「心理的安全性 最強の教科書」とダンジョン飯

miyaoka
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  • audibleで「心理的安全性 最強の教科書」というビジネス書を聴いた

  • 元Googleの人が書いた本で、まあ心理的安全性というタイトルの本は腐るほどあるだろうし、これも最強と言えるのか分からないし、とにかくよく誤解される言葉ではあるよなーというスタンスで聴いた

  • でまあ、やはりその誤解の部分などをいろいろ説明していて自分もちゃんと本として読んだことはなかったので少し概念がクリアになった感じはする

  • そもそも心理的安全性それ自体が目的なのではなく、建設的な成果を出すためには心理的安全性が脅かされているとハードルになってくるという話。だからただ仲良しな職場を求めるのとは違う

  • カバーに61の鉄則と書いてあるとおり、細かい事例の話がたくさん挙げられているので頭から通して全部理解するというよりは自分が課題と感じるところをつまみ食いできればいいのかなと思う

  • で、いろいろ書いてあったけど結局のところ何が妨げになるかというと「忖度」と「偏見」が大きいように感じられた

  • 忖度とは自分の意見に関わらず相手の都合に合わせてしまうことで、逆に偏見とは何かを決めつけて相手の意見を受け入れない。どちらも一方的なものだから建設的な対話が成されていない

  • こうしたコミュニケーションの破綻した状態では各自が思うように発言できないし貢献もできなくなる

  • 基本的にはマネージャー向けの本だと思うけど、チームメンバーとして読んでも全然面白いんじゃないかなと思う

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  • で、なんかこれ聴いてたときにはだいぶ「ダンジョン飯」の話をイメージしてた

  • なるべくネタバレはしないつもりで書くけど、もし気になるなら先に原作を全部読んでほしい

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  • ダンジョン飯において何が気になったかというと、主人公ライオス一行のパーティというのはけっこう思ったより心理的安全性が損なわれた状態からスタートしているんじゃないかというところ。忖度は行われてないけど、やや強引なリーダーによってメンバーが無理解に引っ張られていく

  • ダンジョンRPGの設定からしてさまざまな種族で構成されていてアイデンティティが多様だし、ダンジョンにやってくるアウトローたちなので各自のバックグラウンドにもいろいろ抱えているものが多く、相互理解は簡単にはしづらい

  • たとえばチルチャックはリアリストな大人であるにも関わらず見た目によって子供扱いされてしまうし、センシは育ち盛りの子供を気遣うお母さんのようなギャップがある。それはコミカルである一方、偏見による無理解と決めつけが生じていて、徐々に自己開示されるまでは真の理解に至らない

  • そんなこと作劇的には当たり前の演出とは言えるんだけど、特にマルシルの場合はエルフという種族でありながらポンコツ扱いされ、そしてマンドレイクの回ではとうとうパーティに貢献できてないことに対して辛さを吐露してしまう。このへんが改めて読むと印象的だった

  • それはもちろんパーティ内唯一のマジックユーザーだからここぞというときに備えて不得手なことはしなくていいという気遣いがされている。けど実はもっとアイデンティティに関わる不安がメンバーには開示されていないということが後になって分かってくる

  • そもそも男女3:3であったパーティが3:1になったことで発言力が低下してるし、慣れない悪食も受け入れなくてはいけないし、信頼していたメンバーも居ない。得意の学術知識も現場の知識に負けてしまう。ファリン救出というゴールに対して人一倍強い動機を持っているのに貢献ができない

https://twitter.com/okazakiokaa/status/1753832210304844213

  • 振り返ってみるとチェンジリングやシェイプシフター、夢魔など互いのアイデンティティを理解するようなエピソードも多いし、ライオスが魔術を学ぶというくだりもある

  • 心理的安全性は各人の自己開示が必要になってくる。だからといって仕事に安易にプライベートを晒したくないし、他人のプライベートも知りたくない。けど目的のために必要なことは開示すべきだし、自ら他人を知ろうとすることも大事なんだなーって思った

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  • 以前書いたバリューズカードをやってたときに、「誠実」と「率直」というカードがあって似たようなものだけど「率直」のほうがいいよねという話をしていた

  • 互いに正しく振る舞うということよりも、腹の底でどう思っているか知れたほうがやりやすいんじゃないかなと思う