ドールってすごく○○っぽいなって話し(前編)

noi7025
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公開:2024/10/1

「ハルモニアブルーム」のオベロンドールを1週間くらい触った上での話。長すぎて前後編に分けた。

最初に

オベロンのドールが届いた。予約してから1年以上、届くころには存在を忘れているのでは?というか下手するとFGOやめてない?と思ったのだが、そんなことはなく結局あれから連続ログイン記録すら途切れていない。まぁそんな話はともかく。私はドールのドの字も知らない人間で、ドールというより「人形」の方がまだ言葉としての意味合いは理解できるという状態なのだがそれでもイメージできるのはかろうじてリカちゃん人形くらい。しかもこれページを見てもらえばわかるが一応デフォルメのキャラグッズとしてみると異常なほど高い。ドールとしてではない「デフォルメのキャラグッズ」としてだ。ねんどろどころかデフォルメではない全長がほぼ同じ大きさであるアルターの同じくオベロンフィギュアが少し前から予約を開始したがそれとほぼ同じというより厳密にはその値段を超えている。じゃあなんでそんなもんを予約したのか。

※ちなみに、FGOのガチャ天井よりは安上がり。

それが実は理由がよくわからない。羽海野先生完全協力でスタッフ側の熱意も凄まじかったのが伝わってきたからとか、1臨姿の立体化が少ないからとか、それらしい理由を挙げることはできなくもないのだが、正直言ってちょっと自分でもよくわからない。

むしろ手を引く理由ならいくらでもある。デカすぎて邪魔とか、ドールというものを扱ったことがないので買ったとして管理できないとか、値段が……とか、このドールブランドのテーマがかわいいが云々らしいが別に私は彼のことをかわいいとは一ミリも思ってないこととか、いくらキャラに寄せようとドールはあくまでドールで元デザインとの差異が気になるとか、彼の衣装を着せ替えたいとはやはり一ミリも思わないこととか挙げればキリがない。

まずドールに限らずなんで彼の形を象ったプラスチックやらアクリルやらをこんなに集めているのかもちょっとよくわからない。何がしたいんだ私は?と、話がどんどん面倒くさい方面に加速していくのでもうやめよう。

物を買った理由なんて、もっと時間が経ってから後出しで決めればいい。予約した時の理由はもう「わからない」で今のところは処理するとして、これの実物を見たのが一か月前のFGOフェスである。フェスの話はすでに散々しているから割愛するとして、目の前で初めて実物を見た感想はまず「デッッッッッッッカ!!!」である。いや、誤解なきよう言っておくがサイズは予約が開始した時点でちゃんと公表されている。なんなら手元にあるねんどろと並べた画像も商品説明で見た。(ねんどろも、このドールのブランド、ハルモニアシリーズも会社は同じくグッドスマイルカンパニーである)だがしかし、デカい。思ってた数倍デカい、ヤバい、ナメてた。

そしてサイズを実感してから次に感じたのがその異様な存在感である。同じコーナーに今後予約開始及び発売するフィギュアやぬいぐるみなども展示されていたのだがコイツだけ何をどう見ても纏っているオーラが違う。クオリティが高いとか再現度が高いとかそういうことじゃない。存在しているレイヤーが何か違う。これまで見てきたフィギュアなどの立体物では出せない何かがこれにはあると直感的に感じた。それがいいものとかわるいものとかそういう問題の前に、これは一つは手もとに確保しておいた方が良い、人生経験として。と、ちょっと何言ってるのかわからないことをその時は本気で思った。グッズ欲、というよりなんか人生で一度はバンジージャンプをしてみたいとか、そういう感情に近いなと思った。というかドールとかフィギュアとか、製品に関する手間とかそういうの無しでフラットに考えた時に一番クオリティが高いと感じたのはアルターのフィギュアの方だった。こっちはこっちでマジですげぇのでみんな見て。

ただそれと同時に「これが本当に手元に届くのか!?一か月後に!?」という謎の焦りに苛まれることになった。いや、え、これどうすんの?そして「どうするんだろうなぁ……」と他人事のように思いながら、先週実物が届いた。とりあえずその日は羽海野先生描きおろしの複製色紙を眺めて、寝ることにして、変わらず「どうするんだろうなぁ……」と思いながら次の日に箱を開けた。とりあえず説明書っぽい紙だけ出して、読んだ。

どうするんだろうなぁ………

「ハルモニアブルーム」とは。

ハルモニアシリーズ公式サイト

取扱説明書は白黒だった。なんでこういう取説って全部白黒なんだろう。いや、わかる、カラーにしたらコストかかるしその分商品の値段も吊り上がってしまうだろう。わかる、わかるよ、うん、やめようここにこれ以上ツッコむのは。

とにもかくにもまずはセット内容を確認しよう。メイク済みのドール全てこういう仕様なのかハルモニア限定なのか知らないがドール本体(服は着てない)が布団と呼ばれる白いふわふわの布に包まれて届く。でもその前にこの「ハルモニアブルーム」とはまず何なのか、ほぼ公式サイトの受け売りだが説明しておこう。というか、ここから先ネガティブな話ししかしない、というかもはや愚痴の塊になるので、ここで商品自体に罪はないのと、関わったクリエイターの方がこのソシャゲの一キャラのグッズにどこまで力を入れているかということを話しておきたい。

まず、「ハルモニアシリーズ」とは前述のとおり、グッドスマイルカンパニー発のドールブランドである。ドールの中では小さめ(約20cm)で所謂デフォルメのデザインになる。公式サイトには“「どうしようもなく、かわいい」を表現する唯一無二の存在”とある。手軽かつ身近、でも本格的にカスタマイズすることも可能、という初心者向けだが、しっかり楽しむこともできるという良いとこどりなドール、ということらしい。このオベロンは「ハルモニア」の中でも「ハルモニアブルーム」というブランドのもので、他にも「ハルモニアハミング」というブランドもありキャラドールはどちらかというとこちらで展開するのがメインらしく、一覧を見るとなるほど、見たことのある有名キャラが並んでいる。数年前に文ストの太宰と中原がドールになるとちらっと聞いたが、実はこのブランドだった。予約するときに調べて初めて知った。

つまりドールの中ではかなり扱いやすい方ということだ。そして、お金の話しばかりしたくないのだが、さっき「値段が高い」と言ったがドールの相場をかるーく調べてみると、これはかなり破格な方なのだ。まぁ、ドールのメイクは手描き、衣装も手作り、それを一つ一つやっていると考えればそりゃあそうなる、という話なのである。

そして、デザインは羽海野先生完全監修、それもそのはずこの「ハルモニアブルーム」最初のドールが羽海野先生の『ハチミツとクローバー』のキャラクタードールだったそうだ。いや、そんなことある?つまりFateシリーズより羽海野先生と縁が余裕で長いことになる。

そして、その熱意が一番感じられたのがこのオベロンドールが特集された雑誌Dollybird37の内容。第一、第二臨の写真、それぞれ手掛けたクリエイターさんへのインタビュー、そしてその後なぜか20p以上ある第三再臨Verの作り方と翅の刺繡の作り方と羊毛で作る蚕蛾の作り方。

…………いや、なんで?……本当に何で?なぜかこの人たちは誰に頼まれたわけでもないのに、第三再臨と小物まで作って作り方の解説ページまでつくり、なんなら型紙も付録でつけてしまったらしい。……裏で誰かに脅された?そしてこの第三再臨Ver当時、商品化する話はなかったらしくそもそも版権許可されていない状態で、あくまで羽海野先生個人の許可として同人誌『黄昏の王国』のスケッチを元にドールを作って掲載というなかなかに際どいラインで成立させたらしい。(そして、なんと8月に第三再臨の衣装のセットも公式に商品化が決まった。おめでとうございます。)

…………え、だからなんで!?なんでなのかは何もわからないが、この人たちの熱意は本物だということがよく分かった。というかそれしかもうわかることがない。わたしにはなにもわからない。

と、いうのをもっとわかりやすくまとめた動画が公式でちゃんとあるのでこちらをどうぞ

さて、そろそろセット内容を確認し終わった私に話を戻そう。

(※ここから先、だいぶ赤裸々にドールを扱った上での感情を言葉にするため、マイナスなことは聞きたくない人は逃げてください)

プラスチックと布

出てきたのは服とウィッグと白い布団につつまれたドール本体。あと、翅と王冠。全部あることを確認する。要するにこの状態だとプラスチックと布とその他諸々の物体Xである。このドールはメイク済みのもの。つまりドールの素体本体に既に色が塗ってある。具体的に言うと、ヘッド部分には唇やチーク、まつげ、まゆげなどが描かれている。あとたぶんだけどボディ部分にも色が塗ってある。元を知らないのでたぶんだが。腕や足などで微妙に色が違うように見える。そして目。こちらもオベロンオリジナルのグラスアイを作っているらしく、既にヘッド部分にくっついている形で届いた。ヘッド部分を開けて、中のネジを緩めると外して別のアイをつけることもできるらしい。まだ外したことないけど。外さなくてもこのグラスアイ、動かすことができるようになっており目線を自由に変えることができる。ドールを触っている人からすれば当然なのかもしれないが、こっちとしてはなるほど、そういう仕組みなのか……と感嘆しっぱなしである。

そして本体がかなり動く。だいたいのポーズは取らせられるし、パーツも外そうと思えば外せる箇所は多い。普通にすげぇ。

このとき、私はこの物体たちを「オベロン」にするまでにここから長い戦いが待っているとはまだ知らなかったのである。

すでに限界

取説とにらめっこしながらまずは白いタイツとこの……なんていうの一番下に着てる白いやつ。ワンピース?とにかく一番下に着てるやつだ。を、なんとかしてこの本体に着せていく。まずタイツだが、その前にこの素体本体に足のパーツをつけなくてはならない。当然だが。ズボンとかならつけないではかせて後からくっつけられて楽なんだろうなこれ。クソ面倒な服を着ているのでしょうがない。改めて思ったがコイツはマジで面倒な服を着ている。しょうがない、妖精王だし。見た目の印象はある意味で一番大事だ。既にこの時点で冷や汗と手の震えが止まらない、元々手先がかなり不器用なこともありこれだけで苦戦した。夜中に隣に置いといたら勝手に服着てくれないだろうか。いや、ホラーじゃん。

それと、私はキャラクターとして認識している物体を自分の手で触るという行為がクソ苦手で具体的に言うとねんどろの頭開ける時とか未だにちょっとおえってなりながらやってる。これでもだいぶ慣れたのだが。最初は本当に地獄だった。ただこの時点でその感覚はあまりなかった。

なぜなら、私はこの時点でコレを「オベロン」とは認識していないからだ。人の形をしたプラスチック、オベロンと同じデザインなだけの小さい服、髪と同じ色をしている謎の繊維(ウィッグのこと)としてしか見れていない。これはある意味で私にとって救いだったのが、この認識が後々私を存分に苦しめることになる。

タイツをはかせて、次はワンピース、なのだが腕が入らない。どうやっても入らない。いや入らないよこれは。物理的に。ワンピースだから下は開いている、だからここから胴体を入れるのだがどうやっても腕が入らない。腕のパーツを取るってことなのか?いやでもそんなこと取説に書いてないし、着せてから取り付けるとか無理では?無理矢理入れろってこと?いやいやダメでしょ、破れるって。そう、実はこれは、後ろの部分がマジックテープになっており背中の部分が開くのである。これに全く気付かず、私は時間を潰していたわけだ。取説には文字では書いていないが、ちゃんと矢印では示されている。ここが開きますよって。いやわかるか!!!マジックテープと一言書いてくれれば!!なぁ!!いや、ごめんなさい冷静に考えたら取説見なくたってこんなもん皆わかるよな、はい、なんかその頭が沸騰してたんだと思います、忘れてください。

可動域問題

そして、次に立ち絵でも印象的なこの青い……なにこれ?この……前が開いてる上着みたいな……なにこれ?を着せていく。それでこれは……どう腕を入れるんだ……?とりあえず腕動かさなきゃ……でも、この腕どんくらい動くの?どれくらい動かしていいの?変な方向に動かしたらボキってならない?ねぇ?大丈夫?この時点では私はドールの可動域が全く分からず、付属の説明書を見てもよくわからず、しかも服を着せてしまったので本体が見えず、腕のパーツがどう動いているのか確認することもできず、まるでいまにも爆発しそうな爆弾処理でもしているのかという手つきで腕を動かす羽目になる。そして腕が上手く動かない。動くはずなのに!たぶん!というか動かないと、服が着れないから動かないと困る!……これは説明するのが難しいのだが、腕のパーツと肩のパーツが動かし方によってはぶつかって動かなくなるのだ。

理解が合っているのかいまだに怪しいが、パーツごとは直線ではなく曲線で組み合わさっているので(直線だと当たり前だがパーツとパーツがぶつかって動かせなくなってしまう)こっち側に手を動かしたいならパーツの凸と凸がぶつからないように少し回す形で動かさないといけない、みたいな場所があるのだ。こればっかりは実際に触って動かさないと伝わらないと思う。

なので今はポーズを取らせたいときは服を着せていない状態でボディを動かししっかりイメージを固めてから服を着せるようにしている。これをするだけで見栄えはかなり良くなったと思う。いや、なんで私がこんなことを……なんとか腕を通して、右肩と左肩のなんかふわふわした部分をこちらから引っ張る。なんかおかしいなと思ったら、これをちゃんと袖から出してないのが原因だった。そしてここであることに気づく。この服の下にあるべきベルトがない。ベルトをつける工程をすっ飛ばしてしまったみたいだ。…………脱がせるか。

再現度

このドールを扱ううえで参考にすべきはもはや取説でも完成イメージの公式画像でもない。正真正銘、羽海野先生の描いたオベロン1臨の立ち絵である。全ての服があの立ち絵通りになっている。実物にできる強度のデザインを創り上げた先生も凄いが、これを完璧に再現したドールの服を手掛けた方も凄い。マジ凄い。なんなんだこれは。

暴れる髪の毛

あとは首にマント、翅、襟をつけてヘッド部分を差し込むのだがその前に、この謎繊維、ウィッグとの戦いが待っている。まずヘッドにウィッグをかぶせる。ウィッグはだいたい人間が使うものと仕組みは変わらない。水泳帽をかぶるようなイメージで、ヘッドのおでこの上あたりからうなじあたりまでかぶせるだけ、なのだが。すべる、とにかく滑る。引っ掛かりなどもないしヘッドは当然まんまるな形。そりゃ滑る。ほ、本当にこれかぶせられる……?一生、つけられずに私はここで死ぬのでは………?そんな気分になってくる。そして、触るたびにこのウィッグはグチャグチャになっていく。頭痛がしてきた。それでもなんとかかぶせた、のだが。どう見ても髪の位置がおかしい。顔の横にあるはずの髪の束が目にかかっている。つまりウィッグ全体の位置がズレている。この状態からどうやって位置をズラすのだろうか。わからない。………外しました。そしてこれを3回くらい繰り返す羽目になりました。

私は学んだ。ウィッグはグチャグチャになるものだと。少なくとも私はグチャグチャにしていちいちくしでなおさないといけないのだと。くしは人間用のものでいいと先に調べておいたので、用意していたものを使用。歯ブラシも欲しいなこれ……となって後日百均に追加で買いに行きました。

暴れる翅

なんとかウィッグとの戦いを終え、あとはヘッドを本体とくっつけるだけ。その前にマントの紐の部分をひっかけなければいけない。さすがにマントにくっついている紐部分はマントにプラスチックの部品がくっついていて、それをマントの逆側につけられている小さい糸の輪っかに引っかける仕様だ。これ、糸ループというらしい。この糸ループが結構難しいと初心者を心配する投稿をいくつか見かけたがむしろこれは結構簡単だった。細い物(つまようじでいい)を通して糸を広げてあげて後は引っかけるだけ。安心した。心底安心した。

問題は翅の方だった。この翅、首部分に引っかける仕様なのだが、箱から出した状態だと翅はピーンと真っすぐ。なのでヘッドをつけるとウィッグを巻き込んで上方向に「俺を解放しろ!!」と暴れだす。これは無理だなとなり、ヘッドを外す。この作業も何度もしたくないし、直視できずに目を瞑ってやっている。入れる方向ズレると首のジョイントが折れることもありそうなので、ちゃんと見て作業しようね。

このドールの個人的な好きなポイントの一つが立ち絵と同じく翅がちゃんと存在感のある大きさをしている(そして本体がその翅に負けていない存在感がある)ということなのだが、それはそれとして取り扱ううえではマジでクソ邪魔である。

これは結構強めに折り癖つけないとダメだなとなり、気力と体力が限界だったのでここらで一度休憩。それから襟部分もちゃんと折っておかないと、襟だけ浮いてるような形になってしまう。ここが浮いてると見た目の違和感がすごい。ちなみに未だにこの襟とはあまりわかりあえていない。

「自分で」

なんとか翅が自然に曲がるようにして、ヘッドをつけるのだが………待て、これ髪の中に翅が刺さるというか、髪の毛に翅が差し込まれるような形になるよな………いや、どこに?そもそも本来のデザインだと、彼の肩までの長さのブロンドの髪が翅に触れることは物理的にあり得ないのだ。

だからつまり、このドールのデフォルメの状態になった場合、翅と髪の位置をどう処理するのか、ということを今から私は「自分で」考えなければならないわけだ。それでなくとも言うことを聞かないウィッグに少し落ち着いたとはいえ未だに暴れだしそうな翅の処理で手一杯なのに?

ある程度はわかっていたはずだ。ドールとは、既に完成されているものではなくそこに自分がどう手を加えるか、どう見るかだけではなくどう見せるか(他人に対してだけではなく自分に対して)を楽しむものだ。それをここまで来てようやく我が事として実感し始めたのである。

そして、そもそももっと根本的な問題も発生していた。いや、だってこれ

立たない

立たない。ドールが立たない。いや自立するドールではないので付属のスタンドを使うのだが、立たない。というかこれ、どうやって立たせんの。なにこれ。

ドールのスタンドは、ドールの腰部分をマジックハンドのように挟んで支える。他はねんどろなんかのスタンドと仕組みは同じ。違うのは、ねんどろのように背中にスタンドを差し込む穴が開いているわけではないのでこの支える位置を自分で決めなければならないこと。まぁ当たり前だ。ドールと服に穴開けるわけにいかないし。このおかげで一つのスタンドで自由なポーズを取らせられるようになっているわけだ。なのだが。ということは、ドールの重心とスタンドの位置を自分で考えてバランスを取らないと当然立たないのだ。これが思ってる100倍は難しかった。

ハルモニアのドールはデフォルメデザインなのだから、頭が一番大きく重い、そして手足側に近づけば近づくほど小さく軽くなる。つまりメチャクチャ倒れやすい。

このスタンド、ねんどろと同じく土台の上にドールそのものが乗りその重量でスタンドの棒部分の重さを支えるものだ。スタンドを伸ばし過ぎて、ドールの重さが土台にうまく伝わらないと後ろにドカンと倒れるし、逆に重すぎると支えきれずに前にズルズル滑って落ちてくる。ドールを初めて触る人でも、ここら辺が感覚的に理解できればそこまで難しいわけではないと思うのだが、私は完全にダメだった。自由にできる仕組みになっているからこそ、何が正解かわからない。自由に動かせるというのは裏返せば、自分でどう動かすか決めないと何もできないということだ。知恵熱が出そうになりながらも、とりあえず何とか立たせた。というか色々触ってたら、たまたま立ったというほうが正しい。たぶん、少しでも触ったら倒れるけど。そして改めて全身を見て思った。

これはオベロンではない。

後編に続く

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