ダイエット?脳の報酬系をハックしようぜ。6ヶ月で約25kg痩せた話

MIRO
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公開:2025/8/28

わたし痩せやしたわ(※回文)

ダイエットのために仕方なくApple Watchを買ってからちょうど半年が経ちました。

体重:95.2kg(2025/2/28) → 70.4kg(2025/8/28), -24.8kg

体脂肪率:33.6%(2025/2/28) → 22.1%(2025/8/28), -11.5pt

BMI : 31.66/肥満2度(2025/2/28) → 23.41/普通体重(2025/8/28), -8.25pt

まあなかなかの成果と言っていいのではないでしょうか。当初の目標は「BMIを普通体重にする」だったので、これは無事達成できました。過程で血圧も下がり、高血圧の薬も一段弱いものに変更されていたりもしまして、着実に健康に近づいています。

で。今回半年間ダイエットを継続するにあたり、じつは自分の行動(≒食)と体重変化の因果、自分の心と継続意欲に関する意識などを自己分析しながら臨んでいました。結果、自分なりのダイエットメソッドがだいぶ確立できたのでここに書き記しておこうという次第。

おいしいものをおなかいっぱい食べる→うれしい、幸せ

っていうかですね、自分はもともと「食べる」のが大好き。量も食べるしおいしいものも大好き。食べ放題ではモリモリ食べる。なんなら20分以内に食べきったら無料、みたいなチャレンジメニューだってイケてしまう、そんなタイプだったんですよ。食にはこだわりがあるし、なんか元気になりたいな、となったらおいしいものを腹いっぱい食べて幸せを回復する。そんなことばかりしていました。そりゃ太るよね。

なので医者に痩せろ痩せろと言われながらも「とはいってもなあ、仕事も忙しいし、うまいもん食うのすら止めちゃったら日々の楽しみがなくなっちゃうんだよなあ」みたいに及び腰だったんです。

つまりダイエットを実行するためには、まず「『うまいもんを食べたい』以上のモチベーションを継続維持するにはどうすればよいか?」を設計する必要があったのですよ。

インプットとアウトプットを可視化しろ

となるとまず重要なのはデータの可視化です。毎日の体重計測をするのはダイエットの第一歩として鉄板中の鉄板ですが、今回はそれに加えてあすけんで食事の記録もしっかりやることにしました。自分自身を奮い立たせるために、あすけんのプレミアムコースにサクッと年間登録!なんつっても年間登録ですからね、1年間は逃げられません。

  • 毎日の厳密な体重計測

  • 食事の記録・摂取カロリーの計測

そうしてインプット(食事・運動)と、アウトプット(日々の体重)を記録することで自分の体がどのようなふるまいをしているかをまず可視化します。その際、データの入力に少しでも手間がかかると「めんどくさい…」となって継続のハードルになるので「手間を減らすことには遠慮なくコストをかける」のがコツです。こういう「日常的に繰り返す必要のあるタスクを省力化することにはしっかりコストをかける」という仕草はその昔「携帯動画変換君」を作ったときのモチベーションでもあり、いつも私が心がけていることなのですが、それは余談。習慣化には毎日の手間をちゃんと減らせるかどうかが鍵なのでしっかりやりましょう。

今回私の場合は

  • 自分専用のスマートフォン連動体重計を自室に配置(Anker Eufy Smart Scale P2 Pro)

    • 毎朝起床→トイレの後すぐ自室にて全裸で計測。と毎日の計測条件を揃えることで詳細な体重の動きをトレースしやすくしました。その際洗面所で家族とかちあって計りにくかったりすることのないように自分専用の体重計を自室に設置。一見過剰なようでも、こういう細かいところがけっこう大事なのです。もちろん計測結果を手作業でスマホに転記なんてしたくないので自動でアプリに入る連動機能付きを使います。

  • 運動量はApple Watchにて計測、あすけんに自動同期

    • エクササイズの運動量はあすけんに同期されないけれども、ウォーキング主体だったので歩数が同期されるのでそれでよしとしました。詳細な運動はいちいち入力しないことで少しでも面倒ごとを減らします。

  • 食事の記録はあすけんプレミアムコースで画像解析も積極利用

    • 正直いちばんめんどくさいのがこれではありますが、食事ごとにこまめに記録。なんなら食べるものをバーコードスキャンで済ませられる惣菜にしてしまうなど「記録しやすい食事」に寄せてしまいます

という感じにしました。

「体重」とは何か

世のダイエット情報を見ていると、低GI値がどうだとか糖質がどうだとか血糖値だ運動量だ脂質だ食事間隔だ睡眠前の食事がどうだとさまざまなパラメータが入り乱れ、「ただしい」ダイエットを目指すのに考えなければいけないことが山盛りすぎてわけがわからなくなってきます。

しかし、日々の「食べたもの」と「体重」を記録しつつ推移を分析しながら眺めていくと、実のところ人体とはいえども物理法則としてはとてもシンプル極まりない法則で動いていることがはっきりと見えてきます。

要するに、

   体重 = 肉(+骨)の重さ + 水分の重さ

であり、

  • 水分の重さは(重いし簡単に量が上下するので)その場の脱水具合などで簡単に1〜2kg上下する

  • 肉の重さを減らすのは(デブであれば)単純に脂肪を減らす話であり、1kgあたり7200kcalである

以上でも以下でもないんですね。摂取カロリーを、消費カロリーより7200kcal減らせば、1kg体重(肉の重さ)が減る。That's all.

💩が出たか出ないかとかは些細な問題。前日遅い時間にいっぱい食べたりすると体重が増えたように見るのは、食事が持つ水分の重さで体重が一時的に増えたように見えるだけ。人間は化学的に見れば脂質からだろうが糖からだろうが代謝でエネルギーを生成するとCO2とH2Oを排出する( (CH2)n+(3n/2)O2→nCO2+nH2O )だけなので、その余ったCO2とH2Oを体から外に出してやれば消費したエネルギーぶん軽くなるんですよ。物理的に。

GI値?寝る前に食べると脂肪になる?最終的には関係ない。一時的に脂肪になろうがなんだろうが、摂取カロリーより消費カロリーが7200kcal多ければ、1kg肉が減るんです。実際、夜中飯食って一時的に体重が増えたように見えても、その後同じような脱水具合(小便の色などでわかる)で揃えて体重を測ってみると、きれいに「摂取カロリーと消費カロリーの差」の計算通りに体重が推移しているのがわかります。

KPIを「摂取カロリー」に絞って他の要素は無視!

となると、GI値?食事時間?低糖質?無視無視です。さらには運動量?これも無視。運動で300kcal消費するのを毎日継続しつづけるためには鋼の意思が必要ですが、それよりも摂取カロリーを一日あたり300kcal削るほうがはるかに簡単です。なら摂取カロリーにフォーカスして考えればよい。

というわけで、世にあるあまたのダイエットテクニックは完全に無視して、KPIを「摂取カロリー」一本に絞ります。体に入れるカロリーを減らせば、肉が減る。実にシンプルな話です。

もちろん筋肉量を減らさない(=基礎代謝を減らさない)ためにはある程度の運動は必要ですが、これはダイエットとは別軸の課題(「筋肉量を維持する」という別テーマ)に置いておきます。ダイエット軸で意識するのは本当に単一指標、「摂取カロリー」に絞りきることにします。

摂取カロリーを減らす→成果が出る→うれしい、幸せ

KPIを「摂取カロリー」単一指標に絞るとなにがいいか。考えることをシンプルにして、KPIと結果(体重)の関係一本にフォーカスすることで、推移を脳に認識させやすくなる、という強いメリットがあります。

つまり、毎日毎日の食事の「摂取カロリー」の数字と、結果としての「体重」の数字の推移。これを「この2つは連動しているのだ」と強く意識しながら眺め続ける。そうして実際に密に連動していることを脳に「実感」させる。

「摂取カロリーを減らす」と「体重が減るという具体的な成果が出る」ことが実感できて「うれしい、幸せ」と感じる。これを毎日毎日数字を見ながら意識していくと、「摂取カロリーを減らす」ことがダイレクトに「うれしい、幸せ」と感じるように脳のシナプスが繋がっていきます。毎日意識していると本当にそうシナプスが繋がっていく感じになる。脳の報酬系をハックする、と言っているのはこの部分。

これまで「おいしいものをおなかいっぱい食べる→うれしい、幸せ」だったのを、「摂取カロリーを減らす→うれしい、幸せ」で上書きできればしめたものです。私があまり苦もなくダイエットのモチベーションを継続維持できたのはこれをやりきることに成功したからといえます。

がっつり食べる→その前後で取り戻す

とはいえ、ずっとやってるとたまにはがっつり食べたくなることもあります。そういうときは前後の食事量で調整し、最終的に総摂取カロリーが目標をキープできればよしとします。

実際このダイエット期間中も焼肉食べ放題だのしゃぶしゃぶ食べ放題だのビュッフェだのにちょいちょい行ってましたが、食べ過ぎたぶんをその前後の食事量で調整すれば済む話。たとえばここで貼ったグラフによると、6/23は焼肉食べ放題に行ってしまったことでかなりの目標カロリーオーバーをしており翌日の計量では体重が増えてますが、6/24と6/26の食事量を抑えめにして6/27までに戻しているのがわかります。

あと、たとえば昼にラーメンがっつり食べてしまった…夜を質素にして帳尻をあわせたろ…みたいなのもよくします。摂取カロリー量のみに絞ってコントロールすることで、あんまり細かいこと考えなくとも(カロリーの帳尻「だけ」あわせればよい)意外と高頻度に好きなものは食べられるものです。

具体的にはどういう食事をしていた?

自分の場合、だいたい目標摂取カロリーは1日あたり1000〜1500kcalくらい。1食あたりでいうと300〜500kcalを目安にしてました。たとえば典型的な1日の食事でいうと

  • 朝 155kcal

    • 冷やし茶碗蒸し 1個 (40kcal)

    • おばんざい小鉢 玉こんにゃく (30kcal)

    • セブンイレブン グリーンスムージー (83kcal)

    • ビタミン剤 (2kcal)

  • 昼 524kcal

    • 冷やし中華 (514kcal)

    • レタス (3kcal)

    • めかぶ (7kcal)

  • 夜 331kcal

    • うな丼 (ひとくち分、1/5人前換算。139kcal)

    • 具だくさん野菜スープ (192kcal)

この日は昼を厚めにしたパターンで、逆に朝昼を減らして夜を厚めにすることもありました。

ちなみに成人男性でこういう食事を続けていると、あすけんの女にはもっと食え、と怒られますのであすけん健康度のスコアはあまり上がりません…

減量はすべてを解決する

まとめると、結局のところやったことはいわゆるレコーディングダイエット+シンプルに強めの食事制限です。が、GI値だ低糖質だ運動量だについてはいっさい考えることをやめ、「摂取カロリー」と「結果としての体重」に意識をフォーカス、「自分の行動がダイレクトに数字に反映する」ことそのものを「たのしい」と感じるフィードバックループを作ることで長期的なモチベーション維持を可能にした、というのが今回のダイエットメソッドの最大のポイントです。

冒頭でも書きましたが、減量を続けた結果血圧が下がり高血圧の薬も弱いものに切り替わりました。高脂血症もつい先日血液検査をしたので結果が楽しみです。たぶん良くなっているはず。やせてからは腰痛も再発してないし、体のいろいろなところにかかっていた負担が下がっているのを実感します。そりゃあ、毎月医者も「痩せろ」と言い続けていたわけです。

20代30代のころはあんまり気にしていませんでしたが、いまの年齢(50代)にもなるとだいぶ体も無理がきかなくなってきます。そんなときに、こうやってダイエットすると非常に体が楽になった感じがします。これならもうちょっとがんばれるぞ。

ダイエットには高価なシステムやジムは要りません。モチベーションを科学して、脳の報酬系をハックしよう。数字に反映する「たのしさ」を体感して、継続したフィードバックループを回していくのだ!

と、呼びかけで締めましたがこういった意識付けも含めて効果や影響は個人差がありますし最適な体重・最適なダイエット手法は人によって異なります。あくまでもこれは個人の体験談でありますので、鵜呑みにはしないようにしてくださいね

余談。…ちなみに、なんでいきなりダイエット始めたの?

いま作ってるサービスの開発が進んできて、ひょっとしてこれもっと進んできたら、なんやかやで顔出さなきゃいけなくなる羽目になるんじゃないか??デブったままだとマズくないか?????と危機感を感じたからだよ!

そしたら案の定「採用のために記事つくりましょう!」とか言われ、準備しておいてよかったな、となったりしていたりします。つまりヨロシクなのです。アバターコミュニケーションサービスの企画職・ディレクターとかバックエンドエンジニアとか足りてません!!!↓

@miro
おもしろいものをつくりたい