CarPlay AI Box(ApplePie Rocket)で車をエンタメ空間に変貌させる

MIRO
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公開:2025/6/22

さいきんちょっとしたご縁があり、「間違ってネットでポチってしまった」くるまは売却して違う車にのりはじめました。またEVです。

んで、この、次の車が…なんというか、カーナビがいまいちなんですよ。けっこうな、いや、本当にとてつもなく「いいくるま」ではあるんですが。いわゆるインフォテインメントの出来があまりよろしくない。というか、がんばってはいるんだけど、地図とかあんまり日本の事情にあってなかったりする(電車や駅の扱いが低い、とか)。このへん、これまで乗ってたBMWの純正ナビはなんだかんだ言って日本仕様もよく出来てたなあ、なんて思うわけです。

ただ、この、次の車の純正カーナビですが、Apple CarPlay(とAndroid Auto)には対応している。つまりiPhoneをUSBケーブルで接続すると、Google MapsとかYahoo!カーナビとかが使えるんです。純正カーナビほどのクルマとの密な連携(車速センサー使ったり、スピードメーターのところに地図出したり etc...)はできないけれど、「カーナビの質」としてはアプリが使えるならまあそこそこ担保はできるしいいのかな、なんて。

CarPlay AI Boxとは

Apple CarPlay。iPhoneと車を接続すると、自動車のスクリーンがiPhoneのセカンダリスクリーンとして機能し、CarPlay対応アプリの画面を出して操作できるようになる…という感じの機能です。これはこれでとてもいいものなんですが、当然というかやはりというか、Appleの厳密な審査を通過した、CarPlay対応アプリの画面しか出せません。別の言い方をすると、カーナビは使えるけど、Netflixの動画を流したりはできない。まあ、それはそう。車だし。

ところが、そんな制限知ったことか!と、CarPlay上で好き放題する仕組みも市場にはあったりします。これを通称「CarPlay AI Box」と言ったりします。写真にあるのは、そのうちのひとつ「APPCAST II」。いやまあ、こんなふうに普通に何年も前からオートバックスとかにも売ってるので知ってる人には何を今更って話ですけどね。

CarPlay AI Box。これは要するに、iPhoneとかもうぜんぜん関係なく、中華Androidマシン+CarPlayエミュレータ、です。車との接続プロトコル部分だけApple CarPlay接続を模倣し、CarPlayプロトコルに野良Android端末の画面を送り込んでしまおう、純正カーナビの画面を野良Android端末の画面として使ってしまおう、という素敵システムなのです。魚心あれば水心、上に政策あれば下に対策あり。ほんと世の中もといAliExpressにはなんでもありますよねえ。たくましい。

つまり、純正カーナビの画面を乗っ取って、素の、なんでもできるAndroid端末にすることができる。好きなアプリをインストールできるし、それはもうNetflixだろうが流すことができる。あ、もちろん運転中は見ちゃだめですよ。

ApplePie Rocket

で、あまりにも純正カーナビがダメなので、このへん使うかーといろいろ繋ぎはじめたわけです。先述のAPPCAST IIも、リモコン・キーボード一体型のコントローラとかすごくよくできてて感心します。

が、まあ、ガジェット魂というかなんというかがうずき始めてしまい、もっとおもしろいものが欲しくなってしまったんですね。

CarPlay AI Boxの世界は、正直世の中にリファレンスデザインがあるのかないのか、どの端末もわりと似たような性能の似たような構成だったりします。言い換えると、どれも数年前の格安中華Androidタブレットっぽさがある。さらにさらに言い換えると、とても動作が遅い。とほほ。

そんななか、こいつは速い!と少し前から評判の製品がありまして、思わずそれをポチッとしてしまいました。ApplePie Rocketというモデルです。やはり、AliExpressにはこの世の全てがある。

セットアップ

Apple Pie Rocket、野良AndroidといいつつGoogle Play Storeが入ってたのでセットアップは楽ちんでした。CarPlay AI Box向けのランチャー(ホーム画面)もいろいろ定番があるらしいですが、ここは無難にGoogle Play Storeでサクっと入手できるCar Launcherを使うことにしました。

あと、毎回自分のスマホをテザリングにして繋ぐのもかったるいし安定しない(し、自分のスマホがあっというまに通信容量超過しちゃう)ので、クルマ専用に楽天モバイルも1回線契約しちゃいました。てへ。

リモコン

あとはリモコンです。普通に操作していると、ともかく「ホーム画面に戻る」ボタンが欲しくなるのと、地図のズームイン・ズームアウトを素早く操作したくなる。そこで、この操作に特化した専用のコントローラをクルマに設置できないかなって思いました。具体的にはこれ

やはりAliExpressにはこの世の(略)

これはもともとボリュームコントローラですが、こいつの回転を地図のズームイン・ズームアウトに、押し込みをホームボタンにそれぞれ割り当てます。キーバインドの変更と、MacroDroidの組み合わせでなんとか。

いいかんじ!このダイヤルを手元に貼っておくことで、カーナビの地図拡大縮小がとても直感的にできるようになりました。BMWの純正ナビで気に入ってたんですよこの操作。

【余談】このボリュームコントローラ、回転と押し込みで送信するキーコードをブラウザからカスタマイズできますが、

  • AndroidのホームボタンはメディアキーのWWW Home(戻るボタンはWWW Back)を割り当てるとほぼ期待した動作をします。ただしホームボタン長押しによるボイスアシスタント呼び出しは(WWW Homeでは)動きません。

  • このコントローラからYahoo!カーナビの拡大縮小。直接ハードウェアキーからは制御できないので、ボリュームコントローラは素直にVolume+, Volume-に割り当てておき、MacroDroidで「音量の上げ下げ」をフックしてUI操作をさせています。

    • 地図拡大ボタン(+), 地図縮小ボタン(-)ともにコンテンツIDが無いので、ID指定でMacroDroidから直接ボタンをクリックさせることができません。私は画面内位置指定でクリックさせていますが、Yahoo!カーナビの画面は「通常」「運転モード」「ナビゲーション中」それぞれで+/-ボタンの位置が異なるので、その3画面を判定の上位置を指定してあげる必要がありました。

      • 画面→画面を確認→"検索"

      • 画面→画面を確認→"経路"

        • 画面内に「検索」が存在すれば、通常画面

        • 画面内に「検索」が存在しなくて、「経路」が存在すれば、ナビゲーション中

        • 画面内に「検索」も「経路」も存在しなければ、運転モード

    • Googleマップの拡大縮小はあまりいい手段を思いついておらず、以下のような操作をすることで拡大縮小させています。

      • UI画面操作→クリック(X:50%, Y:50%)

      • 待機100ms

      • UI画面操作→ジェスチャ (X:50%, Y50%→X:50%, Y30% /200ms)

極楽車載エンタテインメント

そんなわけで極楽車載エンタテインメントシステムができました。こんなかんじでEVバッテリーの充電中とか、のんびりとアニメ見ながら過ごしたりしています。というか、マジでApplePie Rocket、超速い。ふつうにサクサク使える。これこれ、こういうのがいいんですよ。みんなもうちょっとイマドキのSoCでCarPlay AI Box作ってくださいよ。

少し話変わって、(自分の次の車ではないですが)IONIQ 5を試乗したときも、シートにレッグレストがついてたりするのが超良かったんですよね。EV時代、充電待機の時間が…というネガティブな理由だけでなく、EVだからアイドリングもなく静かで振動や排ガスとも無縁なので「車内をリビングがわりにして過ごす」時間がより増えるんじゃないかなとおもいます。EVって、駐車中の車でくつろいでいても不快感がない。IONIQ 5のシートのようなレッグレストとか、マッサージ機能とか、音響とか、車載エンタテインメントみたいな機能に投資して「車の中の時間」を超快適にしていくの、EVではほんと悪くないですよ。

おまけ❤

@miro
おもしろいものをつくりたい