
au Starlink Directという、スマホが直接Starlink衛星と繋がって通信できるサービスをauが提供しているのですが、これがauユーザ以外も申し込めるようになりました。契約事務手数料(3850円)や月額料金(1650円)がかかるのではありますが、いまだと半年は月額無料、契約事務手数料相当の金額もau PAY残高で還元されるため実質無料、となっており「とりあえずためしてみる」のは実質無料でできるみたいです。…なら、やってみるしかないじゃない!
じぶんは災害時バックアップ回線としてのStarlinkもいちおう持ってまして
こういうのはだいすきなので、ニュースを見た瞬間ぽちっとしたわけです。するよねえ。

で、ぽちっとしたのはいいけれど、実際にStarlink衛星で通信してみようとすると…これが…とてもむずかしい。
何が難しいって、au(KDDI)が圏外で、かつ、衛星をつかまえられるほど空が開けた屋外でないといけないから。auの電波入ったらそっち掴んじゃうものね。いやあ、あるのかそんなところ?この2025年の、さらっと自宅から週末に行ける距離に??
…と、思いながらauのエリアマップを眺めてみたわけです。


お、このあたりは良さそうじゃないか???
千葉県いすみ市、荒木根ダム。夷隅川は渇水時期、塩分を含む地下水によって塩分濃度が増大し灌漑用水として不適になってしまうため、渇水時に放水し塩分濃度を下げるために貯水しておくダムとのこと。なるほどそういう用途のダムもあるのかー
交通としては行きやすく、東京からならアクアラインを突き抜け大多喜と勝浦の間くらい。車ならひょいっと行けるところにあるし、エリアマップ的にはちょうど空白地帯のまんなかにあるし、ダムだから開けた場所だろうし。よさそうです
行ってみた


ちょっとあいにくの曇り空ではありましたが、ついてみるととてもいいところでした。車などの人工的な音がまったく聞こえず、静かで、鳥の声と木々の葉擦れに包まれる、そんな空間。釣り人が何人か釣り糸を垂らしています。釣れるのかな。
この日は雨予報ということもあり長時間は滞在しませんでしたが、つぎはじっくり時間を取ってのんびりしたい、そんなふうに感じるとてもいい空間でした。
…と、いうわけで意気揚々とスマホを取り出してみたわけですが…

これがまあ、auの電波拾っちゃうんだなあ…!
エリアマップとしては完全にエリア外の位置ではあるのですが、へたに周囲が開けているだけに遠くの基地局の電波をぎりぎり拾ってしまうみたい。いやあ、こまった。 au Starlink回線使うの思ったよりむずかしくないですか?
しかたないのでスマホの電波表示を見ながら周囲をうろうろすることにしました。要するにLTE/5Gの基地局電波が届かないスポットを探せばいいわけです。

…これはau Starlink回線ではなく、iPhone/Appleが提供する衛星経由SOS電波かな?

おっ…!
おおっ…!

きましたわーーーー!!!!
ついに拝むことができました、「SpaceX-au 衛星」電波表示。開けたダムの上だと基地局電波拾っちゃうので、少し降りてみたら無事こうなりました。
ただ、当然降りてしまった以上空の開口部もそれほどないので衛星の電波の掴みもあまりよくないっぽい。Starlink、けっこう空がちゃんと開けてないと掴まないんだよねえ。
というわけで電波が!衛星経由で!繋がった!ので、繋がった喜びを表現しようとXを開いたら…

そうでしたそうでした、テキストメッセージだけが使えるんでした。Xのポストもテキストメッセージみたいなもんだけど、だめですか?あ、はい、だめですね。

SMS(iPhone相手のiMessage, 通常のSMS)は送れました。LINEは繋がりませんでした。このへんはau Starlink Directのサイトに書かれているとおりですね

というわけで「この機能を利用するための条件を整える」こと自体がたいへんだったが使えることは確認できた、au Starlink Direct。このために月額料金払うかというと微妙ではありますが(山に行く人とかにはいいかも)、手元のスマホが衛星に直接繋がるのはおもしろいしなんといっても「衛星」の電波表示はテンション上がるのはまちがいない。みんなも無料期間に旅に出て衛星の電波をつかまえにいこうぜ!