同人誌を作って10年くらいになるので、ここでどうやって作ってるのかまとめたら便利かもと思い、書いてみます。
今回はオリジナル(一次創作)小説を想定して書く。全体の流れはこんな感じ。
本文を書く
文字を組む
扉(タイトル)、目次ページ、奥付ページを作る
印刷所を決めて仕様を検討する
表紙を作る
入稿する
差戻し対応、印刷物受け取り
頒布する
本文を書く
本文の書き方については下記に書いた。
頑張って完結まで書こう。やる気を出すためには、
書きながら投稿サイト(カクヨム、エブリスタなど)やTwitterなどで連載していき、随時リアクションをもらう
友達に頼んで書けたところまでときどき読んでもらう
目標に新人賞を据えて締切までに書く
Web即売会や実際の即売会に申請を出して締切と頒布の場を設定する
などの方法があるよ。
文字を組む
文字組ソフトにはいろいろなものがあり、有料だったり課金制アプリや無料ツールなどさまざまで、機能も違う。自分に合うかどうかちょっとずつ試すと良い。
Microsoft Word: 有料、買い切りまたはサブスク。Windowsユーザは馴染み深い。Mac版は動作がいまひとつ。
縦式: 基本無料のアプリ。iOS、iPhone向け。印刷所が推奨入稿方法を書いてくれてることがある。
TATEditor: 基本無料のアプリ。iPad版が使いやすい。改ページができなさそうなのが難。
一太郎: 買い切りソフト。高額。機能は申し分なし。
InDesign: Adobeサブスク。プロ用。
ここまで本格的じゃなくても……という場合は、以下のサイトがおすすめ。
規約で印刷まで使っても良いとあるものは入稿用にできる。カード、文庫、新書などいろいろなものがあるので楽しくて便利。
シメケンプリントはなぜか初心者が難しいPDF一式原稿を作るツールをタダで貸してくれる。助かりすぎる。
扉(タイトル)、目次ページ、奥付ページを作る
一般的に小説だと、右とじで、めくると最初にタイトルが載ってるページ(扉)があり、その裏は白紙、次の左側ページから本文が始まる。
こんな感じです。このため、最初のタイトルの紙を本文とは別に作る。私はクリスタでやっちゃうけど、Wordとかある人はそれで。
目次は好みでつけてもなくても良いかなと思います。
奥付は、同人誌には必須のページで、ふつう本文やあとがき(あれば)などの後、最後のページにします。必要なのは、
本のタイトル
発行日(見込みでもいい)
発行者(ペンネームでもいい)
サークル名
連絡先(メールアドレス)
印刷所名
です。あとはあいてるとこには何書いてもいいでしょう。
ちなみに、ここまで作ったページが全部ひとつのファイルになってないと入稿できない印刷所や、複数ファイルになってもいいけどファイルの種類がばらばらだとダメな印刷所などがあるので、最初からここの印刷所でこの加工がしたい等ある場合は、それに合わせてね。
印刷所を決めて仕様を検討する
印刷所を決めるタイミングはもっと早くても構わないんだけど、私は予約制(美容院みたいにすごく先の日を予約しといてその日に原稿を完成させて耳を揃えて出す。早めに出すほど割引がついていく)の印刷所が苦手で、申込み即入稿のシステムをとる印刷所にしか頼まないのでこうなってる。
印刷所は、好きな作家さんの同人誌の奥付を見たり、実際に作ってる人に聞いたり、イベントに出る場合は協賛していてイベントサイトからリンクのある印刷所を見てみたりするのが一般的かなと。個人的になんとなく把握してる印刷所の一部はこんな感じ。
栄光: 早くて安くてきれい。連絡はこちらの不手際がある場合以外はまず来ないので、便りがないのは良い便りと思って納品を待つ。グッズは木製アイテムがあるのが特徴。
しまや出版: 優しく丁寧。かなり細かな原稿チェックと頻繁な連絡がある。価格はやや高めだが、優しさに包まれて離れられない人が多い。
おたクラブ: 激安できれい。プリンタを更新したり新技術を導入したりも多く毎回びっくりするが、安すぎて誰が犠牲になっているのか不安。イベント混雑時は勧めない。
ラクスル: 名刺やポストカードを作るのが簡単でものすごく早い。同人誌専門店ではないので年齢制限あるものは不可。
表紙を作る
印刷所が決まったので、印刷所の指定テンプレに合わせて表紙を作る。私はだいたいクリスタで完成までやっています。
こんな感じに、左が表紙で真ん中が背、右が裏表紙になるように作る。イラストが描けない場合は、フリーの写真を使ったりしてみては。
入稿する
印刷所ごと様々なルールがあるのでそれに従おう。ファイルを全部1個のPDFにするとか、ファイル名に命名ルールがあるとか、各社くせがある。基本的にWordなどで作ったファイルそのままを出すことはできなくて、出力してPDFや、JPEGなどの画像ファイルにして出す。(イラストはPSDで出すことも)原稿をこのように指定の体裁にして印刷所に渡せたら「入稿」となります。
印刷所のプラン選びのページから、ページ数や紙を選んで注文したら、入稿して入金。印刷代は最初に全額支払いのため、あまりに無茶な部数や凝った仕様にすると売れなかった時苦労する。そのへんはまあ各自計算してね。私は小説だと基本30部しか刷りません。
差戻し対応、印刷物受け取り
不備があると連絡が来るので、直して再入稿します。データチェックを通ったら印刷工程に進むので、あとは発送を待とう!
頒布する
完成したらSNSで告知したり、最初に書いたように登録しておいたイベントに出て頒布したりする。BOOTHなどで自家通販することもできます。最近はオリジナル本の委託ショップもあるので、招文堂さんや架空ストアさんへお預けするのも手。
以上、ざっくりとした同人誌の作り方でした。かなり省いてるところもあるけど!! なんか聞きたい場合は各自連絡ください。