魚と散歩 (夏の銀座編)

洗われるたこ
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公開:2024/8/1

あまりにも暑すぎる先週末、おれたちは涼を求めて銀座に辿り着いた。

…はずなのだが、気付いたときには熱波に揺らぐ麻辣湯 (燙) 屋に吸い込まれていた。

このブームは未だ去っていない。

なぜか空席がなくなるほど混んでいたけれど、それほど待たされずに提供。味は期待通りに美味かった。

腹ごしらえをして、ようやく真の目的地へ。

銀座といえば三越だ。

ちょうどスヌーピーの催事をしていたらしく、館内のいたるところに犬っころがいた。

で、本題はこれ。

アートアクアリウム。

おれは水族館が好きなのだけれど、関東近郊の施設はほとんど行き尽くしてしまっている (それでも2週目3週目と巡るが)。

そこで、期間限定で開催しているというこのイベントに行ってみようということになったわけである。

説明書きを読む限り、元々銀座三越内のワンフロアにある「アートアクアリウム美術館 GINZA」という場所で 夏の間だけ金魚に特化した特別企画をしているらしい。

どうやら魚の種類や希少さ、規模や迫力で勝負しているものではない模様。あくまで水族館ではなく美術館だし、立地からしても当然だけれど。

ポスターに写っている展示や照明はやや奇抜でフォトジェニック。チームラボのようなものだろうか、と想像する。

チケットはWeb価格で2,500円 / 1人と強気の設定だった。映画より高い。近隣で圧倒的な規模とクオリティを誇るアクアパーク品川 (イルカショーも見られる!) と同額なことを考えると、一瞬ためらってしまう。が、意を決して購入。30分単位での時間指定入場制だ。(退場はフリー, 再入場不可)

それで、展示はどうだったか?

滝のような平べったい水槽で泳ぐ金魚。会場は暗く、こちらへ冷気が流れてくるようだ。

とにかく数が物凄い。黒い出目金も、鯉のようにでかい奴らもすいすい。

趣向を凝らした様々な色形の水槽。幻想的にライトアップされている。

七夕飾りのようなグリーンと風鈴エリア。もちろん下の方には金魚もいる。

もはや魚など関係なく壮大な灯篭と向日葵のセット。まるで屋外にいるかのようだ。

…という感じで、全体的にビルの中とは思えないほどに広く、出口近くにあったショップも含め鑑賞時間は1時間ほど。子供はほとんどおらず、落ち着いていて静かな雰囲気。期待していた以上に良かった。

浴衣姿の人たちも何組か見掛けた。どこを切り取っても美しく、写真映えもするだろう。それでいてやりすぎでない上品さも感じられた。入場料に見合った見事な内容だ。期間限定なのが勿体ない。冬の金魚も悪くないと思うが。

大満足のまま外に出ると、非常に暑い。耐えられない。おまけにゲリラ豪雨。

勘弁してくれ~と叫びながら近くのGINZA SIXへ。

ここへ来たからには行かねばならないのは、中村藤𠮷だ。

行列だったが、冷たい日本茶が何より美味い。ふわふわのパフェも食った。

雨も落ち着いてきたのでそのまま少し有楽町の方へ散歩。

だが、やはり暑すぎる。どこか店に入ろうぜ、ということで…

ありえない色のかき氷を出すここは、コメダ珈琲店だ。

同行者に散々馬鹿にされながらトロピカル (ミニ・練乳 + ソフトクリームトッピング) を注文。フルサイズではないのにとんでもなくでかい。

冷房が強く効いていたこともあり、食べ終わる頃には極寒に。溶け残った液体は毒沼のような色をしていた。

震えながら会計をし、退散。

特段のオチはないが、夏を満喫した一日だった。アートアクアリウムはお勧めだ🐠🐠

@octopus
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