PCオーディオはTL3 3.0を導入してから全くやっていなかった。その後クロックジェネレーターのMC-3を導入するわけだが、これはTL3 3.0にワードクロックを入れる用途でのみ運用中だ。
ただこのMC-3には、クロック入力がない機器でも、USBやS/PDIFで入力した音声信号をリクロックしてデジタル出力する機能がある。PCオーディオをやってる当時はよく分かっていなかったが、USB接続ではクロックはDAC依存となるらしい。そして、THA2はクロックが弱い。したがってうちのシステムではPCオーディオでMC-3のリクロック機能を使うと、大幅な音質改善の可能性がある。
というわけで、試しにやってみた。ただし、PCはもうオーディオとして使っていないのでセッティングも電源もてきとーである。
telos macroQが刺さってる以外はただのハイスペックなPCだ。だからあくまでお試し。
AIM UA3の被覆を剥いたものでMC-3とUSB接続し、ゲンさんのRCAデジタルケーブルでTHA2と接続。
PCとTHA2直結より格段に情報量が増えた。中央付近の定位が明確になり、Empyreanでもどこでなんの音が鳴ってるか把握しやすくなった。また、ピアノの響きの滞空時間が伸びて消え際まではっきり見える。MC-3なしだとPCとTL3 3.0の違いはあまり分からなかったが、今ははっきり違いが分かる。
情報量としては確かにかなりのポテンシャルを感じる。だがそれ以外は厳しい。音を鳴らしてない時も常に感じる圧迫感。
https://sizu.me/nacht/posts/htm4xe5i565z
音色も気持ちいいものとは言い難い。ポテンシャルと同時にPCの難しさを感じさせる音だ。今の私には無理。
ここまで書いてTL3 3.0の情報量のせいにしておしまい、としたくなるが、ひとつ別の可能性がある。それは、上記の違いがトランスポートによる違いではなく、MC-3をリクロッカーとして使うのと外部クロックとして使うのの違いである可能性だ。つまり、TL3 3.0のクロック周りの回路が弱いせいで、外部クロックを十分に活かしきれず、MC-3をリクロッカーとして使用したPCと大きな差が出たのかもしれないということ。この場合、TL3 3.0でもMC-3をリクロッカーとして接続しなければフェアな比較にはならない。