前回こんなことを書いたのだが、この物語を終わらせることに昨日成功した。書ききった、という表記ではないのは、まだ番外編書くかもしれないし……というのと、書くまでどう終わるかわからなかったからチャレンジに「成功した」っていう気分だからですね。かなり行き当たりばったりだったけれどもどうにか初期衝動を切らせずに終わることができたと思う。
魔法みたいなマジックを使う奇術師と、彼の作ったアシスタントの人形がいろいろな街を旅していく、おとぎ話みたいな雰囲気のはなし。幻影遣いや人形師や魔法使いも出てくる。わりとなんでもあり。
ちなみにまとめはここ。10話+断章2話。だいたい5万字弱。→だったけど新規エピソードと加筆で12万字弱になりました
ここから先は読んだひと向け。特に7話以降のネタバレが含まれます。
7話ラストの展開をやるかやらないかだと、やろうかなとは最初から思っていた。というか奇術師と人形シリーズの企画を立てたのがこれをやりたいからだった。でも企画時点ではなんらかのバッドエンドにしたかったらしいです。今となってはどういうエンディングをやりたかったのかまったくわかりませんが……だって1話を愚直に読んだら「永遠」をやるしかないってわかるじゃないですか(他人事みたいに言うね)実は3話の時点で7話ラストをやる予定だったんですが7話まで引っ張ってよかったと思います。いろんなキャラクターを出せたし!
「互いを補修しながら永遠を生きる2体の人形」のはなしがやりたかったんですよね。ずっと。あと「そう作られたのは真実だがそう在るのも真実」のはなしを。
書いてて自分でも奇術師って自己開示が下手!こんなに喋るのに!って思ってた。真実をずっと疑っているひと。最終的になにがあろうとも自分のやってきたことは真実だなって思えたっぽいのでよかったです。こいつのはなしって9話でだいたい終わってるので10話はなるようになる!って感じでした。思ってたより精神の背骨がちゃんとしていた。まあ、あの状況になったらもう信じられるものを信じるしかないけどね……でもお前が小手先で生きてるひとじゃなくてよかったよ。おめでとう。
人形、喋らない分だけめちゃくちゃ行動力がある。っていうのに気がついたのが8話書いてるときでしたね。それまでも行動力の化身だったわけですが……お前が手に入れた永遠だよ。おめでとう。わたしは人形ってかわいいんだよな……と思いながら書いていました。書いてはいたのだがにこにこしているだけでやってることはすごいからな。自分の感情を疑わないということはそれだけで十分な力となる。
奇術師と人形の関係性が「何」なのか結局明文化することはできなかったしする気もないんだけど、これからもあの二人がなんとかやっていけそうでよかったです。
奇術師と人形、「すごく近い」けど「近いがゆえに他者」って感じがするというかそういうふうに組んだつもりなんですけどどうでしたか?わたしがそういう関係性が好きなだけかもしれない……
初期案だと人形は喋ったし名前もあったんだけどそうだったらこの進行にはならなかったと思うのでこれでよかったんじゃないかな。いや、この設定のせいで書きにくいことこの上なかったけど……まあおとぎ話度はこの設定のおかげで上がったと思う。
全体構成は(まあ構成しないで書いたから後付となりますが)1話プロローグ、2-3話が「奇術師と人形のパラレルになる存在を出してこの二人の関係を暗示する」4-6話が「世界観を広げながら7話に向けた布石を打つ」7-9話が「真相開示」10話がエピローグってことになりますね。けっこうきれいにできたんじゃないでしょうか。
そして本編中にも本編後にも無限に奇術師と人形あるいはゲストたちの番外編を生やせる。ゲストの番外編としては幻影遣いとトミイが普通に生き残ったはいいものの街では死んだことになってて銅像立ってたり記念日作られてたり吟遊詩人に歌にされてるのでさすがに気まずくて帰りにくいよ!の話とかやりたい。人形を買いたかった少女のその後のお話とかも書きたい。同人誌にするならおまけ冊子としてそういうのをまとめたいな♪とは思っている。
あとskebでお願いしたカーテンコールの画像見て。
これを見たので絶対にハッピーエンドにするぞ!という意志が強くなった。だってカーテンコールだぞ。カーテンコールです。
ショーは続く。いつまでも。