自分の「バイク旅」の大抵は無謀なものだ。
世の中には沢山のバイク好きがいて、自分など遥かに凌ぐ無謀なバイク旅をしてる人間も多いとは思うが、その中でもなかなかに無茶な旅をしている方だと思っている。
今回は、2020年に敢行した「西日本原付旅」を振り返ってみたい。
この旅を要約すると、50ccの原付バイクで大阪を出発し、最終目標を福岡市に設定した旅行だった。まったく無茶なことをしやがる。
2020年といえば、コロナ禍の初年。この年は会社が特例として、GWを通常通り平日に働く代わりに代休を好きなところで取れるという制度を作った。5月は緊急事態宣言が世の中的には出されていて、連休中に外出できない。であれば、緊急事態後に休みをとってくださいという趣旨の制度だったと記憶している。自分はそれを利用する形でGWにみんなが休んでいるときに働き、7月にまとめて休みをとった。たしか、連休や土日の合間に代休を充てて、10連休くらいになったはずだ。
思わぬ形での大型の夏休み。とはいえ、コロナの真っ盛りではあったので、マスクを外さず、現地の人とは極力は会話をしないマイルールを徹しながらのバイク旅だった。
さて、Twitterを追うと、8時37分に家を出発している。
まずは、下図のように福岡とは逆方向の東に向かって、国道1号線へと向かった。
その理由は、別の機会に書けることがあればその時にしたい。とにかく1号線からスタートさせたかったのだ。
国道1号線は、大阪市の梅田新道をもって終点を迎える。そこからは国道2号線をひたすら走っていくルートを使うことにした。
7月ということもあって午前中でも暑かったことを覚えている。今のバイクであれば2号線も明石くらいまで行けば2号バイパスに乗っていけるし、なんならそこまでは阪神高速や第二神明を使うこともできるが、このときは原付バイクだ。ゆっくりの速度で下道をひたすら走るしかない。
Twitterによると、神戸を抜け、明石を抜け、加古川も抜けて、姫路に着いたのは14時頃のようだ。すでに5時間以上も走っている。
姫路城に着いたものの、お城に入って観光してるような時間もなく、その前にある土産屋の二階の食堂でご飯を食べた。
近所の兵庫県なので、別に地元の料理にこだわる必要もないが、なんとなく地元料理である「ぼっかけ丼」を食べた。(姫路の地料理ではないが)
姫路を越えて、龍野くらいになると国道2号はひたすら山の中を走る景色的にはつまらないコースになる。岡山市までは初日にして心が折れそうになったのを覚えている。その証拠か、Twitterも夕方まで更新していない。
大阪を出発して9時間ほど。岡山市に到着した。
この当時は、うちの会社も岡山にオフィスがあり、そこをチェックポイントとして写真を撮った。(現在はなくなった)
Twitterでも満足げである。
「去年に続き」というのは、別のバイク旅での話だ。それはまた別述することにしよう。
岡山を出て、隣の倉敷までバイクを進めた。一年の中で日が長い頃の7月なので18時をまわっても明るい。とはいえ、観光地である倉敷美観地区に着いたのは日暮のギリギリだったことを覚えている。観光などする余裕もなく、入り口あたりで何枚か撮ったのがこれらの写真だ。
倉敷を出るとすっかり日が暮れてしまった。しかし、バイクを止めることはせずに走り続ける。体力的にもきつくなってきたが、この日は広島県に入ることとしていたので頑張った。ちなみに、倉敷だったか笠岡だったかのコンビニ休憩の時に、俳優の三浦春馬さんが亡くなったニュースが飛び込んできた。調べてもらうとわかると思うが、2020年の7月18日が命日になっていると思う。若くして亡くなったのでビックリしながら国道を走ったことを覚えている。
大阪を出ておおよそ12時間で、広島県に入った。原付バイクでも12時間かければ広島に行くことができる。とはいえ、広島市へは程遠いわけだが。
初日の目的地へと辿り着いた。初日の目的地は、広島県福山市の松永というところだ。あまり馴染みのない地名だと思うので地図で指し示しておく。
もともとは、松永市というひとつの市だったらしく、福山と尾道の真ん中くらいに位置する。すごい栄えているというわけでもないが、駅前あたりはお店もあって、こじんまりとは栄えている。その近くにある快活クラブにチェックインして、そこを寝床と決めた。
ちなみに、この旅に限らずバイク旅では事前にホテルをとるということはほとんどしない。目的地を定めても辿り着けないこともあるからだ。Googleマップとにらめっこしながら、今日はどこまで行けるかを検討する形をとっている。
もうバイクに乗らなくていい初日は、お寿司を出してくれる小さな居酒屋で晩酌して締めた。
2日目へつづく。