※この記事では二次創作小説の同人誌を取り上げています。公式とは一切関係のない制作物です。苦手な方はご自衛ください。
3冊目・概要
【初版】
印刷所:トム出版
サイズ:B6
表紙用紙:キュリアスIRホワイト 206.5kg +マットPP
本文用紙:淡クリームキンマリ 72.5kg
遊び紙:グッピーラップ ブルー 75.5kg
フォント:源暎ちくご明朝 9pt
【第二刷】※変更部分のみ
印刷所:ちょ古っ都製本工房
表紙用紙:しこくてんれい ゆき 180kg + マットPP
本文用紙:淡クリームキンマリ 72.5kg
遊び紙:色上質紙 中厚口 空
装丁について
初めて表紙に特殊紙を使ってみました!
(時系列的にはこの本のあとに既刊の再版を行ったため、①②で紹介した分と前後しています)
キュリアスIRホワイト。控えめな銀ラメが入った、画用紙っぽい質感です。2024年現在は廃盤(後続の「キュリアスメタルN クールホワイト」が似ているらしい)。
本の内容的に、超キラキラ!ではないけど、ちらっと煌めく感じが欲しいかも〜!と思って選びました。
反省点は「表紙デザインとの親和性」でした♬ ラメは白地のところで特に活きるので、今回のデザインだとちょっと見えづらくなってしまったかも。デザインも用紙もそれぞれ気に入っているのですが…!
写真だとなおさら分かりにくいですね。
控えめなラメ。遊び紙(グッピーラップ)は雲の多い青空っぽくてGOODでした。
キラキラ系の用紙は白を活かす、学び。マットPPはキラキラ落ち着かせ効果がある。学び。
あと、標準セットから選んだためこの斤量(206.5kg)になったのですが、もしかすると小説向きじゃなかったかも…ちょっと分厚かったかな〜と思いました。一般的に小説は漫画などに比べて読むのに時間がかかり、手に持っている時間が長いため、厚めで硬い紙だと疲れる印象。
ほどよい斤量を意識する。学び。
再版で使った「しこくてんれい」は繊維が漉き込まれた模様入りの用紙で、和風なテイストの本向き、とよくいわれています。空のデザインに合わせたら羽根っぽく見えておもしろかった。
わかるかな?薬指の先とか、タイトルのnとsの間あたりに模様が出ています。
表紙デザインは前回と同じ方にお願いしました。
今回も参考資料としてCDジャケットを送って「フィルムカメラっぽい質感」を汲み取っていただいたのですが、第一案で「作中に出てこない花」が大きめに配置されたのが少し引っかかって、話に出てくるモチーフ(部屋、鍵、ピザ、月 etc)をお伝えして換えてもらいました。
自分にデザインの素養がないのもあり「イメージとちょっと違うな…」ってときにどうしたらいいか迷うのですが、「詳しくないので的外れかもしれませんが…」と前置きしてでも伝えたほうが後悔が残らなくてよいかなと思います。
組版!
B6の組版、ず〜っと悩んでる。自分で試しに印刷してみた分には大丈夫そうだと判断してGOしたんですが、実際本になって通しで読んでみるとまだまだ改善の余地あるな〜と思いました。
・文字小さすぎ?
・文字詰まりすぎ?
・1行ごとの文字数多すぎ?
というのが今回の反省点でした。1行ごとの文字数が多いと視線移動の問題で読みづらさを感じるらしい。
このあともいろいろ試して、B6で出した4冊目でようやく自分的に満足のいくレイアウトになりました…。
内容について
初めて長編に挑戦!(※文字数的に正確には「中編」らしいのですが、自分のマインドとしては長編なので以下そのように記します)
テーマ:復縁
モチーフ:月(わかりやす〜い!)
長編を書くにあたって設定に悩み、同人戦友と川べりを散歩しながら語り合っていたところ「(攻め)って"鏡"じゃね?」という結論に辿り着き、鏡→反射→月は太陽の光を反射して光っている→(攻め)は兄という太陽と似た光を放つ月、という連想でモチーフが決定しました。
プラス、「海の潮の満ち引きは月の引力によって生まれる」という知識を得て、このCPは互いの人生が互いの存在によって満ちたり引いたりするので、ふたりともがお互いの月である、という意味を込めました。
はじめ「ふたつめの月」というタイトルにするつもりでしたが、同名の小説があったので断念。好きな曲名からそのまま取りました。
受け推しなのも影響して、これまで攻めのことを「受けを救う圧倒的な光」として描くことが多かったのですが、それだけじゃねえよな!?しっかり向き合おうぜ!と思って攻めの人間性を自分なりに深掘りしました。その過程で 多面的な男だ…なおさら月っぽいぜ!と確信。
また、「離縁のち復縁」のストーリーですが、この話では外的要因(例:女ができた、親族から反対された)で別れるのではなく、内的要因(性格や考え方)で別れ、それを解決した上で「お互いしかいない」と気付いて復縁する話にしたい、そうじゃないと意味がない…という思いがあり、そこはブレないように執筆しました。
気に入っているところ:「I love you to the moon and back.」
アメリカ帰りの発音で言ってほしすぎるし、聞き取れないのがめちゃくちゃ好き。読み返して改めて萌えました。
イメージソングが数曲存在するので、ポイピクにあげていたまとめ画像も貼っておきます。
まとめ
表紙用紙の奥深さを知り、このあたりからぼんやりと紙に興味を持ちはじめました。長編を書く楽しさも知れた。戦いはつづく!
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