ブラウザと検索エンジンと生成AI

Kuropen
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公開:2025/8/31

AIに関する話は最近対立を招きやすいイシューではあるのだが、表題にあるポイントについて個人的な意見を書いておきたい。

ブラウザのAIの統合はどこまで許されるのか

Vivaldiブラウザの開発陣が、Vivaldiブラウザは(Microsoft EdgeがCopilotを組み込んだような)生成AIの統合は行わないという方針を表明した。

確かに個人的には、ブラウザというのはWebサイトを閲覧するために使うアプリで、スマートデバイスにおいては生成AIツールとは別個のアプリとして存在し、PCにおいては生成AIツールを一つのWebページとして実行できるという状態なのであって、それが「AIファースト」になるのは違うと思う。

例外としては、そのWebページが長文である場合にその概要を示したり、そのページの内容に対する質問をできるような、いわばNotebookLMをインスタントに実行できるようなものであれば、ブラウザがAIと統合されるのはありだと思っている。ArcブラウザのAI機能などはまさにその発想だったと思う。このブラウザが、エージェント型AIブラウザ(Dia)と引き換えに開発中止となったのは残念至極である。

検索結果のAI要約機能の是非

GoogleやBing, DuckDuckGoなど主要な検索エンジンがいまや検索結果をAIで要約する機能を備えている。この要約機能のためにトラフィックが減少したというようなWeb関係者からの抗議も聞かれるが、一方で内容や見せ方が悪質な広告がザラにあり、その自衛のために広告ブロックを有効にして閲覧すれば無効化を要求してくるサイトも増えた現在、多数のWebサイトを斜め読みすることは時間的なコストのみならずリスクもつきまとうので、Web上で示された意見の傾向を確認できるAI要約機能は閲覧する側としてはありがたいと思う。

一方でAI要約機能とて、生成AIの出力なのだから妄信してはならない。なので気になるポイントが出てきたら、AI要約機能は出典を示してくれているので必ず原典にあたることを心がけている。

@kuropen
一人旅とガジェットが好きなWebエンジニア。 SNSへのリンクはこちらから: kuropen.org