別ジャンルで信頼が置けるキャラとよく似た容貌と、やはり別ジャンルで信頼が置けるキャラと同じ声帯なのでいい人だろうと勝手に思い込んでたらまじでいい人だった。特典CDの黄さんとの会話、いい人すぎて目眩がした。
とにかく自分の作るものとファンに真摯。契約関係を結ぶ十萌ちゃんにいきなりすべてを打ち明けるところも大変誠実で良い。何の衒いもなく好き。いやあ気持ちが良い。
「ジェレミア」はエレミアのイタリア語。預言者。楽観的な預言が流行る中で災いや異教信仰への戒め、侵略者の正統性などを預言して迫害される。「正しいものが苦しみ、不正を行うものが繁栄する社会の現実に苦悩し、神にその苦しみを訴えている。」
「ジェンキンス」はウェールズ系、アフリカ系に多い英語圏の姓。意味は「ジョンの子」。ジョンはヨハネ。福音書、手紙、黙示録の著者、また「イエスの愛しておられた弟子」とされる。
聖人か? 知ってた。ジェレミア聖人レベルにいい人。
■ 加々美 楓真
お兄ちゃん大好きな弟キャラだいすき。めちゃめちゃ頭が良くていまいち周りに溶け込めない子も好き。ゲーム好きとして親近感が湧くし、とても共感のできる話で涙ぐんだりもしました。お兄ちゃんが大井川護(月影の鎖)っぽくてほっこりした。仲良くやっていってほしいなぁ!
名前は彼だけよくわからず。鏡は日の光を反射する神器。楓はジェレミアの母国の象徴。真の神はアミルの背景にあるだろう仮想文化圏が信仰する神。また、それと何かと対立している文化圏が信仰する宗教では真の預言者を重視している。3人の根幹にあるものを象徴するのが加々美楓真?
■ 田中さん
清々しくクソ野郎だな!! とLikeを高め札束で殴ったら満足してしまって本人のルートが全然楽しめなかったというか突然のアウトリガーティアラに度肝を抜かれた記憶しかないですすいません。たぶん根本的に恋愛(というか攻略)対象としては趣味じゃなかったんだろうな。
泥酔社畜の愚痴大会は楽しかったです。
■ フォックス2号
「このキツネ邪悪だよォ!!」とずっと言ってた記憶しかない。人外でぬいぐるみで声がかわいいと許せる法則。特典CDの田中さんと2号くんの会話ゲラゲラ笑いました。