久々の更新。今週読んだもの・見たもの・聞いたものからおもしろかったコンテンツをめも兼ねて紹介。美術、音楽も追加。
中川李枝子 "本・子ども・絵本"
久しぶりに感動する本だった。詳細はエッセイ参照。じぶんの大好きなものを書くとこんなに愛のある文章になるんだと感じた。心が綺麗な方なんだろうな。
石井桃子 "新しいおとな"
児童文学作家・翻訳家の石井桃子さんのエッセイ。敬愛する高畑勲・宮崎駿両氏が以前対談で「石井桃子さんの作品に私たちは育てられた（意訳）」とおっしゃっていたことから、ずっと気になっている方だった。中川さんの本にも「憧れの石井桃子さん」との記載があり、これは読まねばならぬとKindleで読めるエッセイを手に取った。
石井さんは「くまのプーさん」「ピーターラビット」など著名な児童文学の翻訳のほか、岩波少年文庫の設立にも携わった。まさに児童文学の母ともいえる方だが、すごいのは翻訳や編集にとどまらず、自分で制作もしていたこと。また自宅の一室を児童書の家庭文庫として開放し、子どもたちを招き入れ、作品がどのような受け止められているかを実践していたこと。俯瞰的な視点を持ちながらも、評論にとどまらず自分でもつくり、直接フィードバックを受け取れる場所まで作るというまさに（わたしにとって）理想の創作の形をとっている。
エッセイは過去40年分の寄せ集めなので若干編集のちぐはぐも見られたが、文章は明晰でとても読みやすく、時を経ても色褪せない話に出会えた。特に刺さったのは、以下の文章。中川さんも石井さんも「観察」の大切さを説いている。今後も観察力を磨いていきたいな。
子どもの心を知る最善の道は、「自分の幼児の記憶を手がかりにすることと、想像力を働かせることと、いま身辺にある子どもを観察することだ」
Musée Marmottan Monet（マルモッタン・モネ美術館）：Berthe Morisot et l'art du XVIIIe siècle / Claude Monet Permanent Collection
初めて訪問。地下のモネの常設作品がとても良かった。オランジュリーとはまた違った形で、いろいろなテイストのモネ作品が見れた。一番有名な「日の出」は一際目立つように展示されていたけれど、わたしが一番心を打たれたのは薄ピンクの朝焼けを描いた作品と、薔薇の花の作品。ベルトモリゾーの展示はあまりゆっくり見れなかったのだが、子どもを描いている作品が特に心に残った。1時間前後で見終われる、ちょうど良いサイズの美術館だった。
Musée du Picasso（ピカソ美術館）：La Collection. Œuvres choisies & Dans l’appartement de Léonce Rosenberg. De Chirico, Ernst, Léger, Picabia...
2年ぶり？の訪問。ピカソのコレクション展とほか作家の展示の2本立て。最上階は次の展示準備中で割引で入れた。正直ピカソはそこまで好みではなく、特に最近の#metoo的な動きからも少し苦手に思っていた。。が、それは頭でこの作家を見ていたんだな、と作品に直面してガーンと衝撃を受けた。やっぱりピカソは天才だな、なんでこの視点でものごとが見えるんだろう？その視点のまま絵に落とせるんだろう？とワクワクして作品を見れた。コレクション展はこじんまりしていたが、ピカソのスタイルの変化をこれでもかというほど見せてくれて幅広さにも驚いたし、70-80代になっても現役で描き続けスタイルを変化させているその姿勢にも心が動いた。ほか作家展示は、アパートに見立てた建築の中で著名な近現代作家の作品があってこちらも見応えあった。部屋の最後に見れたFernand Legerの"Quatre Saison (四季)"がいちばん印象に残った作品でしばらく見ていた。ピカソ美術館でレジェやアーンストに会えるとは！期待してなかったので嬉しかった。
ONE PACT "Moment"
K-POP。ボイプラの推し・ジョンウがいるバイアスもあるかもしれないが、アルバム全体が作品として優れていた。大体K-POPアルバムは1回聞いて終わる、もしくは収録曲が微妙で全部フルで聴き通せないことが多いが、このアルバムは10回以上聴いている。それでも飽きない楽曲の厚み。驚いたのはラッパーのTAGくんが全曲プロデュースに入ってること。歌うまのジェイ、ダンスうまのジョンウ、ラッパー神のテグがいるとか実力は申し分ない、いわゆる自作ドル（今度これについてもエッセイ書く予定）。しかも全員再デビュー組。客観的に見て華やかさには欠けるので爆発的に売れることはないだろうけど、音楽性の良さで地味に生き延びていってほしいグループ。2ndアルバムも楽しみだな。
やっぱ美術作品は写真紹介したいから、インスタやろうかな。。悩みどころ。。