色の効果

kohana
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公開:2026/2/21

ファッションにはあまり興味がないし、ブランドにもたいして詳しくない。化粧にも特にお金をかけない方だ。

しかし、世間は女性ならみなこうしたものを好むと思い込んでいる。これこそジェンダーの押しつけではないかと思うのだが、あまりそうした声は聞かない。ほとんどの女性は服とかブランドとが化粧が好きだからだ。それが社会による刷り込みだとしても好きなんだから仕方がないし、決めつけと言われるのは嫌なのである。

自分は嫌いというほどではないが、冒頭に書いたように興味がないため、女子向けの広告や雑談やおすすめの話題は、鬱陶しいなあとか面倒だなと思いながら流している。しかし、流していても情報は耳に入ってしまう。稀には気になるものもある。たとえばすでに定借して最近は廃れかけているふうもあるパーソナルカラー診断というものだ。

風邪で寝込んでいたとき、このテストを興味本位でやってみた。二択の質問から自分に合う解答を選ぶのだが、中には答えようのないものもあった。この診断は自分に似合う色を知るためのものなのに、「あなたに似合う口紅の色は?」と訊かれるのは「インターネットに綱がならないときは弊社のサイトをご覧ください」と同じ理不尽さを感じる。しかし自分は過去、オレンジ系の口紅と小さめの丸眼鏡だけは壊滅的に似合わないと気づいていた。

それからしばらくの間、いくつかのパーソナルカラー診断を試した。結果はすべてがブルーベース、そして夏よりは冬の結果が多かった。

なんとなく納得した。昔から好みは置いて、まさにこのタイプの色が似合うような気がしていたからだ。特にトップスは黒がいい。でも実はそれが気に入らなかった。はっきりした色が自分の性格に合わないような気がしていたのだ。いや、正直に書くと自分の性格ではなく、自分が周りにそう思ってもらいたい性格である。それまで自分が好んできたのは淡いふわっとした色の服だった。繊細ではかなげな女子だと周りに思ってもらいたかったのだ。今の私に云わせれば噴飯物だが。

それからちょっとしたトラブルをきっかけに内面に変化があり、コロナ1年目の終わり頃から服の好みが変わった。所謂ブルベ冬のものをよく着るようになった。インテリアや選ぶ雑貨や文具も変わった。以前好きだと思っていた曲はほとんど聴かなくなった。そして生きるのが楽になった。

誰でもパーソナルカラーを着れば楽になれるわけではない。自分の場合は、パーソナルカラーが長く押し殺していた本来の性格を引っ張り出す手助けをしてくれたのだと思う。

不思議なのは「はっきりした色は嫌い」といいながら、ボルドーのフレアスカートや藍色の巻きスカートを長く着続けていたことだ。どこかで自分に似合う色をわかっていたのかもしれないし、本来の性格がそうした色を求めていたのかもしれない。

2026/02/21

Kohana

@kohana
エッセイとAuto fiction。 自分の言葉を取り戻すリハビリのために書いています。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。